四部
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仗助視点
康一を助け出し、噴上と別れて通学路の途中で放置してしまった母親の朋子の元へ戻ると朋子の姿はなく、替わりに承太郎とアマネの姿があった。
朋子を寝かせておいたはずのベンチへ腰を下ろしていたアマネが、仗助達の姿に顔を上げる。その今にも泣きそうな表情に気付いたのは仗助だけか、康一はアマネ達へ安心させるように笑って駆け寄っていった。
「康一くん。無事だったか」
「仗助くんが助けてくれたので。迷惑をおかけしました」
「いや、君達を狙ってくる事が分かっていながら対策も練らなかったこちらの落ち度だ。すまない」
「いえいえ!」
「……本当に、ごめん」
アマネの謝罪に、康一も何か変だと気付いたらしい。それくらい普段とは違う雰囲気だった。
康一を自分が見つけられなかったから、という訳ではあるまい。そんな事で落ち込むような人で無いと思う。では仗助を含めた、康一達を巻き込んでいるということへの申し訳ない気持ちか。康一が襲われたことでそれを実感したとでもいえばいいのか。
けれどもそれはお門違いだ。
深く息を吐いて承太郎が帽子を深く被り直す。
「やれやれだぜ……。仗助。敵のスタンド使いはどうした」
「あ、頭に来たんで本にしちまいました」
「本? ……それならいい。お前の母親はここで倒れてたのを家へ運んでおいた。気を失っていただけだから平気だと思うが、心配なら一度家へ帰れ」
「ッス」
こんなところで無防備に寝かせておくのもどうかと思っていたので、それは有り難かった。学校へも今更行く気分になれず、家へ戻るかと思ったところでアマネが立ち上がる。
ストールを押さえながら近づいてきたアマネが仗助の袖口を掴んだ。俯いているからあの紫の瞳は見えない。
「……く」
「へ?」
「送ってく。今日は億泰君の家へ行く予定だったしぃ」
行く方向が同じだからついでに、ということだろう。康一が狙われて襲われた今、一人で彷徨くのは良くないとの考えからかも知れないが、だとしたら随分と今更だ。
仗助も学生とは言え男だし、康一とは違って戦闘も可能なスタンド持ちである。ここは断っても平気だろうと掴まれた袖を振り払って連れは必要ないと言おうとしたところで、アマネが急に顔を上げた。
「――お願いしゃすッ」
断るのとは反対の言葉を発したのは思わずだ。
承太郎は遅刻でも学校へ行くと言う康一を学校へ送っていくというので、そこで別れる。億泰達は途中で見つけたら康一が見つかったことを教えると言っていた。
走り去っていく車が見えなくなってから、遠慮がちに歩き出す。半歩遅れてアマネが付いてきた。
康一を助け出し、噴上と別れて通学路の途中で放置してしまった母親の朋子の元へ戻ると朋子の姿はなく、替わりに承太郎とアマネの姿があった。
朋子を寝かせておいたはずのベンチへ腰を下ろしていたアマネが、仗助達の姿に顔を上げる。その今にも泣きそうな表情に気付いたのは仗助だけか、康一はアマネ達へ安心させるように笑って駆け寄っていった。
「康一くん。無事だったか」
「仗助くんが助けてくれたので。迷惑をおかけしました」
「いや、君達を狙ってくる事が分かっていながら対策も練らなかったこちらの落ち度だ。すまない」
「いえいえ!」
「……本当に、ごめん」
アマネの謝罪に、康一も何か変だと気付いたらしい。それくらい普段とは違う雰囲気だった。
康一を自分が見つけられなかったから、という訳ではあるまい。そんな事で落ち込むような人で無いと思う。では仗助を含めた、康一達を巻き込んでいるということへの申し訳ない気持ちか。康一が襲われたことでそれを実感したとでもいえばいいのか。
けれどもそれはお門違いだ。
深く息を吐いて承太郎が帽子を深く被り直す。
「やれやれだぜ……。仗助。敵のスタンド使いはどうした」
「あ、頭に来たんで本にしちまいました」
「本? ……それならいい。お前の母親はここで倒れてたのを家へ運んでおいた。気を失っていただけだから平気だと思うが、心配なら一度家へ帰れ」
「ッス」
こんなところで無防備に寝かせておくのもどうかと思っていたので、それは有り難かった。学校へも今更行く気分になれず、家へ戻るかと思ったところでアマネが立ち上がる。
ストールを押さえながら近づいてきたアマネが仗助の袖口を掴んだ。俯いているからあの紫の瞳は見えない。
「……く」
「へ?」
「送ってく。今日は億泰君の家へ行く予定だったしぃ」
行く方向が同じだからついでに、ということだろう。康一が狙われて襲われた今、一人で彷徨くのは良くないとの考えからかも知れないが、だとしたら随分と今更だ。
仗助も学生とは言え男だし、康一とは違って戦闘も可能なスタンド持ちである。ここは断っても平気だろうと掴まれた袖を振り払って連れは必要ないと言おうとしたところで、アマネが急に顔を上げた。
「――お願いしゃすッ」
断るのとは反対の言葉を発したのは思わずだ。
承太郎は遅刻でも学校へ行くと言う康一を学校へ送っていくというので、そこで別れる。億泰達は途中で見つけたら康一が見つかったことを教えると言っていた。
走り去っていく車が見えなくなってから、遠慮がちに歩き出す。半歩遅れてアマネが付いてきた。