六部
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二十年前のあの雨の日。アマネは花京院という『なりかけの光』を失って、既に幾人もの『星』になっていた承太郎へ出会った。
少なくともその時の承太郎は既に、花京院の心の闇を照らしていたのだ。
花京院が隠していたスタンドの事。そのせいで同級生にも家族にも一線を引いていたという事。けれども花京院は承太郎へ出会ってそれから救われた。
でなければ死んでまで承太郎に勝利を与えようなんて思わないだろう。
堕ちて輝きを失ってしまった星を眺めていたアマネを、救ってくれたのは承太郎だ。
「だから俺は二十年前のあの日から、何があってもお前を助けるんだって覚悟している。お前が生きているだけで支えになる者がいる」
その為になら数秒先の未来に何があろうと何でも出来ると『覚悟』している。
ボロボロのストールをたくし上げて左肩へ触れた。今はそこにも星がある。
「同じようにアナスイ君は徐倫へその光を見たんだぁ。結婚なんて言葉に誤魔化されねぇで、ちゃんと彼を分かってあげろぉ」
「アマネ……」
「花京院が死んだのはお前のせいじゃない。むしろ花京院と友達に、仲間になってくれてありがとう。お前とアイツがした『旅』っていうのは、きっと、アイツが胸を張って『生きていた』旅なんだぁ。……そうだろぉ?」
承太郎は何も言わなかった。
口数は元より多くない奴だからそれで良いと思ったし、アマネ自身こんなタイミングでずっと言いたかった事を伝えられるとは思っていなかったくらいだ。
二十年前からずっと、言えずにいた。
周囲を見回してきた徐倫が傍に来てアナスイへ寄りかかる。話は何一つ聞いていなかったようで、ただ神父の事だけが頭にあるようだった。
「集まった方がいい。みんなも散らない方が」
周りにスタンドで伸ばした糸を張り巡らせてきたようだが、糸であの加速している神父を捕捉出来るかどうかとなれば心許ない。建物の下や周辺を動き回っている感覚はしている。
『天国』へ必要な能力を手に入れたとはいえ、神父は自分の決意を邪魔するジョースターの血統との『決着』をつけることを考えているのだろう。何度も妨害されるのならきちんと倒して禍根は残さない。そう考えている。
空の雲がどんどん加速する時間に合わせて形を変えていた。
承太郎がアナスイの傍にいた徐倫を無言で引き寄せてアナスイから距離をとらせている。徐倫が何故そんなことをされたのか分からないといった様子なのに、アマネはちょっと笑って承太郎の腕の中の徐倫の頭を撫でた。
「? 父さん? アマネ?」
「お前達をちゃんと守ってあげるからなぁ」
「? 何の話?」
承太郎が物言いたげにアマネを見ている。
少なくともその時の承太郎は既に、花京院の心の闇を照らしていたのだ。
花京院が隠していたスタンドの事。そのせいで同級生にも家族にも一線を引いていたという事。けれども花京院は承太郎へ出会ってそれから救われた。
でなければ死んでまで承太郎に勝利を与えようなんて思わないだろう。
堕ちて輝きを失ってしまった星を眺めていたアマネを、救ってくれたのは承太郎だ。
「だから俺は二十年前のあの日から、何があってもお前を助けるんだって覚悟している。お前が生きているだけで支えになる者がいる」
その為になら数秒先の未来に何があろうと何でも出来ると『覚悟』している。
ボロボロのストールをたくし上げて左肩へ触れた。今はそこにも星がある。
「同じようにアナスイ君は徐倫へその光を見たんだぁ。結婚なんて言葉に誤魔化されねぇで、ちゃんと彼を分かってあげろぉ」
「アマネ……」
「花京院が死んだのはお前のせいじゃない。むしろ花京院と友達に、仲間になってくれてありがとう。お前とアイツがした『旅』っていうのは、きっと、アイツが胸を張って『生きていた』旅なんだぁ。……そうだろぉ?」
承太郎は何も言わなかった。
口数は元より多くない奴だからそれで良いと思ったし、アマネ自身こんなタイミングでずっと言いたかった事を伝えられるとは思っていなかったくらいだ。
二十年前からずっと、言えずにいた。
周囲を見回してきた徐倫が傍に来てアナスイへ寄りかかる。話は何一つ聞いていなかったようで、ただ神父の事だけが頭にあるようだった。
「集まった方がいい。みんなも散らない方が」
周りにスタンドで伸ばした糸を張り巡らせてきたようだが、糸であの加速している神父を捕捉出来るかどうかとなれば心許ない。建物の下や周辺を動き回っている感覚はしている。
『天国』へ必要な能力を手に入れたとはいえ、神父は自分の決意を邪魔するジョースターの血統との『決着』をつけることを考えているのだろう。何度も妨害されるのならきちんと倒して禍根は残さない。そう考えている。
空の雲がどんどん加速する時間に合わせて形を変えていた。
承太郎がアナスイの傍にいた徐倫を無言で引き寄せてアナスイから距離をとらせている。徐倫が何故そんなことをされたのか分からないといった様子なのに、アマネはちょっと笑って承太郎の腕の中の徐倫の頭を撫でた。
「? 父さん? アマネ?」
「お前達をちゃんと守ってあげるからなぁ」
「? 何の話?」
承太郎が物言いたげにアマネを見ている。