六部
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指を鳴らして作り上げた『第八の炎』による輪を二つ。その間へ幻覚製であるものの銃弾を放つ。繋がった空間を通過することで通過する以前の慣性を維持し更に加速が付く。それを故意に繰り返させることで加速する時間と同程度の速度を持つ銃弾を作り出すことは可能だ。
無論空間を通る時に勢いが無くなってしまえば速度は変わらない。だから基本は重力を利用する。忌々しいことに銃弾の速度を上げるのには神父と同じ発想をしなければならないのだ。
二つの燃え上がらせた炎の輪の中で銃弾が速度を増していく。それを維持しながらアマネは承太郎の合図を待つ。
「《スタープラチナ・ザ・ワールド》!」
承太郎が時を止めて神父を探す。
「――あそこだッ!」
承太郎が指差した柱の影へ向けて空間を繋げ銃弾を跳ばした。だが当たった気配は感じられず、アマネはそのまま指を連続で鳴らす。
幻覚で作り上げた銃弾だ。どこを跳んでいるのかは見えている者を除けばアマネだけが分かる。跳弾とは少し違うが似た様に銃弾を巡らせた。
炎の輪を潜る度に速度を増す銃弾。だが神父へ当たる様子はない。速度が足りないのか全く見当違いな方向で跳ばしているのか。おそらく両方だろう。
「こっちです二人とも。屋根の上へ」
承太郎がトムとアナスイによって建物の屋上へと引き上げられ、続いてアマネも承太郎とトムに引き上げられた。僅かながらに神父と距離を取ったことになる。
一応牽制の意味を込めて銃弾はまだ巡らせておく。
「短い……『時を止める時間』が」
「遅せぇ……『到達させる速度』が」
「ところで承太郎さん……オレは全力であなたのお嬢さんを守ります。既にのっぴきならない事態に陥ったようだが、この戦いは生き抜く……。だからお嬢さんとの結婚をお許しください」
「なんで今言った」
トムが思わずとばかりにツッコミを入れていた。承太郎は承太郎でアナスイの言ったことが理解出来ていないらしく、間の抜けた顔でアナスイを見返す。
「……今、なんていった?」
「ですから、あなたに今お許しをいただきたい承太郎さん。お嬢さんとの結婚を」
当の徐倫はエルメェス達と離れた場所で建物の下を見回していた。アマネと承太郎の傍でやはり周囲を警戒していたトムが、呆然としている承太郎の代わりに口を開く。
「というかお前誰だ」
「お前こそ誰だ」
「アナスイ君。この子俺の息子でトム」
「アマネさんの息子か。あんまり似てないな」
「養子だからね。――違う。徐倫と結婚したいって?」
無論空間を通る時に勢いが無くなってしまえば速度は変わらない。だから基本は重力を利用する。忌々しいことに銃弾の速度を上げるのには神父と同じ発想をしなければならないのだ。
二つの燃え上がらせた炎の輪の中で銃弾が速度を増していく。それを維持しながらアマネは承太郎の合図を待つ。
「《スタープラチナ・ザ・ワールド》!」
承太郎が時を止めて神父を探す。
「――あそこだッ!」
承太郎が指差した柱の影へ向けて空間を繋げ銃弾を跳ばした。だが当たった気配は感じられず、アマネはそのまま指を連続で鳴らす。
幻覚で作り上げた銃弾だ。どこを跳んでいるのかは見えている者を除けばアマネだけが分かる。跳弾とは少し違うが似た様に銃弾を巡らせた。
炎の輪を潜る度に速度を増す銃弾。だが神父へ当たる様子はない。速度が足りないのか全く見当違いな方向で跳ばしているのか。おそらく両方だろう。
「こっちです二人とも。屋根の上へ」
承太郎がトムとアナスイによって建物の屋上へと引き上げられ、続いてアマネも承太郎とトムに引き上げられた。僅かながらに神父と距離を取ったことになる。
一応牽制の意味を込めて銃弾はまだ巡らせておく。
「短い……『時を止める時間』が」
「遅せぇ……『到達させる速度』が」
「ところで承太郎さん……オレは全力であなたのお嬢さんを守ります。既にのっぴきならない事態に陥ったようだが、この戦いは生き抜く……。だからお嬢さんとの結婚をお許しください」
「なんで今言った」
トムが思わずとばかりにツッコミを入れていた。承太郎は承太郎でアナスイの言ったことが理解出来ていないらしく、間の抜けた顔でアナスイを見返す。
「……今、なんていった?」
「ですから、あなたに今お許しをいただきたい承太郎さん。お嬢さんとの結婚を」
当の徐倫はエルメェス達と離れた場所で建物の下を見回していた。アマネと承太郎の傍でやはり周囲を警戒していたトムが、呆然としている承太郎の代わりに口を開く。
「というかお前誰だ」
「お前こそ誰だ」
「アナスイ君。この子俺の息子でトム」
「アマネさんの息子か。あんまり似てないな」
「養子だからね。――違う。徐倫と結婚したいって?」