四部
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仗助視点
トンネルで罠を張っていた、他人の養分を吸い取るスタンド『ハイウェイ・スター』の本体である噴上裕也をぶっ飛ばして露伴を助けだし、露伴には機嫌悪く怒られたことを除けばそれなりにサッパリした気分であった仗助は、露伴を家まで送ってやってからしばらくして、何故か杜王グランドホテルへと呼ばれた。
呼んだ相手は承太郎ではなくアマネで、何か頼まれ事でもされるのかと意気込んで向かってみれば、何故か仗助は頼み事どころかアマネと向かい合って正座させられたのである。
向かい合って正座となると、何となく怒られる様な気分だ。怒られる様なことをしただろうかと考えると、思い当たる事がありすぎて困る。
昨日露伴の家で賭けをやってイカサマをしたことも、結果的に露伴の家を半焼させてしまったこともだ。流石に家が燃えてしまったのは悪いと思っている。
そんな仗助の内心を悟ったわけでも無いだろうが、正面で正座しているアマネが口を開いた。
「俺に、言うことはあるかぁ?」
怒ってる口調ではないことが逆に怖い。
「……えーと、その」
「無ぇならいいんだけどぉ」
それはどういう意味でだ。
仗助が何も言わずにいれば沈黙だけが続く。ただし仗助の脈拍は早かったし冷や汗も酷かった。
噴上裕也を殴ったことでの爽快感など吹き飛んでいる。新しいパンツを履いた正月元旦の朝どころか、パンツまでびしょ濡れになった雨の日の様な気分だ。
しばらくしてアマネがため息を吐くのに、仗助はとうとう耐えきれずに土下座する。
「す――すみませんっした!」
「え、何がぁ?」
「何がって、その」
責めてくることも説教を始める様子もないアマネに恐る恐る顔を上げれば、アマネは肩に掛けていたストールを引き上げて首を傾げていた。
「俺は露伴先生から『仗助が怪我をしたようだから気にしてやってくれ』って連絡来たから、怪我でもしたのかと思って聞いたんだけどぉ」
「――怪我、ッス、か」
「君は自分の怪我は治せねぇんだし、お母さんを心配させるのも良くねぇだろぉ? だから教えてくれたら治そうと思ったんだけど……仗助君?」
つまり最初から怒っていた訳ではないらしい。ならば最初からそう言ってくれと思いつつ脱力する。
「……じゃあなんで正座させるんすか」
「今ソファに資料広げてるから座れる場所なくて、床に座ってくれって言っただけだぜぇ? 目の高さが気になるから俺が正座したら君も正座しただけですぅ」
ソファを見れば確かに書類が広げられていた。つまりアマネが怒っていると思ったのは仗助の完全なる勘違いだったのだ。
となれば謝ったのは必要なかったなと、アマネへ怒られるのではないという事実にホッとしながら視線を戻せば、アマネは仗助を見つめて微笑んでいる。
その眼が笑っていなかった。
「でも、仗助君には俺に怒られるような心当たりがあるみてぇだなぁ?」
トンネルで罠を張っていた、他人の養分を吸い取るスタンド『ハイウェイ・スター』の本体である噴上裕也をぶっ飛ばして露伴を助けだし、露伴には機嫌悪く怒られたことを除けばそれなりにサッパリした気分であった仗助は、露伴を家まで送ってやってからしばらくして、何故か杜王グランドホテルへと呼ばれた。
呼んだ相手は承太郎ではなくアマネで、何か頼まれ事でもされるのかと意気込んで向かってみれば、何故か仗助は頼み事どころかアマネと向かい合って正座させられたのである。
向かい合って正座となると、何となく怒られる様な気分だ。怒られる様なことをしただろうかと考えると、思い当たる事がありすぎて困る。
昨日露伴の家で賭けをやってイカサマをしたことも、結果的に露伴の家を半焼させてしまったこともだ。流石に家が燃えてしまったのは悪いと思っている。
そんな仗助の内心を悟ったわけでも無いだろうが、正面で正座しているアマネが口を開いた。
「俺に、言うことはあるかぁ?」
怒ってる口調ではないことが逆に怖い。
「……えーと、その」
「無ぇならいいんだけどぉ」
それはどういう意味でだ。
仗助が何も言わずにいれば沈黙だけが続く。ただし仗助の脈拍は早かったし冷や汗も酷かった。
噴上裕也を殴ったことでの爽快感など吹き飛んでいる。新しいパンツを履いた正月元旦の朝どころか、パンツまでびしょ濡れになった雨の日の様な気分だ。
しばらくしてアマネがため息を吐くのに、仗助はとうとう耐えきれずに土下座する。
「す――すみませんっした!」
「え、何がぁ?」
「何がって、その」
責めてくることも説教を始める様子もないアマネに恐る恐る顔を上げれば、アマネは肩に掛けていたストールを引き上げて首を傾げていた。
「俺は露伴先生から『仗助が怪我をしたようだから気にしてやってくれ』って連絡来たから、怪我でもしたのかと思って聞いたんだけどぉ」
「――怪我、ッス、か」
「君は自分の怪我は治せねぇんだし、お母さんを心配させるのも良くねぇだろぉ? だから教えてくれたら治そうと思ったんだけど……仗助君?」
つまり最初から怒っていた訳ではないらしい。ならば最初からそう言ってくれと思いつつ脱力する。
「……じゃあなんで正座させるんすか」
「今ソファに資料広げてるから座れる場所なくて、床に座ってくれって言っただけだぜぇ? 目の高さが気になるから俺が正座したら君も正座しただけですぅ」
ソファを見れば確かに書類が広げられていた。つまりアマネが怒っていると思ったのは仗助の完全なる勘違いだったのだ。
となれば謝ったのは必要なかったなと、アマネへ怒られるのではないという事実にホッとしながら視線を戻せば、アマネは仗助を見つめて微笑んでいる。
その眼が笑っていなかった。
「でも、仗助君には俺に怒られるような心当たりがあるみてぇだなぁ?」