四部
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「――生き延びることを選んだ者は、負けるよ」
生死を問わない戦闘の時、生き延びることを選んで選択肢を狭めた者は負ける。必要なのは生きることを望むことではなく、如何にして相手を倒すかだ。
倒せば生き延びられるのだから、その為の負傷はある程度我慢すればいいだけのこと。
おそらくスタンドを出したのだろう左手を切り落とした吉良吉影に、背後で仗助が怒鳴る。けれどもアマネにはそのスタンドは見えず、本来であれば為す術というものがない。
アマネの後ろへはまだ怪我が治りきっていない承太郎や康一、仗助達がいる。アマネが避けたところでアマネへ向かってきているだろうスタンドはそのまま仗助達を狙うだろう。アマネだったらそうする。
ならば避けなければいい。
スタンドの形が分からないので全身で全てを“拒絶”する。そうして地面へ落ちている左手を目指して指を鳴らした。
燃え上がる左手にアマネと違って“スタンドが見えている”仗助と億泰の視線を追い、踵を返してその視線の先へ足を思い切り蹴り上げる。ぶつかるつもりがアマネの身体を予想外にすり抜け、驚きに減速したであろう何かを蹴る感触と仗助達の視線からその物体の位置を計算し、眇めた眼にぼんやりと映るボールのような物へ距離が出来たことを確信して地面へ落ちている左手へと駆け寄った。
左手を踏み潰そうとして、背後で億泰が叫ぶ。
「アマネさん! 後ろッス!」
知るかとばかりに左手を踏みにじった。
「スタンドとスタンド使いは繋がってんだから、本体を重点的に攻めりゃスタンドの動きなんてある程度は制御出来んだろうがぁ!」
対スタンド使いの場合、アマネはそんな戦い方しか出来ない
とはいえ左手を切り捨てた吉良吉影本人は逃げてしまっている。負傷しているとは、いえ手を切り捨てて逃げるという大胆な真似をする男だ。足を折っておけば良かったと舌打ちをこぼすと、仗助が何かを殴りつけた。
足の下に踏んでいた左手が動き出す。
「ヤツのところに『左手』が治りに戻っていくッスよ」
つまり左手を追いかけていけば本体である吉良吉影の元へたどり着けるということだ。仗助のクレイジーダイヤモンドへ怪我を治して貰ったらしい承太郎が傍に来てストールを差し出してくる。どうやら仗助は止血に使ったストールも直してくれていたらしい。
「ヤツは怪我してる。それでも必死に逃げてりゃ距離は開くぜぇ。肩より足折っときゃ良かったぁ」
「追えるか」
「追うんだよ」
ストールを肩へ掛けて走り出す。
生死を問わない戦闘の時、生き延びることを選んで選択肢を狭めた者は負ける。必要なのは生きることを望むことではなく、如何にして相手を倒すかだ。
倒せば生き延びられるのだから、その為の負傷はある程度我慢すればいいだけのこと。
おそらくスタンドを出したのだろう左手を切り落とした吉良吉影に、背後で仗助が怒鳴る。けれどもアマネにはそのスタンドは見えず、本来であれば為す術というものがない。
アマネの後ろへはまだ怪我が治りきっていない承太郎や康一、仗助達がいる。アマネが避けたところでアマネへ向かってきているだろうスタンドはそのまま仗助達を狙うだろう。アマネだったらそうする。
ならば避けなければいい。
スタンドの形が分からないので全身で全てを“拒絶”する。そうして地面へ落ちている左手を目指して指を鳴らした。
燃え上がる左手にアマネと違って“スタンドが見えている”仗助と億泰の視線を追い、踵を返してその視線の先へ足を思い切り蹴り上げる。ぶつかるつもりがアマネの身体を予想外にすり抜け、驚きに減速したであろう何かを蹴る感触と仗助達の視線からその物体の位置を計算し、眇めた眼にぼんやりと映るボールのような物へ距離が出来たことを確信して地面へ落ちている左手へと駆け寄った。
左手を踏み潰そうとして、背後で億泰が叫ぶ。
「アマネさん! 後ろッス!」
知るかとばかりに左手を踏みにじった。
「スタンドとスタンド使いは繋がってんだから、本体を重点的に攻めりゃスタンドの動きなんてある程度は制御出来んだろうがぁ!」
対スタンド使いの場合、アマネはそんな戦い方しか出来ない
とはいえ左手を切り捨てた吉良吉影本人は逃げてしまっている。負傷しているとは、いえ手を切り捨てて逃げるという大胆な真似をする男だ。足を折っておけば良かったと舌打ちをこぼすと、仗助が何かを殴りつけた。
足の下に踏んでいた左手が動き出す。
「ヤツのところに『左手』が治りに戻っていくッスよ」
つまり左手を追いかけていけば本体である吉良吉影の元へたどり着けるということだ。仗助のクレイジーダイヤモンドへ怪我を治して貰ったらしい承太郎が傍に来てストールを差し出してくる。どうやら仗助は止血に使ったストールも直してくれていたらしい。
「ヤツは怪我してる。それでも必死に逃げてりゃ距離は開くぜぇ。肩より足折っときゃ良かったぁ」
「追えるか」
「追うんだよ」
ストールを肩へ掛けて走り出す。