四部
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仗助視点
「え、えっと、多分逃げる時に持ってったんじゃ」
「校舎脇からここへ来るまでにゴミ箱は無かったなぁ。校舎の中で目撃された彼は既に負傷していた。負傷していてもサンドイッチを持ち歩く様な子だったぁ?」
「流石にそんなことはねーと思います。つか、死にそうな時にサンドイッチなんて」
「じゃあサンドイッチは何処へ消えたんだぁ? サンドイッチそのものは食べながら歩いたから無くなったと思ってもいい。じゃあ袋はぁ?」
「何が言いてーんすか!? まさか犯人がサンドイッチが食いたかったから重ちーを殺したとでも言うんすか!?」
「流石に言わねぇよ。でも……ちょっと待っててくれぇ」
言うなりアマネが磨り硝子のドアの向こうの給湯室へ出て行く。中年教師の姿は無くなっていたが、アマネはおもむろにゴミ箱を漁りだした。
「ちょっ、アマネさんッ」
「……無ぇな。じゃあ犯人が?」
「何が無いんすか」
「サンドイッチのゴミ。君達が逃げた後に教師が見つけてたら拾って捨ててるはずだぁ。でもそれがねぇってことは、重ちー少年が戻ってきて回収したか犯人が回収したかだろぉ。」
「……何が言いたいんスか」
「例えばの話。犯人がその店の紙袋を何か違う用途へ使っていたとしたら」
「違う用途?」
アマネが手を差し出してくる。仗助がそれに手を伸ばすと腕を掴まれ、入ってきた時の様にするりと準備室の壁をすり抜けて外へ出た。
そのまま何処へ向かうのか歩き続けるアマネに、仗助も無い知恵を振り絞って考えてみる。
サンジェルマンの紙袋。
「犯人はサンジェルマンの店員で、実は紙袋の中に他の殺人の証拠を残してたとか」
「他の店員にばれるような真似をするとは思えねぇ。相手は校舎の窓にも指紋を残さねぇように気をつける奴だぁ。でも……実は一つ、仗助君に教えてねぇ情報がある」
校舎脇へ戻ってきてアマネが仗助の手を離した。それから校舎の壁際を何かを探すように歩き始める。しばらくそうして歩いていたが不意に顔を上げ、今度は反対側の学校の敷地を区切る壁へと近付いていった。
そうして植え込みの中から何かを見つけたのか、それを拾って仗助の傍へと戻ってくる。思ったよりもそれは大きい。
「それは……ッ」
「紙袋に何かの証拠ってのは正しかったかもなぁ」
アマネが拾ってきたのは破けたサンジェルマンの紙袋だった。その内側には血の染みの様な物が付着していて、紙が濡れて乾いた後のように少し歪んでいる。
「仗助君には教えてなかったけど、犯人の足跡は重ちー少年より先にまで付いてた。つまり重ちー少年は犯人を追いかけてたんだぁ」
「え、えっと、多分逃げる時に持ってったんじゃ」
「校舎脇からここへ来るまでにゴミ箱は無かったなぁ。校舎の中で目撃された彼は既に負傷していた。負傷していてもサンドイッチを持ち歩く様な子だったぁ?」
「流石にそんなことはねーと思います。つか、死にそうな時にサンドイッチなんて」
「じゃあサンドイッチは何処へ消えたんだぁ? サンドイッチそのものは食べながら歩いたから無くなったと思ってもいい。じゃあ袋はぁ?」
「何が言いてーんすか!? まさか犯人がサンドイッチが食いたかったから重ちーを殺したとでも言うんすか!?」
「流石に言わねぇよ。でも……ちょっと待っててくれぇ」
言うなりアマネが磨り硝子のドアの向こうの給湯室へ出て行く。中年教師の姿は無くなっていたが、アマネはおもむろにゴミ箱を漁りだした。
「ちょっ、アマネさんッ」
「……無ぇな。じゃあ犯人が?」
「何が無いんすか」
「サンドイッチのゴミ。君達が逃げた後に教師が見つけてたら拾って捨ててるはずだぁ。でもそれがねぇってことは、重ちー少年が戻ってきて回収したか犯人が回収したかだろぉ。」
「……何が言いたいんスか」
「例えばの話。犯人がその店の紙袋を何か違う用途へ使っていたとしたら」
「違う用途?」
アマネが手を差し出してくる。仗助がそれに手を伸ばすと腕を掴まれ、入ってきた時の様にするりと準備室の壁をすり抜けて外へ出た。
そのまま何処へ向かうのか歩き続けるアマネに、仗助も無い知恵を振り絞って考えてみる。
サンジェルマンの紙袋。
「犯人はサンジェルマンの店員で、実は紙袋の中に他の殺人の証拠を残してたとか」
「他の店員にばれるような真似をするとは思えねぇ。相手は校舎の窓にも指紋を残さねぇように気をつける奴だぁ。でも……実は一つ、仗助君に教えてねぇ情報がある」
校舎脇へ戻ってきてアマネが仗助の手を離した。それから校舎の壁際を何かを探すように歩き始める。しばらくそうして歩いていたが不意に顔を上げ、今度は反対側の学校の敷地を区切る壁へと近付いていった。
そうして植え込みの中から何かを見つけたのか、それを拾って仗助の傍へと戻ってくる。思ったよりもそれは大きい。
「それは……ッ」
「紙袋に何かの証拠ってのは正しかったかもなぁ」
アマネが拾ってきたのは破けたサンジェルマンの紙袋だった。その内側には血の染みの様な物が付着していて、紙が濡れて乾いた後のように少し歪んでいる。
「仗助君には教えてなかったけど、犯人の足跡は重ちー少年より先にまで付いてた。つまり重ちー少年は犯人を追いかけてたんだぁ」