四部
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「害虫ってなんだよ害虫って!」
「煩いトゲアリトゲナシトゲトゲ! 貴様なんぞ冥府の果てでその無駄に装飾の付いた制服のボタン付けでもしていろ!」
「トム。トゲアリトゲナシトゲトゲは新種でトゲアリトゲナシトゲアリトゲトゲも見つかったらしい」
仲がいいのか悪いのか分からないが、とりあえず承太郎は告げることを間違えていると確信する。羽虫のことなどどうでもいいし多分それはガセネタだ。
トムもトムで昔の性格が覗き出ている。相手を貴様呼びするのがその証拠で、このまま放置すると怒りにまかせて魔法を使いかねない。
仕方なしにため息を吐き、痛いくらいに強く握ってきている仗助の手から自分のそれを抜いてトムへと歩み寄った。そのまま抱きしめればトムが大人しくなる。
「トム。今日は一緒に寝よう」
「ぐっ……」
「はんっ! いい年してパパと添い寝かよ!」
「父さんがしたいというなら何歳になったってしてやるさ!」
録音しておけば良かった。
いい加減面倒になったのか承太郎が仗助を引きずるようにして去っていく。それを見送ってアマネがトムから離れると、トムがアマネの手を掴んで見上げてきた。見上げる動作だけでこんなに可愛いのはこの子だけだなと考えていると、トムの方からすり寄ってくる。
「トム?」
「仗助サンに何をされたの?」
「……ちょっと彼の前で能力を使いすぎただけだぁ。大丈夫だよ。何かあったとしてもお前に苦労は掛けねぇから」
「僕は構わないけど、父さんが悲しむのは辛い」
「ふふ、お前の気遣いだけで今は充分だよ」
だからどうしてこんなにいい子へ育ったのか。
共犯者である承太郎と、アマネの事を理解してくれるトムがいればどうにかなる。それ以上の多くを望んだとしても仕方がないし、望んで身を乗り出せば今日のように怪しまれるだけだ。
完全に怪しまれたら、どこまでも逃げる準備はトムを養子にする前からしてある。スピードワゴン財団に勤め内部事情も知っているから捜索の手も振りきれるだろう。
けれども今のところそんな懸念は必要ないと判断していた。それだけの話である。
「それにしてもさっきのあれは少し言い過ぎだったぜぇ」
「害虫に害虫って言って何が悪いの」
「仗助君のどこが害虫だぁ? やさしいスタンド能力を持ってる通り、優しい子だよ」
「……これだから父さんは鈍感だって言われるんだ」
トムが何か呟いたようだったがよく聞こえなかった。背後でジョセフが赤ん坊の世話で手を借りたいらしくアマネ達を呼んでいる。
仗助に掴まれた手がまだ少し痛かった。
「煩いトゲアリトゲナシトゲトゲ! 貴様なんぞ冥府の果てでその無駄に装飾の付いた制服のボタン付けでもしていろ!」
「トム。トゲアリトゲナシトゲトゲは新種でトゲアリトゲナシトゲアリトゲトゲも見つかったらしい」
仲がいいのか悪いのか分からないが、とりあえず承太郎は告げることを間違えていると確信する。羽虫のことなどどうでもいいし多分それはガセネタだ。
トムもトムで昔の性格が覗き出ている。相手を貴様呼びするのがその証拠で、このまま放置すると怒りにまかせて魔法を使いかねない。
仕方なしにため息を吐き、痛いくらいに強く握ってきている仗助の手から自分のそれを抜いてトムへと歩み寄った。そのまま抱きしめればトムが大人しくなる。
「トム。今日は一緒に寝よう」
「ぐっ……」
「はんっ! いい年してパパと添い寝かよ!」
「父さんがしたいというなら何歳になったってしてやるさ!」
録音しておけば良かった。
いい加減面倒になったのか承太郎が仗助を引きずるようにして去っていく。それを見送ってアマネがトムから離れると、トムがアマネの手を掴んで見上げてきた。見上げる動作だけでこんなに可愛いのはこの子だけだなと考えていると、トムの方からすり寄ってくる。
「トム?」
「仗助サンに何をされたの?」
「……ちょっと彼の前で能力を使いすぎただけだぁ。大丈夫だよ。何かあったとしてもお前に苦労は掛けねぇから」
「僕は構わないけど、父さんが悲しむのは辛い」
「ふふ、お前の気遣いだけで今は充分だよ」
だからどうしてこんなにいい子へ育ったのか。
共犯者である承太郎と、アマネの事を理解してくれるトムがいればどうにかなる。それ以上の多くを望んだとしても仕方がないし、望んで身を乗り出せば今日のように怪しまれるだけだ。
完全に怪しまれたら、どこまでも逃げる準備はトムを養子にする前からしてある。スピードワゴン財団に勤め内部事情も知っているから捜索の手も振りきれるだろう。
けれども今のところそんな懸念は必要ないと判断していた。それだけの話である。
「それにしてもさっきのあれは少し言い過ぎだったぜぇ」
「害虫に害虫って言って何が悪いの」
「仗助君のどこが害虫だぁ? やさしいスタンド能力を持ってる通り、優しい子だよ」
「……これだから父さんは鈍感だって言われるんだ」
トムが何か呟いたようだったがよく聞こえなかった。背後でジョセフが赤ん坊の世話で手を借りたいらしくアマネ達を呼んでいる。
仗助に掴まれた手がまだ少し痛かった。