六部
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エルメェスが周囲を見回している。エンポリオとアナスイが目を覚ますのを横目に、アマネは破れた服を引っ張ってアザを隠した。
だがトムも承太郎もアマネの説明を待っている。
「……神父が『天国』へ行く為に融合した『緑色の赤ん坊』に、俺の血が入り込んだ。あの赤ん坊が神父へ融合されたことで俺の因子も融合したんだろぉ。徐倫や空条が神父の気配を感じ取れるように、今の俺も神父――赤ん坊だったモノかなぁ? ――と繋がってて、感じ取れる」
普通の血であったならこうはならなかった。アマネの血だからこそそんな事が起こったのだろう。それを知っていて察したのだろうトムが顔をしかめた。
「元から体調は完全じゃなかったが、ここへ来るまでやけに治りが悪かったのもそれが原因だったんだろぉ」
「今は……?」
「大丈夫」
三人へ安心させるように笑う。だがうまく笑えた気がしなかった。
目を覚ましたエンポリオから預けっぱなしだったストールを受け取り、肩のアザを隠すようにストールを掛ける。ハープアップにしていた髪を一つに結わえ直している間、レストランのテレビが付けっぱなしだったのか、このケープカナベラルで起こった異常現象に関する報道が正午のニュースとして流れていた。それを聞くにあの『重力反転』は収まったらしい。
神父の存在は感じ取れる。だが今は“感じとれる”だけでどの方角へいるのかは承太郎と徐倫には分からないらしい。
「神父の奴は『完成』だとか『天国の時』がきたとか言ってたがなぁ、本当はタダのハッタリなのかもッ!」
「――それはねぇよエルメェス」
神父が襲ってこないことや重力反転が解除されたことに痺れを切らしたらしいエルメェスの言葉を、アマネは否定する。太陽が見えているというのに雨が降ってきていた。
「それはねぇ。『繋がってる』から分かるけど、あのスタンドが『目覚めた』のは分かる。――『完成』してる」
「で――でも襲ってこない! このスキにヤツは完全に逃げ切る気なのかもッ!」
「エルメェス。建物の中には入らない方がいいッ! 見晴らしのいい場所へいろ。それにこの雨はすぐ止――」
レストランの中へ行こうとしたエルメェスを承太郎が止めた。その身体がいつの間にか豪雨でも浴びたようにびしょ濡れになっている。
びしょ濡れになっているのは承太郎だけではなく、建物へ入ろうとしていたエルメェス以外全員だ。足元へもいつの間にか水溜まりが出来ていて、降り始めたばかりだった雨は止んでいる。
エルメェスの足が物凄いスピードで閉まった自動ドアへ挟まれた。慌ててもう一度ドアを開閉し足を抜くエルメェスに、気付くとびしょ濡れになっていたはずの全身が乾いている。
正午のニュースを聞いたばかりだったはずが、既に太陽が夕日となっていた。
だがトムも承太郎もアマネの説明を待っている。
「……神父が『天国』へ行く為に融合した『緑色の赤ん坊』に、俺の血が入り込んだ。あの赤ん坊が神父へ融合されたことで俺の因子も融合したんだろぉ。徐倫や空条が神父の気配を感じ取れるように、今の俺も神父――赤ん坊だったモノかなぁ? ――と繋がってて、感じ取れる」
普通の血であったならこうはならなかった。アマネの血だからこそそんな事が起こったのだろう。それを知っていて察したのだろうトムが顔をしかめた。
「元から体調は完全じゃなかったが、ここへ来るまでやけに治りが悪かったのもそれが原因だったんだろぉ」
「今は……?」
「大丈夫」
三人へ安心させるように笑う。だがうまく笑えた気がしなかった。
目を覚ましたエンポリオから預けっぱなしだったストールを受け取り、肩のアザを隠すようにストールを掛ける。ハープアップにしていた髪を一つに結わえ直している間、レストランのテレビが付けっぱなしだったのか、このケープカナベラルで起こった異常現象に関する報道が正午のニュースとして流れていた。それを聞くにあの『重力反転』は収まったらしい。
神父の存在は感じ取れる。だが今は“感じとれる”だけでどの方角へいるのかは承太郎と徐倫には分からないらしい。
「神父の奴は『完成』だとか『天国の時』がきたとか言ってたがなぁ、本当はタダのハッタリなのかもッ!」
「――それはねぇよエルメェス」
神父が襲ってこないことや重力反転が解除されたことに痺れを切らしたらしいエルメェスの言葉を、アマネは否定する。太陽が見えているというのに雨が降ってきていた。
「それはねぇ。『繋がってる』から分かるけど、あのスタンドが『目覚めた』のは分かる。――『完成』してる」
「で――でも襲ってこない! このスキにヤツは完全に逃げ切る気なのかもッ!」
「エルメェス。建物の中には入らない方がいいッ! 見晴らしのいい場所へいろ。それにこの雨はすぐ止――」
レストランの中へ行こうとしたエルメェスを承太郎が止めた。その身体がいつの間にか豪雨でも浴びたようにびしょ濡れになっている。
びしょ濡れになっているのは承太郎だけではなく、建物へ入ろうとしていたエルメェス以外全員だ。足元へもいつの間にか水溜まりが出来ていて、降り始めたばかりだった雨は止んでいる。
エルメェスの足が物凄いスピードで閉まった自動ドアへ挟まれた。慌ててもう一度ドアを開閉し足を抜くエルメェスに、気付くとびしょ濡れになっていたはずの全身が乾いている。
正午のニュースを聞いたばかりだったはずが、既に太陽が夕日となっていた。