六部
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空の頂点にあった筈の太陽が西へ。降り始めたばかりだった雨が止み、びしょ濡れだった衣服が既に乾いている。
自動ドアの開閉が速くなり、落ちた石の落下速度も速い。
空を飛んでいたセスナ機が猛スピードで墜落した。徐倫やアマネの肌へ付着していた血も乾いて固まり、ボロボロに剥がれ落ちる。
トムと承太郎が身に着けていた腕時計を確認していた。
「――速い。時計だけじゃない。生物以外の全てが速く動いてる」
「まさかッ! これが能力の『完成』!?」
太陽が目に見える速度で沈んでいき、夜空に星が瞬き始める。周囲を警戒する承太郎と背中合わせになるように移動し、アマネは召喚器だけを取り出して構えた。
トムが徐倫を引き寄せて同じように周囲を見回す。アナスイがそれに気付いてこんな時だというのに怪訝そうな顔をしていた。そういえばアナスイやエンポリオへトムを紹介していない。
シャトルの方の建物で物音がした。
「……なにもかもが早く動いてるだけじゃあない。『時間』だ。それも『加速』しているッ」
「完成したスタンド能力? だとすりゃお前の『時止め』と同じで、神父だけは『加速する時間に対応出来る』のかもなぁ」
「大いにありうるな……」
スタンド能力はどんな能力であれ、その本体だけは絶対に適応出来る。承太郎の時を止める能力も、その止めた時の中へ承太郎だけは適応しているので動けるし、かつてトムが遭遇した『時間を吹き飛ばす』能力を持ったスタンド使いも、その吹き飛ばした時間の間を自由に動けたという。
その法則であればこの『時間を加速させる』能力を扱っている神父も、同じようにこの加速する時間へ“ついていける”筈だ。つまり加速している時間と同じ早さで神父だけが動ける。
この加速された時間の中で動けるのなら、アマネ達はこの場所へ居てはいけない。
「父さんッ」
「トム、徐倫……」
「逃げるぞ……この場所はまずいッ――!?」
逃げる為に足を半歩下げたところで、神父の気配を感じて視線を向けた。承太郎と徐倫も一斉に同じ方向を向いていたが、そこには誰もいない。
だが確実に神父の存在を感じ取った。神父は確実に近付いてきている。
「ここをすぐに――みんな! 移動するんだ!」
承太郎が皆を促すのに、アマネは召喚器を神父の気配がした方へ構えて指を鳴らした。神父の姿は相変わらず見えないが、気配だけが感じられる。
「……撃てるか」
「加速してる時間に合わせて撃てってかぁ? ――試してやる」
自動ドアの開閉が速くなり、落ちた石の落下速度も速い。
空を飛んでいたセスナ機が猛スピードで墜落した。徐倫やアマネの肌へ付着していた血も乾いて固まり、ボロボロに剥がれ落ちる。
トムと承太郎が身に着けていた腕時計を確認していた。
「――速い。時計だけじゃない。生物以外の全てが速く動いてる」
「まさかッ! これが能力の『完成』!?」
太陽が目に見える速度で沈んでいき、夜空に星が瞬き始める。周囲を警戒する承太郎と背中合わせになるように移動し、アマネは召喚器だけを取り出して構えた。
トムが徐倫を引き寄せて同じように周囲を見回す。アナスイがそれに気付いてこんな時だというのに怪訝そうな顔をしていた。そういえばアナスイやエンポリオへトムを紹介していない。
シャトルの方の建物で物音がした。
「……なにもかもが早く動いてるだけじゃあない。『時間』だ。それも『加速』しているッ」
「完成したスタンド能力? だとすりゃお前の『時止め』と同じで、神父だけは『加速する時間に対応出来る』のかもなぁ」
「大いにありうるな……」
スタンド能力はどんな能力であれ、その本体だけは絶対に適応出来る。承太郎の時を止める能力も、その止めた時の中へ承太郎だけは適応しているので動けるし、かつてトムが遭遇した『時間を吹き飛ばす』能力を持ったスタンド使いも、その吹き飛ばした時間の間を自由に動けたという。
その法則であればこの『時間を加速させる』能力を扱っている神父も、同じようにこの加速する時間へ“ついていける”筈だ。つまり加速している時間と同じ早さで神父だけが動ける。
この加速された時間の中で動けるのなら、アマネ達はこの場所へ居てはいけない。
「父さんッ」
「トム、徐倫……」
「逃げるぞ……この場所はまずいッ――!?」
逃げる為に足を半歩下げたところで、神父の気配を感じて視線を向けた。承太郎と徐倫も一斉に同じ方向を向いていたが、そこには誰もいない。
だが確実に神父の存在を感じ取った。神父は確実に近付いてきている。
「ここをすぐに――みんな! 移動するんだ!」
承太郎が皆を促すのに、アマネは召喚器を神父の気配がした方へ構えて指を鳴らした。神父の姿は相変わらず見えないが、気配だけが感じられる。
「……撃てるか」
「加速してる時間に合わせて撃てってかぁ? ――試してやる」