四部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
駅前のカフェ『ドゥ・マゴ』へ移動して約束通りお茶をする。その過程でアマネがスタンド使いについても調べるスビードワゴン財団へ所属していることを説明し、代わりに露伴からは彼のスタンド能力の説明を聞いた。とはいえ露伴はスタンドで康一の記憶を読んだ時にその事は既に知っていたらしい。
康一の目の前でスタンド能力のように転移を行なった事が以前にあったが、なるほど康一のその記憶を読んで露伴はアマネがスタンド使いだと誤解していたのだろう。康一にスタンド使いではないと言っていなくて良かった。あと露伴のスタンド能力は怖い。
余談だが康一が知らない情報であるアマネが副業で翻訳家をしていることを話すと、露伴は『あの人気の翻訳家斑鳩アマネかッ!?』とそっちの方が驚いていた。人気かどうかまでは知らない。
それぞれの注文した飲み物が来てから、メモを取りだして露伴が康一と経験したという路地の話を聞く。十五年前に起こった一家惨殺事件にその被害者の一人である少女の幽霊。
そしてその犯人が、今もなおこの町で人知れず殺人を繰り返しているということ。
「スピードワゴン財団はただの殺人事件も調べるのか?」
「可能性のあるものを虱潰しで調べてスタンド使いが関わってる事を見つけだすのも仕事のうちですよ。現状この町で起きることはスタンド使いが関わってる可能性が高い以上、俺は普通の事件でも一応調べます」
徒労に終わったとしてもその方が確実である。露伴は頬杖を突いてアマネを観察していたが、つまらないことを聞いたとばかりに鼻を鳴らしていた。
「つまらないな。SPW財団関係者の取材ならいいネタがあると思ったが非常に普通だ」
「ふふ、貴方は地道な取材無しで毎回面白いネタへぶち当たると?」
「……それを言われると納得出来るな」
杉本鈴美の幽霊の話では、彼女とその家族を殺した犯人は未だこの町へ溶けこんで暮らしているらしい。そして人知れず殺人を繰り返している。
だが実際のところ、殺人事件自体はさほど起きていない。
「それでは彼女の話と食い違うぜ?」
「言い直しましょう。世間に気付かれている殺人事件は起きていません」
「? つまり?」
「殺人事件の定義は誰かが人を殺すことにあります。人を殺せば死体が出来る。死体が見つかればそこから死体遺棄や殺人事件の可能性が浮上する。逆に言うと死体が見つからなけりゃ殺人事件は発生していないことになります」
「……死体を隠している、と」
「ここ数十年にかけてこの町は近辺を含めて行方不明者の数が多い。その行方不明者が殺人事件の被害者だとすれば、やはり事件は起きていると言えるでしょう。ただしそれを知っているのは犯人だけです」
康一の目の前でスタンド能力のように転移を行なった事が以前にあったが、なるほど康一のその記憶を読んで露伴はアマネがスタンド使いだと誤解していたのだろう。康一にスタンド使いではないと言っていなくて良かった。あと露伴のスタンド能力は怖い。
余談だが康一が知らない情報であるアマネが副業で翻訳家をしていることを話すと、露伴は『あの人気の翻訳家斑鳩アマネかッ!?』とそっちの方が驚いていた。人気かどうかまでは知らない。
それぞれの注文した飲み物が来てから、メモを取りだして露伴が康一と経験したという路地の話を聞く。十五年前に起こった一家惨殺事件にその被害者の一人である少女の幽霊。
そしてその犯人が、今もなおこの町で人知れず殺人を繰り返しているということ。
「スピードワゴン財団はただの殺人事件も調べるのか?」
「可能性のあるものを虱潰しで調べてスタンド使いが関わってる事を見つけだすのも仕事のうちですよ。現状この町で起きることはスタンド使いが関わってる可能性が高い以上、俺は普通の事件でも一応調べます」
徒労に終わったとしてもその方が確実である。露伴は頬杖を突いてアマネを観察していたが、つまらないことを聞いたとばかりに鼻を鳴らしていた。
「つまらないな。SPW財団関係者の取材ならいいネタがあると思ったが非常に普通だ」
「ふふ、貴方は地道な取材無しで毎回面白いネタへぶち当たると?」
「……それを言われると納得出来るな」
杉本鈴美の幽霊の話では、彼女とその家族を殺した犯人は未だこの町へ溶けこんで暮らしているらしい。そして人知れず殺人を繰り返している。
だが実際のところ、殺人事件自体はさほど起きていない。
「それでは彼女の話と食い違うぜ?」
「言い直しましょう。世間に気付かれている殺人事件は起きていません」
「? つまり?」
「殺人事件の定義は誰かが人を殺すことにあります。人を殺せば死体が出来る。死体が見つかればそこから死体遺棄や殺人事件の可能性が浮上する。逆に言うと死体が見つからなけりゃ殺人事件は発生していないことになります」
「……死体を隠している、と」
「ここ数十年にかけてこの町は近辺を含めて行方不明者の数が多い。その行方不明者が殺人事件の被害者だとすれば、やはり事件は起きていると言えるでしょう。ただしそれを知っているのは犯人だけです」