四部
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仗助視点
「流石に気持ち悪かったかぁ? ごめんなぁ」
言って仗助が立ち上がるのに手を貸したアマネは、仗助が何も言えないでいることに少しだけ困ったような笑みを浮かべ、周囲の観察へと移ってしまう。立ち上がった仗助と言えば、壁をすり抜けたことにも驚いたがそれ以上にアマネの手が冷たいことに驚いていた。
前にも彼の手を握ったことがあるが、その時はもう少し暖かかったと思う。
「アマネさん。手ぇ冷たいっすね」
「……もっと言うことがあると思ったんだけどぉ」
「言ったっしょ。言えないなら言わなくていいって」
謝ったのはおそらくそういうことだ。アマネは肩越しに仗助を見た後、無言で仗助を手招いた。
アマネが調べていたのは窓ガラスで、仗助が近くに来たことを確認したアマネが指差した場所を見れば、うっすらと何かの跡が付いている。
「何すか、これ?」
「こういう外へ面したガラスっていうのは、外側に校庭とかからの土埃が付着してんだよ。で、そこへ手を突いたりするとその分の土埃がとれてこういう跡が付く」
「へー、ん、じゃあコレ犯人の!?」
「ここから仗助君達が忍び込んだとしても、素手で忍び込むんじゃねぇかなぁ。でもこの跡は布ーーおそらく手袋を填めて触れた跡だぁ。指紋は付かねぇけど手袋の生地の模様が僅かに残ってる」
なるほど確かに指紋ではない跡が見えた。
「準備室へ忍び込む程度で指紋がどうのって考える学生っていると思うかぁ? つまり犯人はここへ侵入した可能性もある。もうちょっと調べるかぁ」
アマネが今度は窓の真下にある台を調べ始める。仗助もアマネ程ではないが何か見つけられないかと周囲を見回した。
が、結局何も見つけられずに置かれていた跳び箱の上へ飛び乗って座る。思えば重ちーがいなくなった日もこうして座っていた。
「犯人がここに入ったって可能性があるとして、何が目的だったんすかね」
「分かったらこうして苦労はしてねぇよ。ナギニを降ろすから踏まねぇでくれよぉ」
肩に乗っていた白蛇が降りて床を這い回り始める。舌をチロチロと動かし姿はカメよりは可愛いと思うがやはり少し怖いかも知れない。
ナギニが分厚いマットの上へ這い上がり立ち止まる。しばらくそこで動きを止めていたと思うと仗助が座っている跳び箱へと向かってきた。
跳び箱の隙間から鼻先を突っ込んでいるナギニに、アマネが寄ってきて手の動きで仗助に降りろと言ってくる。
「流石に気持ち悪かったかぁ? ごめんなぁ」
言って仗助が立ち上がるのに手を貸したアマネは、仗助が何も言えないでいることに少しだけ困ったような笑みを浮かべ、周囲の観察へと移ってしまう。立ち上がった仗助と言えば、壁をすり抜けたことにも驚いたがそれ以上にアマネの手が冷たいことに驚いていた。
前にも彼の手を握ったことがあるが、その時はもう少し暖かかったと思う。
「アマネさん。手ぇ冷たいっすね」
「……もっと言うことがあると思ったんだけどぉ」
「言ったっしょ。言えないなら言わなくていいって」
謝ったのはおそらくそういうことだ。アマネは肩越しに仗助を見た後、無言で仗助を手招いた。
アマネが調べていたのは窓ガラスで、仗助が近くに来たことを確認したアマネが指差した場所を見れば、うっすらと何かの跡が付いている。
「何すか、これ?」
「こういう外へ面したガラスっていうのは、外側に校庭とかからの土埃が付着してんだよ。で、そこへ手を突いたりするとその分の土埃がとれてこういう跡が付く」
「へー、ん、じゃあコレ犯人の!?」
「ここから仗助君達が忍び込んだとしても、素手で忍び込むんじゃねぇかなぁ。でもこの跡は布ーーおそらく手袋を填めて触れた跡だぁ。指紋は付かねぇけど手袋の生地の模様が僅かに残ってる」
なるほど確かに指紋ではない跡が見えた。
「準備室へ忍び込む程度で指紋がどうのって考える学生っていると思うかぁ? つまり犯人はここへ侵入した可能性もある。もうちょっと調べるかぁ」
アマネが今度は窓の真下にある台を調べ始める。仗助もアマネ程ではないが何か見つけられないかと周囲を見回した。
が、結局何も見つけられずに置かれていた跳び箱の上へ飛び乗って座る。思えば重ちーがいなくなった日もこうして座っていた。
「犯人がここに入ったって可能性があるとして、何が目的だったんすかね」
「分かったらこうして苦労はしてねぇよ。ナギニを降ろすから踏まねぇでくれよぉ」
肩に乗っていた白蛇が降りて床を這い回り始める。舌をチロチロと動かし姿はカメよりは可愛いと思うがやはり少し怖いかも知れない。
ナギニが分厚いマットの上へ這い上がり立ち止まる。しばらくそこで動きを止めていたと思うと仗助が座っている跳び箱へと向かってきた。
跳び箱の隙間から鼻先を突っ込んでいるナギニに、アマネが寄ってきて手の動きで仗助に降りろと言ってくる。