六部
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「君さ、自分が何言ってるか分かってる? 徐倫と結婚したい? 目の付け所以外褒められないよ」
目の付け所は褒めるのか。
「確かに徐倫は可愛いさ。僕の妹の様な幼なじみだ。でもだからこそ君みたいなどこぞの馬の骨とも知れない相手に徐倫をやれるか!」
「トム。お前ソレ空条の台詞じゃねぇ? それに俺は別にアナスイ君良いと思うぜぇ?」
「この野郎父さんまで籠絡したな!?」
「し、してないッ」
「徐倫の好きなタイプは父さんと承太郎さんを混ぜたような人だぞ。結婚したら承太郎さんみたいな舅と僕みたいな小舅が出来るんだぞ? 僕ならもうちょっと考えるね!」
部外者のくせに言い過ぎな気もするし、徐倫の好きなタイプに自分が入っているというのも初耳だ。というか小舅になるつもり満々なのかと自分の息子に驚く。
言っておくが今でこそアマネが『緑の赤ん坊』と繋がって承太郎達と同じ星形のアザこそ浮いているが、それは血縁になったという訳でもないし、そもそもアマネと承太郎は学生時代からの知人と言うだけで親戚ですらない。まずアマネが血縁だったとしてもトムが養子である以上全く繋がりなど無いのだ。
なのによく言う。
「なにもオレは……最初から徐倫と結婚できるなんて思っちゃあいない。オレの殺人罪は事実だし徐倫がオレの事を好きになってくれるわけがない事も知っている」
「殺人は別にどうでもいいよ。僕だって経験してる」
「トム。ちょっと黙ってなさい」
「だが、徐倫が父親であるアンタから受け継いでいる清い意志と心は……オレの心の闇を光で照らしてくれている。崩壊しそうなオレの心の闇をッ」
アナスイが承太郎へ向き直る。
「今のオレには必要なんだ……一言でいい。『許す』と……オレの心を解き放って欲しい……! ここを生き延びたなら結婚の『許可』を与えるとッ!」
「……。言ってる事が分からない。イカレてるのか? この状況で」
承太郎の返事は無碍もなかった。アナスイは無言でそんな承太郎を見つめていて、トムが思いきり物言いたげに二人を見やっている。
ここはアマネが口を挟むべきなのだろうか。空条家の問題な気もするが、流石にアナスイが可哀想に思えた。
「空条。彼は何も結婚させてくれって言ってるんじゃねぇよ。結婚できるかどうかは徐倫の選択へ任せるから、ただ玉砕しようが成功しようがプロポーズだけはさせてくれって言ってるんだぁ」
「……アマネ」
「お前が俺を照らしてくれたように、彼にも星の光が必要なことはわかってやれぇ」
承太郎だけではなく、アナスイやトムまでアマネを見つめる。
だから首を傾けて微笑んだ。
「二十年前のあの雨の日から、お前はずっとそうだったんだよ」
目の付け所は褒めるのか。
「確かに徐倫は可愛いさ。僕の妹の様な幼なじみだ。でもだからこそ君みたいなどこぞの馬の骨とも知れない相手に徐倫をやれるか!」
「トム。お前ソレ空条の台詞じゃねぇ? それに俺は別にアナスイ君良いと思うぜぇ?」
「この野郎父さんまで籠絡したな!?」
「し、してないッ」
「徐倫の好きなタイプは父さんと承太郎さんを混ぜたような人だぞ。結婚したら承太郎さんみたいな舅と僕みたいな小舅が出来るんだぞ? 僕ならもうちょっと考えるね!」
部外者のくせに言い過ぎな気もするし、徐倫の好きなタイプに自分が入っているというのも初耳だ。というか小舅になるつもり満々なのかと自分の息子に驚く。
言っておくが今でこそアマネが『緑の赤ん坊』と繋がって承太郎達と同じ星形のアザこそ浮いているが、それは血縁になったという訳でもないし、そもそもアマネと承太郎は学生時代からの知人と言うだけで親戚ですらない。まずアマネが血縁だったとしてもトムが養子である以上全く繋がりなど無いのだ。
なのによく言う。
「なにもオレは……最初から徐倫と結婚できるなんて思っちゃあいない。オレの殺人罪は事実だし徐倫がオレの事を好きになってくれるわけがない事も知っている」
「殺人は別にどうでもいいよ。僕だって経験してる」
「トム。ちょっと黙ってなさい」
「だが、徐倫が父親であるアンタから受け継いでいる清い意志と心は……オレの心の闇を光で照らしてくれている。崩壊しそうなオレの心の闇をッ」
アナスイが承太郎へ向き直る。
「今のオレには必要なんだ……一言でいい。『許す』と……オレの心を解き放って欲しい……! ここを生き延びたなら結婚の『許可』を与えるとッ!」
「……。言ってる事が分からない。イカレてるのか? この状況で」
承太郎の返事は無碍もなかった。アナスイは無言でそんな承太郎を見つめていて、トムが思いきり物言いたげに二人を見やっている。
ここはアマネが口を挟むべきなのだろうか。空条家の問題な気もするが、流石にアナスイが可哀想に思えた。
「空条。彼は何も結婚させてくれって言ってるんじゃねぇよ。結婚できるかどうかは徐倫の選択へ任せるから、ただ玉砕しようが成功しようがプロポーズだけはさせてくれって言ってるんだぁ」
「……アマネ」
「お前が俺を照らしてくれたように、彼にも星の光が必要なことはわかってやれぇ」
承太郎だけではなく、アナスイやトムまでアマネを見つめる。
だから首を傾けて微笑んだ。
「二十年前のあの雨の日から、お前はずっとそうだったんだよ」