四部
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康一がいなくなって、その場へ残されたアマネは改めて岸辺露伴へと向き直った。
「もしよければ、何があったのかお聞かせ願えますかぁ?」
彼は康一と一緒に行動していたのだろう。幽霊の少女も康一と彼へ話しかけていたことを考えればそれは確定してもいいと判断する。とすれば露伴も康一と同じ情報を持っているはずだ。
露伴はアマネを観察するように眺めてから口を開く。
「貴方は康一くんとはどんな関係で?」
「彼の友人が俺の知人の叔父なんです」
「……へえ、随分と遠い関係だな。この町へは何をしに?」
「知人へ頼まれて。ところで岸辺さん、ここで何が」
「幽霊に取材をしてたんですよ」
「……幽霊の名前は?」
「杉本鈴美。ご存じですか?」
確か十五年前にあった一家惨殺事件の被害者の一人だ。調べてきたばかりの事件の中でも大きなものだったから覚えている。
そういえば先程康一も少女の幽霊を『鈴美』と呼んでいた。つまり先程の幽霊の彼女こそ『杉本鈴美』だというのか。
だが、だとしたら彼女は何故この世へ留まっているのかという話にもなってくる。スタンド使いとは関係無いとしても気になってきた。
「十五年前にあった事件の被害者でしてね。もし良ければ一緒にお茶でもしながら話を聞いてくれますか? 康一くんから聞くにしても聞いておいて損はないでしょう?」
露伴の言う通り損はない。だがどうにも露伴の誘い方が強引だ。そこが引っかかって返事をしないでいれば、不意に露伴が手を動かす。
「《ヘブンズドアー》!」
「――そういや漫画家のスタンド使いが居たなぁ」
手を動かしきる前に露伴の背後へ空間転移して腕を掴んだ。
調べた町内スタンド使いの中に、漫画家のスタンド使いがいたことを思い出す。犯罪へ手を出すでもない無害な分類をしたスタンド使いであったから忘れかけていたが、なるほどその関係で同じスタンド使いである康一と知り合ったのだろう。
「なッ――」
「すみませんが、俺にスタンドを使用するというのならこの右腕を折ります。漫画家ですから手は大切でしょう? 出来れば穏便にお茶をしませんか?」
彼のスタンド能力がどういうものであるかは知らないが、知らないなりに脅迫する。いくらスタンドが強かろうが本体へ直接攻撃を与えられるのは困るはずだ。
案の定降参の態度をとった露伴に、それでも警戒しながら腕を離す。
「抜かったな。康一くんの『ファイル』には、キミがスタンド使いだとは書いてあったが能力までは分かっていなかった……ッ」
「『ファイル』?」
「もしよければ、何があったのかお聞かせ願えますかぁ?」
彼は康一と一緒に行動していたのだろう。幽霊の少女も康一と彼へ話しかけていたことを考えればそれは確定してもいいと判断する。とすれば露伴も康一と同じ情報を持っているはずだ。
露伴はアマネを観察するように眺めてから口を開く。
「貴方は康一くんとはどんな関係で?」
「彼の友人が俺の知人の叔父なんです」
「……へえ、随分と遠い関係だな。この町へは何をしに?」
「知人へ頼まれて。ところで岸辺さん、ここで何が」
「幽霊に取材をしてたんですよ」
「……幽霊の名前は?」
「杉本鈴美。ご存じですか?」
確か十五年前にあった一家惨殺事件の被害者の一人だ。調べてきたばかりの事件の中でも大きなものだったから覚えている。
そういえば先程康一も少女の幽霊を『鈴美』と呼んでいた。つまり先程の幽霊の彼女こそ『杉本鈴美』だというのか。
だが、だとしたら彼女は何故この世へ留まっているのかという話にもなってくる。スタンド使いとは関係無いとしても気になってきた。
「十五年前にあった事件の被害者でしてね。もし良ければ一緒にお茶でもしながら話を聞いてくれますか? 康一くんから聞くにしても聞いておいて損はないでしょう?」
露伴の言う通り損はない。だがどうにも露伴の誘い方が強引だ。そこが引っかかって返事をしないでいれば、不意に露伴が手を動かす。
「《ヘブンズドアー》!」
「――そういや漫画家のスタンド使いが居たなぁ」
手を動かしきる前に露伴の背後へ空間転移して腕を掴んだ。
調べた町内スタンド使いの中に、漫画家のスタンド使いがいたことを思い出す。犯罪へ手を出すでもない無害な分類をしたスタンド使いであったから忘れかけていたが、なるほどその関係で同じスタンド使いである康一と知り合ったのだろう。
「なッ――」
「すみませんが、俺にスタンドを使用するというのならこの右腕を折ります。漫画家ですから手は大切でしょう? 出来れば穏便にお茶をしませんか?」
彼のスタンド能力がどういうものであるかは知らないが、知らないなりに脅迫する。いくらスタンドが強かろうが本体へ直接攻撃を与えられるのは困るはずだ。
案の定降参の態度をとった露伴に、それでも警戒しながら腕を離す。
「抜かったな。康一くんの『ファイル』には、キミがスタンド使いだとは書いてあったが能力までは分かっていなかった……ッ」
「『ファイル』?」