六部
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神父の姿は見当たらない。先程動いていたシャトルが向こうの建物の影から伺える。そこから何故ここへまで移動していたのかは分からなかった。
「話はどこまで理解してる」
「神父がわたしの記憶から『DIO』の『天国へいく方法』を実行しようとしている」
承太郎からすればそれを分かっていれば十分なのだろう。より詳しいことはとにかく神父を倒してからでも構わない。
アマネは承太郎の記憶を見ていなかった。だから神父の目指す『天国』について、おそらくは徐倫よりも情報を持っていない。
「ここへ来るまでに徐倫の仲間が二人死んでしまったよ」
「そうか……」
「まるでお前が経験した『旅』みてぇだぁ。そんなところで親子を感じさせんなぁ」
承太郎は何も言わなかった。
学生時代に承太郎が経験した『五十日間の旅』は、今のこの状況を生み出す始まりの一つだったのだろう。アマネは本来無関係であったのだろうが、神父に言わせればアマネがここへいることも運命なのだろうか。
だとしたら相変わらず、『運命』という言葉は好きではない。
「……さっき、気絶して花京院の夢を見たぜぇ。アイツが笑ったとこなんて見たこと無かったんだけど、『ノホホ』なんて変な笑い方してさぁ……」
話題を変える為にあえて変な話題を出してみる。承太郎が話題の変化へ付いていけなかったのか変な顔をしていた。
「見たことなかったのか」
「うん」
「その割には、笑い方は知ってるのか?」
「え――?」
倒れていたエルメェスが意識を取り戻して起き上がる。その傍で徐倫やトムも目を覚ましたようだった。
半端な会話を中断してアマネがトム達の元へ向かえば、鬱陶しげに前髪を掻き上げたトムが徐倫へ話しかけている。
「徐倫。重い」
「なッ、ちょっ、重くないわよ!」
「あと血だらけで酷い格好だ。見ろよ僕の服にまで血が付いた。あとで弁償しろよ」
「トム。怪我は無ぇかぁ?」
「大丈夫だよ父さ――父さんの方が酷い! 大丈夫なの!?」
抱えていた徐倫を降ろしたトムが素早く立ち上がって詰め寄ってきた。掴まれて気付いたが、腹部とは違って反転して人体の内側がむき出しになっていた肩が治っている。
血塗れで申し訳ないと思いながらもトムを抱きしめた。少し驚いたように戸惑ってから、トムの腕が背中へ回される。
暖かい。邪魔だったらしい髪が梳かれ、その手が止まった
「父さん……この『アザ』は?」
髪を梳きまとめたことで露わになった左肩、重力反転を受けた名残で服は破れていて素肌が晒け出されている。
そこにある『星形のアザ』に、徐倫だけではなく傍へ来た承太郎まで視線を向けた。
「話はどこまで理解してる」
「神父がわたしの記憶から『DIO』の『天国へいく方法』を実行しようとしている」
承太郎からすればそれを分かっていれば十分なのだろう。より詳しいことはとにかく神父を倒してからでも構わない。
アマネは承太郎の記憶を見ていなかった。だから神父の目指す『天国』について、おそらくは徐倫よりも情報を持っていない。
「ここへ来るまでに徐倫の仲間が二人死んでしまったよ」
「そうか……」
「まるでお前が経験した『旅』みてぇだぁ。そんなところで親子を感じさせんなぁ」
承太郎は何も言わなかった。
学生時代に承太郎が経験した『五十日間の旅』は、今のこの状況を生み出す始まりの一つだったのだろう。アマネは本来無関係であったのだろうが、神父に言わせればアマネがここへいることも運命なのだろうか。
だとしたら相変わらず、『運命』という言葉は好きではない。
「……さっき、気絶して花京院の夢を見たぜぇ。アイツが笑ったとこなんて見たこと無かったんだけど、『ノホホ』なんて変な笑い方してさぁ……」
話題を変える為にあえて変な話題を出してみる。承太郎が話題の変化へ付いていけなかったのか変な顔をしていた。
「見たことなかったのか」
「うん」
「その割には、笑い方は知ってるのか?」
「え――?」
倒れていたエルメェスが意識を取り戻して起き上がる。その傍で徐倫やトムも目を覚ましたようだった。
半端な会話を中断してアマネがトム達の元へ向かえば、鬱陶しげに前髪を掻き上げたトムが徐倫へ話しかけている。
「徐倫。重い」
「なッ、ちょっ、重くないわよ!」
「あと血だらけで酷い格好だ。見ろよ僕の服にまで血が付いた。あとで弁償しろよ」
「トム。怪我は無ぇかぁ?」
「大丈夫だよ父さ――父さんの方が酷い! 大丈夫なの!?」
抱えていた徐倫を降ろしたトムが素早く立ち上がって詰め寄ってきた。掴まれて気付いたが、腹部とは違って反転して人体の内側がむき出しになっていた肩が治っている。
血塗れで申し訳ないと思いながらもトムを抱きしめた。少し驚いたように戸惑ってから、トムの腕が背中へ回される。
暖かい。邪魔だったらしい髪が梳かれ、その手が止まった
「父さん……この『アザ』は?」
髪を梳きまとめたことで露わになった左肩、重力反転を受けた名残で服は破れていて素肌が晒け出されている。
そこにある『星形のアザ』に、徐倫だけではなく傍へ来た承太郎まで視線を向けた。