四部
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カキョウインの墓参りから杜王町へ戻ってくると露伴の家が火事になっていた。
近隣住民の通報で被害は半焼で済んだらしいが、当の家主はすぐ傍で男子高校生こと仗助と賭事をしていたという。どうにも呆れることしか出来なかった。
「絶対あいつはイカサマをしていたんだ」
「イカサマは構いませんけど、貴方のスタンドで知る事も出来たのでは?」
「……あなたは推理小説で犯人が分からないからと答えのページをすぐに読む派ですか?」
言いたいことは分かったので肩をすくめる。隣に座ってポテトをくわえていたトムの口端の食べ滓を拭ってやって、露伴から借りていたアルバムを返した。
吉良吉影が名も知らぬ誰かへ変貌してから、露伴が駅で撮り集めた写真である。写っているのは吉良吉影が変貌した可能性のある二十代後半から三十代後半の、身長百七十五位をした男性だ。量は多いし誰に変貌したのか分かっていない以上、その写真を見ただけでは何も分かるはずがない。
だが重ちー少年が死んだ後の現場検証の手腕を買われ、何か思うところがあったりはしないかと見分を頼まれたのである。
とはいえ流石のアマネでも何も分かることはなかった。せいぜいが写真の中の数人を、あの『エステ・シンデレラ』の非常口から外へ出た直後にあの通りを通っていたかなと思った程度である。
『×××』を使えば分かるのだろうが、隣にいる息子がそれを禁止してくるので出来ない。
「普通はただ歩いている人の人相なんて覚えられないと思うけどな」
「あの時は空条が傷つけられた事もあって頭へ血が上がってましたから」
物言いたげな視線は無視をする。
「仗助君には後で注意しておきましょうか? 俺の話を聞くかどうかは分かりませんが」
「……いいさ。いつかボクが直々にヤツのイカサマを暴いてやる。だが斑鳩さん。仗助のヤツは貴方の話ならちゃんと聞くと思いますよ」
「まぁ、結構聞き分けはいい子ですよねぇ」
露伴とトムが顔を見合わせて呆れたように息を吐いた。変な事を言ったつもりはなかったのだが。
「トムくん。君のお父さんは大丈夫なのか?」
「気付かな過ぎて逆に大丈夫って感じだよ。変な虫が大量に湧くよりはいいけどね」
「? 最近トム虫の話よくするなぁ。図鑑買う?」
「ホラ」
「……少女漫画なら面白い展開になりそうだがね。生憎ボクは少年漫画家だ」
ファミレスを出て取材でバスに乗るらしい露伴と別れる。アマネ達はホテルへ戻って報告書をまとめたりしなければならない。
「二つ杜トンネルって一昨日事故ありましたけど、もう通れるんですか?」
「死亡者は出ていない事故だったからな。すぐに規制は解かれて今はもう元通りでしょう」
近隣住民の通報で被害は半焼で済んだらしいが、当の家主はすぐ傍で男子高校生こと仗助と賭事をしていたという。どうにも呆れることしか出来なかった。
「絶対あいつはイカサマをしていたんだ」
「イカサマは構いませんけど、貴方のスタンドで知る事も出来たのでは?」
「……あなたは推理小説で犯人が分からないからと答えのページをすぐに読む派ですか?」
言いたいことは分かったので肩をすくめる。隣に座ってポテトをくわえていたトムの口端の食べ滓を拭ってやって、露伴から借りていたアルバムを返した。
吉良吉影が名も知らぬ誰かへ変貌してから、露伴が駅で撮り集めた写真である。写っているのは吉良吉影が変貌した可能性のある二十代後半から三十代後半の、身長百七十五位をした男性だ。量は多いし誰に変貌したのか分かっていない以上、その写真を見ただけでは何も分かるはずがない。
だが重ちー少年が死んだ後の現場検証の手腕を買われ、何か思うところがあったりはしないかと見分を頼まれたのである。
とはいえ流石のアマネでも何も分かることはなかった。せいぜいが写真の中の数人を、あの『エステ・シンデレラ』の非常口から外へ出た直後にあの通りを通っていたかなと思った程度である。
『×××』を使えば分かるのだろうが、隣にいる息子がそれを禁止してくるので出来ない。
「普通はただ歩いている人の人相なんて覚えられないと思うけどな」
「あの時は空条が傷つけられた事もあって頭へ血が上がってましたから」
物言いたげな視線は無視をする。
「仗助君には後で注意しておきましょうか? 俺の話を聞くかどうかは分かりませんが」
「……いいさ。いつかボクが直々にヤツのイカサマを暴いてやる。だが斑鳩さん。仗助のヤツは貴方の話ならちゃんと聞くと思いますよ」
「まぁ、結構聞き分けはいい子ですよねぇ」
露伴とトムが顔を見合わせて呆れたように息を吐いた。変な事を言ったつもりはなかったのだが。
「トムくん。君のお父さんは大丈夫なのか?」
「気付かな過ぎて逆に大丈夫って感じだよ。変な虫が大量に湧くよりはいいけどね」
「? 最近トム虫の話よくするなぁ。図鑑買う?」
「ホラ」
「……少女漫画なら面白い展開になりそうだがね。生憎ボクは少年漫画家だ」
ファミレスを出て取材でバスに乗るらしい露伴と別れる。アマネ達はホテルへ戻って報告書をまとめたりしなければならない。
「二つ杜トンネルって一昨日事故ありましたけど、もう通れるんですか?」
「死亡者は出ていない事故だったからな。すぐに規制は解かれて今はもう元通りでしょう」