四部
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すれ違った男性の腐臭も気になったが、男性が医者であったり葬儀屋へ勤めていたりすれば付いてしまう程度のものだ。タイミング的に嫌な予感がしたのだろうと忘れることにして、アマネはそれとは別に捜査を始めた。
ナギニを連れて再び学校の現場検証である。
矢安宮少年は行方不明となる数分前までは目撃されていた。仗助達が最期のスタンドを目撃するほんの五分ほど前には仗助達自身が本体の方も目撃している。
スタンドは一般人には見えないので、探すのは本体の方の目撃証言や痕跡だ。そもそもアマネにも見えない。
廊下で怪我をしている矢安宮少年を目撃したという女子生徒の証言があった場所から、血痕は消えしまっているが向かおうとしていたらしい方角を眺める。校内図と照らし合わせて廊下を進んでいけば、仗助の在籍している教室があった。
教室の扉は引き戸ではなくドアになっていて、掴んで下げる形のドアノブが付いている。高校の教室がドアというのは珍しい。ふとドアの窓から教室を覗き込めば仗助がつまらなさそうに授業を受けているのが見えた。
今のアマネは霧の炎で幻覚をかけているから、仗助へ限らず誰にも見つかることはないが。
「……ちょっと遊ぶかぁ」
ドアを開けて教室へ入り込む。ドアを開けても当然誰にも認識されず、堂々と仗助の席へと近付いて筆箱の中からシャーペンを借りた。
ノートの余白へ『ちゃんと授業に集中しなさい。アマネ』と書いてシャーペンを返し教室を出る。それから矢安宮少年の痕跡探しを再開した。やはり廊下は掃除されてしまっていて殆どの痕跡が消えている。そうでなくとも大勢の生徒が歩き回る場所だ。そこからたった一人の痕跡を見つけ出そうというのが馬鹿な真似である。
校舎脇の乱闘跡が残っていた現場へ向かい、連れてきたナギニへその周辺の匂いを探ってもらった。蛇は視力が低いが匂いや音を感知する能力は人間以上で、人間のアマネよりも残っている匂いなどに気づける筈である。
周囲の匂いを探索してもらっている間にアマネが考えるのは、『何故矢安宮少年はここにいたのか』という問題だった。
ここは学校敷地内ではあるが、ここは矢安宮少年が通っていた中等部から遠い高等部側の校舎になっている。襲われて仗助に助けを求める為にここへまで逃げてきたとしても、それならば校舎の中へ逃げるだろう。
そもそもこの足跡の位置がおかしい。
授業が休み時間に入るチャイムが鳴る。にわかに騒がしくなる校内に、大丈夫だと分かっていても誰かに見つかる気がして気まずい。
ナギニが矢安宮少年が校舎へ入る為に使ったのだろう男子トイレの窓へ這い寄った瞬間、窓が内側から勢いよく開いた。
「アマネさんッ――!?」
ナギニを連れて再び学校の現場検証である。
矢安宮少年は行方不明となる数分前までは目撃されていた。仗助達が最期のスタンドを目撃するほんの五分ほど前には仗助達自身が本体の方も目撃している。
スタンドは一般人には見えないので、探すのは本体の方の目撃証言や痕跡だ。そもそもアマネにも見えない。
廊下で怪我をしている矢安宮少年を目撃したという女子生徒の証言があった場所から、血痕は消えしまっているが向かおうとしていたらしい方角を眺める。校内図と照らし合わせて廊下を進んでいけば、仗助の在籍している教室があった。
教室の扉は引き戸ではなくドアになっていて、掴んで下げる形のドアノブが付いている。高校の教室がドアというのは珍しい。ふとドアの窓から教室を覗き込めば仗助がつまらなさそうに授業を受けているのが見えた。
今のアマネは霧の炎で幻覚をかけているから、仗助へ限らず誰にも見つかることはないが。
「……ちょっと遊ぶかぁ」
ドアを開けて教室へ入り込む。ドアを開けても当然誰にも認識されず、堂々と仗助の席へと近付いて筆箱の中からシャーペンを借りた。
ノートの余白へ『ちゃんと授業に集中しなさい。アマネ』と書いてシャーペンを返し教室を出る。それから矢安宮少年の痕跡探しを再開した。やはり廊下は掃除されてしまっていて殆どの痕跡が消えている。そうでなくとも大勢の生徒が歩き回る場所だ。そこからたった一人の痕跡を見つけ出そうというのが馬鹿な真似である。
校舎脇の乱闘跡が残っていた現場へ向かい、連れてきたナギニへその周辺の匂いを探ってもらった。蛇は視力が低いが匂いや音を感知する能力は人間以上で、人間のアマネよりも残っている匂いなどに気づける筈である。
周囲の匂いを探索してもらっている間にアマネが考えるのは、『何故矢安宮少年はここにいたのか』という問題だった。
ここは学校敷地内ではあるが、ここは矢安宮少年が通っていた中等部から遠い高等部側の校舎になっている。襲われて仗助に助けを求める為にここへまで逃げてきたとしても、それならば校舎の中へ逃げるだろう。
そもそもこの足跡の位置がおかしい。
授業が休み時間に入るチャイムが鳴る。にわかに騒がしくなる校内に、大丈夫だと分かっていても誰かに見つかる気がして気まずい。
ナギニが矢安宮少年が校舎へ入る為に使ったのだろう男子トイレの窓へ這い寄った瞬間、窓が内側から勢いよく開いた。
「アマネさんッ――!?」