四部
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億泰という少年の父親の延命治療をして欲しい、という承太郎の頼みに思うところがないと言えば嘘になる。彼があんな化け物になってしまった原因は、カキョウインを殺した男にあるらしいから尚更に。
流石に準備などもあるし予約もしてあるからと、チェックインする為に承太郎と杜王グランドホテルへ向かう道すがら、俯いて歩きながら先に口を開いたのは承太郎だった。
「……悪かったな」
横を見やれば承太郎はいつもの癖の様に帽子の唾を摘んでいる。
「……カキョウインも、肉の芽を埋め込まれてたのかぁ?」
「アイツのはオレが抜いた」
「そっか。……じゃあ遺体が変貌する事もねぇか。アイツはもう火葬されてるけど」
しかし、だから億泰の家で彼の父親をあんな目で見つめていたのだろう。仗助や億泰は気付いていなかったが、承太郎はずっと必死そうに見つめていた。
けれども本当に見つめていたのは億泰の父親なんかではなく、過去に見たであろう肉の芽を埋め込まれたカキョウインだったか。
彼の記憶に承太郎が追っているこの町へ集まっているらしいスタンド使いの情報も、十年前のDIOという敵の情報も無かったとしても、あの姿でいられることを嫌だと思ったのだろう。あり得ない話となっているとはいえ、カキョウインにもあんな姿になってしまっていたかも知れない可能性を少しでも考えてしまったから。
隣に並ぶ承太郎の背中を軽く叩く。
「治すよ。時間は掛かるけど俺なら治せねぇものじゃねぇ」
「そうか」
治すと断言したのは、その不安を少しでも打ち消したかったからだ。アマネの知らない事から承太郎が憂うのなら、アマネはその憂いを少しでも多く打ち消してやる。
十年前から、そう決めていた。
「そういや、仗助君や億泰君もスタンド使いなのかぁ?」
「ああ」
話題を変える為にこの町に来てから出会った少年達の話をする。頷いた承太郎がアマネを見下ろした。
「……空条は“いつも通り”にしてくれりゃいい。後は俺が自分でやるから」
「どれだけのスタンド使いが集まっているか分からん。慎重にやれよ」
「もっとスタンドに関する認識が集まってるスピードワゴン財団で働いてる俺にそれ言うかぁ? 大丈夫だよ」
「ならいいが」
承太郎は何もしていないのに頭を撫でられる感覚がする。目を眇めて見上げればぼんやりと承太郎のスタンドであるスタープラチナの腕が見えた。
相変わらずスタンドはよく見えない。今のところ支障は無いけれど、いつまで隠し通せるのかと思うことはあった。
たった一人の『ペルソナ使い』なんて、今までにもあっただろうに。
流石に準備などもあるし予約もしてあるからと、チェックインする為に承太郎と杜王グランドホテルへ向かう道すがら、俯いて歩きながら先に口を開いたのは承太郎だった。
「……悪かったな」
横を見やれば承太郎はいつもの癖の様に帽子の唾を摘んでいる。
「……カキョウインも、肉の芽を埋め込まれてたのかぁ?」
「アイツのはオレが抜いた」
「そっか。……じゃあ遺体が変貌する事もねぇか。アイツはもう火葬されてるけど」
しかし、だから億泰の家で彼の父親をあんな目で見つめていたのだろう。仗助や億泰は気付いていなかったが、承太郎はずっと必死そうに見つめていた。
けれども本当に見つめていたのは億泰の父親なんかではなく、過去に見たであろう肉の芽を埋め込まれたカキョウインだったか。
彼の記憶に承太郎が追っているこの町へ集まっているらしいスタンド使いの情報も、十年前のDIOという敵の情報も無かったとしても、あの姿でいられることを嫌だと思ったのだろう。あり得ない話となっているとはいえ、カキョウインにもあんな姿になってしまっていたかも知れない可能性を少しでも考えてしまったから。
隣に並ぶ承太郎の背中を軽く叩く。
「治すよ。時間は掛かるけど俺なら治せねぇものじゃねぇ」
「そうか」
治すと断言したのは、その不安を少しでも打ち消したかったからだ。アマネの知らない事から承太郎が憂うのなら、アマネはその憂いを少しでも多く打ち消してやる。
十年前から、そう決めていた。
「そういや、仗助君や億泰君もスタンド使いなのかぁ?」
「ああ」
話題を変える為にこの町に来てから出会った少年達の話をする。頷いた承太郎がアマネを見下ろした。
「……空条は“いつも通り”にしてくれりゃいい。後は俺が自分でやるから」
「どれだけのスタンド使いが集まっているか分からん。慎重にやれよ」
「もっとスタンドに関する認識が集まってるスピードワゴン財団で働いてる俺にそれ言うかぁ? 大丈夫だよ」
「ならいいが」
承太郎は何もしていないのに頭を撫でられる感覚がする。目を眇めて見上げればぼんやりと承太郎のスタンドであるスタープラチナの腕が見えた。
相変わらずスタンドはよく見えない。今のところ支障は無いけれど、いつまで隠し通せるのかと思うことはあった。
たった一人の『ペルソナ使い』なんて、今までにもあっただろうに。