四部
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康一視点
「俺実は『ヨモツチモリヒト』なんです」
振り返ってはいけない通り道を振り返ったのに無事に戻ってきたアマネは、あっけらかんとそう言った。
康一はそのヨモ何とかが分からず思わず露伴を見たが、露伴も鈴美も知らないものらしい。知らないが知らないなりに、あの無数の手に対抗出来る程の凄いスタンドか何かなのだろうかと考えた。
だがそうだとしたら他のスタンドでもあの通り道を攻略出来る可能性が出てくる。康一も一度露伴のスタンドのお陰で振り返っても助かったし、実は意外とあの通り道は怖くないのかもしれなかった。
「まあ……そのヨモなんとかは分からないが、無事で良かった」
「ありがとうございます」
淡々とお礼を言うアマネの顔色は読めない。
「それで、杉本さんへ聞こうと思ったことなんですけど、貴女は明日もここへ居るんですか?」
「ええ、あまりここから遠くまで離れることは出来ないもの」
「そっか。じゃあ少年に話を聞いて進展があったら伺いますね」
たったそれだけの会話の為にこの人は振り返ったのだろうか。それなら外へ出てからでも良かっただろうにと康一は思ったが、そういう何気ない事を考えていたから振り返ってしまったということもある。
だいたいにしてアマネのスタンドを未だに康一は知らないのだ。あの承太郎と行動を共にしている訳だし、吉良吉影をボコボコにするほど強いのだから、彼はある意味底が知れない。
ホテルへ帰るというアマネと別れて、露伴と一緒に振り返ってはいけない通り道を後にする。塾へ行く予定があったのだと思い出したが、まだギリギリ間に合うかも知れない。
「すみません露伴先生! ぼく塾に行かな――」
「『ヨモツチモリヒト』と言っていたな」
「? アマネさんですか?」
「彼のスタンドの名前だろうか。彼は転移能力を持ったスタンド使いだろ。そのスタンドの名前かと思ったんだ」
転移する能力。多分アマネ本人やアマネが望んだ任意の対象を転移させる能力だ。いわゆる瞬間移動をするのを見たことがある。
「だが彼は……」
「スタンドの名前じゃないんですか? それ以外にないでしょ」
考え込もうとする露伴に言い返す。明日には吉良吉影に関する新しい情報が手に入るかも知れないというのに、味方であるアマネのスタンドの名前なんて今はどうでもいい。
「いや、響きに聞き覚えがある気がしてな。悪かったよ、変なことを気に掛けて」
どうやら露伴も考えるのを止めたようだった。アマネのスタンドについては吉良吉影の事が片付いたら聞けばいいのである。
塾には完全に遅刻した。
「俺実は『ヨモツチモリヒト』なんです」
振り返ってはいけない通り道を振り返ったのに無事に戻ってきたアマネは、あっけらかんとそう言った。
康一はそのヨモ何とかが分からず思わず露伴を見たが、露伴も鈴美も知らないものらしい。知らないが知らないなりに、あの無数の手に対抗出来る程の凄いスタンドか何かなのだろうかと考えた。
だがそうだとしたら他のスタンドでもあの通り道を攻略出来る可能性が出てくる。康一も一度露伴のスタンドのお陰で振り返っても助かったし、実は意外とあの通り道は怖くないのかもしれなかった。
「まあ……そのヨモなんとかは分からないが、無事で良かった」
「ありがとうございます」
淡々とお礼を言うアマネの顔色は読めない。
「それで、杉本さんへ聞こうと思ったことなんですけど、貴女は明日もここへ居るんですか?」
「ええ、あまりここから遠くまで離れることは出来ないもの」
「そっか。じゃあ少年に話を聞いて進展があったら伺いますね」
たったそれだけの会話の為にこの人は振り返ったのだろうか。それなら外へ出てからでも良かっただろうにと康一は思ったが、そういう何気ない事を考えていたから振り返ってしまったということもある。
だいたいにしてアマネのスタンドを未だに康一は知らないのだ。あの承太郎と行動を共にしている訳だし、吉良吉影をボコボコにするほど強いのだから、彼はある意味底が知れない。
ホテルへ帰るというアマネと別れて、露伴と一緒に振り返ってはいけない通り道を後にする。塾へ行く予定があったのだと思い出したが、まだギリギリ間に合うかも知れない。
「すみません露伴先生! ぼく塾に行かな――」
「『ヨモツチモリヒト』と言っていたな」
「? アマネさんですか?」
「彼のスタンドの名前だろうか。彼は転移能力を持ったスタンド使いだろ。そのスタンドの名前かと思ったんだ」
転移する能力。多分アマネ本人やアマネが望んだ任意の対象を転移させる能力だ。いわゆる瞬間移動をするのを見たことがある。
「だが彼は……」
「スタンドの名前じゃないんですか? それ以外にないでしょ」
考え込もうとする露伴に言い返す。明日には吉良吉影に関する新しい情報が手に入るかも知れないというのに、味方であるアマネのスタンドの名前なんて今はどうでもいい。
「いや、響きに聞き覚えがある気がしてな。悪かったよ、変なことを気に掛けて」
どうやら露伴も考えるのを止めたようだった。アマネのスタンドについては吉良吉影の事が片付いたら聞けばいいのである。
塾には完全に遅刻した。