六部
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徐倫視点
殴られた部位をメビウスの輪の様に巡らせることで裏返るのを防いだ。だが警備員の死体から銃を奪った神父によって撃たれた筈だった。
だが次の瞬間には神父の身体が殴り飛ばされ、徐倫は誰かに抱きかかえられていることに気付く。一瞬で変わった状況がすぐには理解できない。
「――全く。重力を操るなんてあんまり聞いたことがないよ」
神父を倒すか徐倫が死ぬかのような状況で、場違いな声が響く。殴り飛ばされた神父がひしゃげてガラスの割れたフレームへぶつかり、それが歪んだせいで抜け出せないでいる。
暖かい温もりがすぐ傍にあった。
「とはいえ重力に逆らうだけなら僕だって出来るさ。『魔法使い』を舐めるなよ」
「ホントに何なんだよアンタ」
エルメェスの声。徐倫を支える手に力が籠もるのに顔を向ける。
父が、いた。
徐倫を抱きかかえて父の承太郎が立っている。記憶もスタンドも持った父がだ。
重力で落ちないようにかエルメェスが壁へしがみついている。父の隣にはは暫く振りに見るトムが立っていた。その肩口から白蛇のナギニが顔を覗かせて徐倫を見ている。
外でアナスイとエンポリオもこちらへ来ていた。
「ついに囲まれたぞ、プッチ神父。三十六時間後に『完成した能力』が得られるなんてお前のただの幻想だ。もう終わりだよ! お前にはもう味方はいないし新月もお前のところには来ない!」
だが神父は絶望することなく、むしろ勝機を得たとばかりに笑う。
「違うなエンポリオ……。『運命』はやはりこのわたしに『試練』を与え『味方』してくれるようだ。わたしに力を貸してくれるのはそのジョースターの血統どもだった!」
フレームごと神父の身体が浮いていった。そのまま宙へ浮いて『新月のとき』と同じ『重力』の影響を受ける位置を探すという神父に、承太郎が抱いていた徐倫をトムへ渡す。
繋がれていた手。温かい手だ。
「成長したな……徐倫」
最後に指先を惜しむように握られて離れていく手。それが完全に離れたところでトムが徐倫を抱え直した。
フレームごと空へ浮いたプッチ神父はどんどん遠ざかっていく。承太郎がエルメェスに神父が徐倫を撃つのに使った後捨てた銃を拾って撃てと指示を出す。
ナギニが自身を絡めて槍の形になると、金属製のように硬化した。承太郎が後ろ手でそれをトムから受け取る。
エルメェスが銃を撃つ。次の瞬間にはエルメェスが撃った銃弾は神父のスタンドによって弾かれ、いつの間にか投げられたナギニが神父の首筋を掠った。
殴られた部位をメビウスの輪の様に巡らせることで裏返るのを防いだ。だが警備員の死体から銃を奪った神父によって撃たれた筈だった。
だが次の瞬間には神父の身体が殴り飛ばされ、徐倫は誰かに抱きかかえられていることに気付く。一瞬で変わった状況がすぐには理解できない。
「――全く。重力を操るなんてあんまり聞いたことがないよ」
神父を倒すか徐倫が死ぬかのような状況で、場違いな声が響く。殴り飛ばされた神父がひしゃげてガラスの割れたフレームへぶつかり、それが歪んだせいで抜け出せないでいる。
暖かい温もりがすぐ傍にあった。
「とはいえ重力に逆らうだけなら僕だって出来るさ。『魔法使い』を舐めるなよ」
「ホントに何なんだよアンタ」
エルメェスの声。徐倫を支える手に力が籠もるのに顔を向ける。
父が、いた。
徐倫を抱きかかえて父の承太郎が立っている。記憶もスタンドも持った父がだ。
重力で落ちないようにかエルメェスが壁へしがみついている。父の隣にはは暫く振りに見るトムが立っていた。その肩口から白蛇のナギニが顔を覗かせて徐倫を見ている。
外でアナスイとエンポリオもこちらへ来ていた。
「ついに囲まれたぞ、プッチ神父。三十六時間後に『完成した能力』が得られるなんてお前のただの幻想だ。もう終わりだよ! お前にはもう味方はいないし新月もお前のところには来ない!」
だが神父は絶望することなく、むしろ勝機を得たとばかりに笑う。
「違うなエンポリオ……。『運命』はやはりこのわたしに『試練』を与え『味方』してくれるようだ。わたしに力を貸してくれるのはそのジョースターの血統どもだった!」
フレームごと神父の身体が浮いていった。そのまま宙へ浮いて『新月のとき』と同じ『重力』の影響を受ける位置を探すという神父に、承太郎が抱いていた徐倫をトムへ渡す。
繋がれていた手。温かい手だ。
「成長したな……徐倫」
最後に指先を惜しむように握られて離れていく手。それが完全に離れたところでトムが徐倫を抱え直した。
フレームごと空へ浮いたプッチ神父はどんどん遠ざかっていく。承太郎がエルメェスに神父が徐倫を撃つのに使った後捨てた銃を拾って撃てと指示を出す。
ナギニが自身を絡めて槍の形になると、金属製のように硬化した。承太郎が後ろ手でそれをトムから受け取る。
エルメェスが銃を撃つ。次の瞬間にはエルメェスが撃った銃弾は神父のスタンドによって弾かれ、いつの間にか投げられたナギニが神父の首筋を掠った。