四部
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仗助視点
付いてこられたところで仗助は何となく気まずい。鉄塔のところで手を振り払われたショックも未だに僅かながら残っているし、康一を捜している時に考えたことが頭に引っかかっている。
「……朝、ごめんなぁ」
ふいに聞こえた声へ振り返ればアマネは歩きながら住宅地の花壇を眺めていた。
「君だって友達が心配なのは変わらねぇのに、突き放すようなことして」
「あ、いや、ヘーキっす」
「時間の問題だったら一人で動いた方が早ぇって考えが強ぇから、ああいう時はいつも周りの気分は気にかけねぇんだよ。駄目だって何度も言われてるんだけどなぁ」
「そーなんすか」
会話が終わる。
たった数分の距離だというのに随分と長く感じた。
仗助の家へ着いてしまって、アマネがそのまま億泰の家へ向かおうとする。玄関の鍵を開けるのに手間取っていた為にそれに気付いた仗助は、咄嗟にアマネへと声を掛けた。
「あの、お茶いかがっすか?」
「……君は早くお母さんを気にしてあげなさい」
「どーせ寝てるだけっしょ? 怪我してたんならアマネさんが治してくれてたと思うし。それにホラ、助けてくれたお礼も!」
「……お礼がほしくて助けた訳じゃねぇし」
「オレがお礼したいって言っても?」
今のは卑怯かと思ったが、アマネはゆっくりと道を戻ってきた仗助が開けた玄関を入ってくる。靴を脱いで仗助の家へと上がったアマネに、何だか懐かない野生動物の甘える姿を見たような錯覚を覚えた。
朋子は居間のソファに寝かされていたので、アマネに待っていてもらい寝室へと運ぶ。戻ってくるとアマネは静かに窓の外を眺めていた。
やはり声もなく黙って立っていると女性の様な人である。初めて会った時も思ったがおよそ不思議な能力を使える様にも、あの吉良吉影やスタンド使いと戦える技能を持っている様にも見えなかった。あと一児の父にも。
承太郎の美丈夫とかトムの美貌とは違う、綺麗さがこの人にもある。
ストールを引き上げてアマネが振り返った。
「お母さん、大丈夫だったかぁ?」
「あ、ハイ。い、今お茶淹れますんで!」
何となく綺麗だと思っていたことが恥ずかしく、誤魔化すように慌ててお湯を沸かそうとするとアマネが傍へ来る。
水を容れたケトルを持ち上げて底の下で指を鳴らしたかと思うと、火に架けてもいないのにお湯が沸いた。
「……グレートっすね」
「気持ち悪ぃとは思わねぇの」
「スタンドで壊れたモンとか直せるオレに今更っすよ」
「それでも君も、最初は隠してただろぉ?」
付いてこられたところで仗助は何となく気まずい。鉄塔のところで手を振り払われたショックも未だに僅かながら残っているし、康一を捜している時に考えたことが頭に引っかかっている。
「……朝、ごめんなぁ」
ふいに聞こえた声へ振り返ればアマネは歩きながら住宅地の花壇を眺めていた。
「君だって友達が心配なのは変わらねぇのに、突き放すようなことして」
「あ、いや、ヘーキっす」
「時間の問題だったら一人で動いた方が早ぇって考えが強ぇから、ああいう時はいつも周りの気分は気にかけねぇんだよ。駄目だって何度も言われてるんだけどなぁ」
「そーなんすか」
会話が終わる。
たった数分の距離だというのに随分と長く感じた。
仗助の家へ着いてしまって、アマネがそのまま億泰の家へ向かおうとする。玄関の鍵を開けるのに手間取っていた為にそれに気付いた仗助は、咄嗟にアマネへと声を掛けた。
「あの、お茶いかがっすか?」
「……君は早くお母さんを気にしてあげなさい」
「どーせ寝てるだけっしょ? 怪我してたんならアマネさんが治してくれてたと思うし。それにホラ、助けてくれたお礼も!」
「……お礼がほしくて助けた訳じゃねぇし」
「オレがお礼したいって言っても?」
今のは卑怯かと思ったが、アマネはゆっくりと道を戻ってきた仗助が開けた玄関を入ってくる。靴を脱いで仗助の家へと上がったアマネに、何だか懐かない野生動物の甘える姿を見たような錯覚を覚えた。
朋子は居間のソファに寝かされていたので、アマネに待っていてもらい寝室へと運ぶ。戻ってくるとアマネは静かに窓の外を眺めていた。
やはり声もなく黙って立っていると女性の様な人である。初めて会った時も思ったがおよそ不思議な能力を使える様にも、あの吉良吉影やスタンド使いと戦える技能を持っている様にも見えなかった。あと一児の父にも。
承太郎の美丈夫とかトムの美貌とは違う、綺麗さがこの人にもある。
ストールを引き上げてアマネが振り返った。
「お母さん、大丈夫だったかぁ?」
「あ、ハイ。い、今お茶淹れますんで!」
何となく綺麗だと思っていたことが恥ずかしく、誤魔化すように慌ててお湯を沸かそうとするとアマネが傍へ来る。
水を容れたケトルを持ち上げて底の下で指を鳴らしたかと思うと、火に架けてもいないのにお湯が沸いた。
「……グレートっすね」
「気持ち悪ぃとは思わねぇの」
「スタンドで壊れたモンとか直せるオレに今更っすよ」
「それでも君も、最初は隠してただろぉ?」