四部
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目を覚ます。枕元の時計を確認すると七時二十分。露伴との待ち合わせの時間は八時半で、ホテルから待ち合わせ場所へまでは二十分もあれば平気だろうと考えてベッドから起きる。
トムは行かないのでまだ起こさなくてもいいだろうと着替えて、先に承太郎が起きているか確認しにいくかと部屋を出た。承太郎とはジョセフが来てからは別の部屋になっていて、とはいえ一番近い部屋を取っている。
承太郎達のいる部屋のドアをノックしようとした瞬間目眩がした。
目眩と同時に激しい頭痛も吐き気もせり上がってくる。着替えたばかりだというのに脂汗が全身で滲み、立っているのも難しくなりその場へへたり込んだ。へたり込んだ拍子にドアへぶつかるようにもたれ掛かってしまうが、その痛みよりも頭痛が酷い。
吐かないのは朝食を食べていないからで、もし何か食べていたら確実に吐いていた。今も胃液を吐きたくて仕方がない。
アマネがドアへぶつかった音で気が付いたのか、ドアが内側から開けられる。そのドアが動くのに当然寄りかかっていたアマネの身体も倒れていった。
かすむ視界に承太郎の足が映る。それから伸びてきた手がアマネを抱き起こした。
「斑鳩!?」
承太郎の声が頭痛のする頭へ響く。
「どうした! 何があった!?」
「……ちょっ、声、落として……響く」
閉じた瞼の裏で何かが修正されている。世界が『書き換え』られる音が鼓膜を破りそうだった。
何かが世界を書き換えている。
やっと落ち着いてきた頭痛に、アマネを支えてくれている承太郎の腕を掴んで体勢を楽なものへ変えた。深呼吸をして少しでも全身の気持ち悪さを和らげようとする。
心配してくれているのだろう承太郎の背後から、赤ん坊を抱えたジョセフが様子を見に来た。まだジョセフは寝間着姿だし、承太郎もコートは着ていない。
コートは着ていない。だからまだ『ホテルを出てはいない』し『露伴と合流』してもいなかった。
川尻少年に出会った露伴が死ぬ。そう『世界が書き換え』られた。
ただそれは、今よりも未来の話である。
「短時間ループ……ッ!」
「は?」
「くそったれぇ……誰のスタンドだよ畜生」
スタンドではないかも知れないが、承太郎を殺して喜ぶような相手はスタンド使いしかいない。承太郎の腕へ填められていた腕時計で時間を確認する。
七時三十一分。どうやら起点はここらしい。
けれども終点が分からなかった。
「……空条。内線でトムを起こしてくれぇ」
吐き気はまだやまない。
トムは行かないのでまだ起こさなくてもいいだろうと着替えて、先に承太郎が起きているか確認しにいくかと部屋を出た。承太郎とはジョセフが来てからは別の部屋になっていて、とはいえ一番近い部屋を取っている。
承太郎達のいる部屋のドアをノックしようとした瞬間目眩がした。
目眩と同時に激しい頭痛も吐き気もせり上がってくる。着替えたばかりだというのに脂汗が全身で滲み、立っているのも難しくなりその場へへたり込んだ。へたり込んだ拍子にドアへぶつかるようにもたれ掛かってしまうが、その痛みよりも頭痛が酷い。
吐かないのは朝食を食べていないからで、もし何か食べていたら確実に吐いていた。今も胃液を吐きたくて仕方がない。
アマネがドアへぶつかった音で気が付いたのか、ドアが内側から開けられる。そのドアが動くのに当然寄りかかっていたアマネの身体も倒れていった。
かすむ視界に承太郎の足が映る。それから伸びてきた手がアマネを抱き起こした。
「斑鳩!?」
承太郎の声が頭痛のする頭へ響く。
「どうした! 何があった!?」
「……ちょっ、声、落として……響く」
閉じた瞼の裏で何かが修正されている。世界が『書き換え』られる音が鼓膜を破りそうだった。
何かが世界を書き換えている。
やっと落ち着いてきた頭痛に、アマネを支えてくれている承太郎の腕を掴んで体勢を楽なものへ変えた。深呼吸をして少しでも全身の気持ち悪さを和らげようとする。
心配してくれているのだろう承太郎の背後から、赤ん坊を抱えたジョセフが様子を見に来た。まだジョセフは寝間着姿だし、承太郎もコートは着ていない。
コートは着ていない。だからまだ『ホテルを出てはいない』し『露伴と合流』してもいなかった。
川尻少年に出会った露伴が死ぬ。そう『世界が書き換え』られた。
ただそれは、今よりも未来の話である。
「短時間ループ……ッ!」
「は?」
「くそったれぇ……誰のスタンドだよ畜生」
スタンドではないかも知れないが、承太郎を殺して喜ぶような相手はスタンド使いしかいない。承太郎の腕へ填められていた腕時計で時間を確認する。
七時三十一分。どうやら起点はここらしい。
けれども終点が分からなかった。
「……空条。内線でトムを起こしてくれぇ」
吐き気はまだやまない。