四部
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仗助視点
授業中にふとノートを見ると、覚えのない落書きが増えていた。どう見ても仗助の書いたものではないそれは、ちゃんと授業を受けろというアマネからの伝言で堂々と名前まで書き残されている。
いったいいつの間に、と考えると同時にまた学校へ忍び込んでいるのかと思った。重ちーこと矢安宮重清が行方不明になった直後も学校へ忍び込んで痕跡を探していたらしいから、それは充分に考えられる。
学校関係者以外が立ち入れば当然目立つし、ましてや授業中に教室へ忍び込んで仗助のノートへ落書きをしていったとなれば絶対に仗助は気付く筈だ。だが仗助はアマネが来たことすら分からなかった。
またスタンドみたいな何かの力かと考えて、授業が終わると同時に仗助は教室を飛び出す。向かった先はアマネが乱闘の痕跡があったと言っていた校舎脇の見える男子トイレで、トイレの窓を開けながらアマネを呼ぶ。
そこから見える外には誰も立っていない。捜査を終わらせて帰る前に仗助のところへ寄ったか、仗助が無意識に書いた落書きだったのかと何となく落ち込みながら窓を閉めようとすると、アマネの声が聞こえた。
「仗助君?」
「……アマネさん?」
「ああ閉めねぇで開けといてくれぇ。今ナギニがそこにいる」
ナギニといったらアマネの息子のペットかと思い出したところで指を鳴らす音がする。不思議に思って瞬きをした直後目の前にアマネと蛇の姿が現れた。
「落書きばれたぁ?」
そう言っていたずらっぽく微笑む姿に何故か気恥ずかしくなる。
「……重ちーの捜査に来たんすか」
「うん。こっそりなぁ」
「こっそりなのに落書きしてったんすか」
「だって集中してなかっただろぉ。駄目だぜぇ学生君」
「……何やってたんすか」
無理矢理話題を変えればアマネは窓枠のところで舌を出して這っていた白蛇へ手を伸ばした。ナギニがその腕を伝ってアマネの首筋へと戻っていく。
「ナギニに匂いを嗅いで手がかりが無ぇか探して貰ってたんだぁ。新しい情報は無ぇみてぇだけどぉ」
「じゃあもう帰っちまうんスか?」
言ってから帰って『しまう』という言い方は変だなと思った。
「ううん。これからどうして彼が『ここに来た』のかを調べる。中学生の彼が高等部の校舎脇へいたなんて変だと思わねぇ?」
「オレに会いにこようとしてたんじゃ?」
「だとしたら何処の地点で犯人に出会ったのかが問題になってくる。乱闘の跡はここ。仮に犯人とここで遭遇したとしたら、彼がこんな場所へ来た理由はぁ? 君に会うなら校舎の中を行けばいいだろぉ?」
言われてみればなるほど不思議だ。
短い休み時間だったからもう次の始業のチャイムが鳴る。それを聞いて仗助へ背を向けようとしたアマネに、仗助はトイレの窓から外へ出た。
「授業はどうしたぁ」
「自習っす!」
授業中にふとノートを見ると、覚えのない落書きが増えていた。どう見ても仗助の書いたものではないそれは、ちゃんと授業を受けろというアマネからの伝言で堂々と名前まで書き残されている。
いったいいつの間に、と考えると同時にまた学校へ忍び込んでいるのかと思った。重ちーこと矢安宮重清が行方不明になった直後も学校へ忍び込んで痕跡を探していたらしいから、それは充分に考えられる。
学校関係者以外が立ち入れば当然目立つし、ましてや授業中に教室へ忍び込んで仗助のノートへ落書きをしていったとなれば絶対に仗助は気付く筈だ。だが仗助はアマネが来たことすら分からなかった。
またスタンドみたいな何かの力かと考えて、授業が終わると同時に仗助は教室を飛び出す。向かった先はアマネが乱闘の痕跡があったと言っていた校舎脇の見える男子トイレで、トイレの窓を開けながらアマネを呼ぶ。
そこから見える外には誰も立っていない。捜査を終わらせて帰る前に仗助のところへ寄ったか、仗助が無意識に書いた落書きだったのかと何となく落ち込みながら窓を閉めようとすると、アマネの声が聞こえた。
「仗助君?」
「……アマネさん?」
「ああ閉めねぇで開けといてくれぇ。今ナギニがそこにいる」
ナギニといったらアマネの息子のペットかと思い出したところで指を鳴らす音がする。不思議に思って瞬きをした直後目の前にアマネと蛇の姿が現れた。
「落書きばれたぁ?」
そう言っていたずらっぽく微笑む姿に何故か気恥ずかしくなる。
「……重ちーの捜査に来たんすか」
「うん。こっそりなぁ」
「こっそりなのに落書きしてったんすか」
「だって集中してなかっただろぉ。駄目だぜぇ学生君」
「……何やってたんすか」
無理矢理話題を変えればアマネは窓枠のところで舌を出して這っていた白蛇へ手を伸ばした。ナギニがその腕を伝ってアマネの首筋へと戻っていく。
「ナギニに匂いを嗅いで手がかりが無ぇか探して貰ってたんだぁ。新しい情報は無ぇみてぇだけどぉ」
「じゃあもう帰っちまうんスか?」
言ってから帰って『しまう』という言い方は変だなと思った。
「ううん。これからどうして彼が『ここに来た』のかを調べる。中学生の彼が高等部の校舎脇へいたなんて変だと思わねぇ?」
「オレに会いにこようとしてたんじゃ?」
「だとしたら何処の地点で犯人に出会ったのかが問題になってくる。乱闘の跡はここ。仮に犯人とここで遭遇したとしたら、彼がこんな場所へ来た理由はぁ? 君に会うなら校舎の中を行けばいいだろぉ?」
言われてみればなるほど不思議だ。
短い休み時間だったからもう次の始業のチャイムが鳴る。それを聞いて仗助へ背を向けようとしたアマネに、仗助はトイレの窓から外へ出た。
「授業はどうしたぁ」
「自習っす!」