六部
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神父によって吹き飛ばされたアマネの身体は建物の壁へぶつかったらしく、そこで気絶していたらしい。何故気絶で済んでいるんだと殴られて裏返った筈の腹部を見ると、服が破れているだけで腹には何の傷もなかった。
左肩の反転は治っておらず、だが反転しきったように皮膚が破け筋肉や血管が一部むき出しになっている。気持ち悪いので見るのを止めて視線を違う場所へ向ければ、展示されていたシャトルが動いていた。
神父の声が聞こえる。承太郎の気配がする。とりあえず幻覚の鎖を伸ばしてシャトルを止めることにしたのは、神父がシャトルへ乗るのが見えたからだ。
だが止められなかった。当たり前と言えば当たり前で、一人で何馬力もあるシャトルの推進を止められる訳がない。むしろ止められたらアマネは人間どころか化け物の枠まで越えるのでは無かろうか。
そうして神父が光に包まれ、その光が辺り一帯へも広がって、アマネもその光から逃げることが出来ずに。
目を覚ますとまた倒れていた。
気絶していた建物の壁ではない。ちゃんとした地面の上だ。更に言えばすぐ傍へ人の気配がする。
「……ぅ」
「アマネ……?」
承太郎の声がし、近くにあった気配が動いて手を差し伸べてきた。出来るだけゆっくりと起き上がり、その手を見上げる。掴んで引き起こしてもらうと、どうやらここは敷地内にあるレストランのテラスのようだった。
近くのイスやテーブルではアナスイ達が倒れている。トムが徐倫を抱えたまま気を失っていて、この子も来たのかと思うと同時に駆け寄ろうとして足がもつれて転んだ。
受け身も取れないどころか顔面からいった。というよりも殆ど腕が動かなかったと言うべきか。
顔だけではなく胸元も打った衝撃で口の中に錆の味がせり上がってくる。その場に座り込んで口を押さえるも吐き出すのを抑えきれなかった。後ろから寄ってきた承太郎がその出血量に驚いているのが分かる。
「大丈夫か」
「……ウォレットチェーン。返してぇ」
「あ、ああ」
渡されたウォレットチェーンを腰へ付けた。もう記憶もスタンドも戻ってきた承太郎へそれは必要ない。
ウォレットチェーンを身に着けても体調が良くなりはしなかった。
座り込んだまま承太郎を見上げる。
「徐倫を守りきれなくて、ごめん」
「……。謝るのはこちらだ。すまなかった」
口の中へ血の味が残っていた。吐き捨てた血を眺める。
仮死状態からリハビリを経てとはいえ、承太郎はきっと満足のいく動きが出来まい。アマネはアマネで血を吐くしもう手に力も入らなかった。
互いにもうボロボロで笑えそうで、笑えない。
左肩の反転は治っておらず、だが反転しきったように皮膚が破け筋肉や血管が一部むき出しになっている。気持ち悪いので見るのを止めて視線を違う場所へ向ければ、展示されていたシャトルが動いていた。
神父の声が聞こえる。承太郎の気配がする。とりあえず幻覚の鎖を伸ばしてシャトルを止めることにしたのは、神父がシャトルへ乗るのが見えたからだ。
だが止められなかった。当たり前と言えば当たり前で、一人で何馬力もあるシャトルの推進を止められる訳がない。むしろ止められたらアマネは人間どころか化け物の枠まで越えるのでは無かろうか。
そうして神父が光に包まれ、その光が辺り一帯へも広がって、アマネもその光から逃げることが出来ずに。
目を覚ますとまた倒れていた。
気絶していた建物の壁ではない。ちゃんとした地面の上だ。更に言えばすぐ傍へ人の気配がする。
「……ぅ」
「アマネ……?」
承太郎の声がし、近くにあった気配が動いて手を差し伸べてきた。出来るだけゆっくりと起き上がり、その手を見上げる。掴んで引き起こしてもらうと、どうやらここは敷地内にあるレストランのテラスのようだった。
近くのイスやテーブルではアナスイ達が倒れている。トムが徐倫を抱えたまま気を失っていて、この子も来たのかと思うと同時に駆け寄ろうとして足がもつれて転んだ。
受け身も取れないどころか顔面からいった。というよりも殆ど腕が動かなかったと言うべきか。
顔だけではなく胸元も打った衝撃で口の中に錆の味がせり上がってくる。その場に座り込んで口を押さえるも吐き出すのを抑えきれなかった。後ろから寄ってきた承太郎がその出血量に驚いているのが分かる。
「大丈夫か」
「……ウォレットチェーン。返してぇ」
「あ、ああ」
渡されたウォレットチェーンを腰へ付けた。もう記憶もスタンドも戻ってきた承太郎へそれは必要ない。
ウォレットチェーンを身に着けても体調が良くなりはしなかった。
座り込んだまま承太郎を見上げる。
「徐倫を守りきれなくて、ごめん」
「……。謝るのはこちらだ。すまなかった」
口の中へ血の味が残っていた。吐き捨てた血を眺める。
仮死状態からリハビリを経てとはいえ、承太郎はきっと満足のいく動きが出来まい。アマネはアマネで血を吐くしもう手に力も入らなかった。
互いにもうボロボロで笑えそうで、笑えない。