六部
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財団で働いていたのは何も承太郎へ協力する為だけではない。アマネが知らない『スタンド』という存在について知る為でもあったのだ。
「つまりだぁ。テメェは俺を『手』で触らなけりゃ『重力の反転』は起こせねぇ」
掴んだ腕を握り潰すのは、普段ならともかく今はもう無理の様だった。重力を『拒絶』しているだけでも体力を疲弊するというのに、スタンドの手に気を付けて戦わなければならない。
ここへ来るまでの疲労も蓄積している。意識して深呼吸を繰り返さなければ意識なんてすぐに吹っ飛びそうだった。
だがそれではいけない。
スタンドが動くのにその腕を放して距離を取る。意識が飛んだら、こうしてスタンドに合わせて立っていることも出来なくなるのだ。
「アマネッ!」
「こっちには来んじゃねぇぞぉ徐倫!」
徐倫達ではこのスタンドへ勝つのは難しい。重力を操れる相手に対し、重力をも『拒絶』出来るからアマネも戦えているのだ。
スタンドが動いてアマネを殴ろうとするのに避ける。外れた拳が地面のタイルへと向かい、重力の反転を受けたタイルが裏返しに反り返って跳ね上がってきた。
二つは避けられたが、一つが顔面へ向かってくる。それを『拒絶』して透過させた。
顔をタイルがすり抜けて空へと飛んでいく。驚いたような気配をスタンドから感じるも、一瞬とはいえ強引な『拒絶』にもう何度目になるのか分からない吐血の感覚を覚えた。
吐き出した血がボトボトと白衣や地面へと飛び散る。
「ッ――ふふッ、自滅で負けてりゃ世話ねぇなぁ」
思わず自嘲して口元の血を拭いながらスタンドを睨んだ。後ろのボックスを足場に徐倫達が叫んでいる。
全力は出せない。この状況で何が最善か。足止め、討伐、逃亡。
スタンドの拳が避けられなくて腕に喰らった。腕がメキメキと“裏返し”になっていく。痛みと衝撃で倒れながら、地面に触れて『第八の炎』でスタンドの真下の“地面の中”とを繋げ、そこから地面を“拒絶”しながらスタンドの足を掴んで引っ張る。
地面へと沈み込むスタンドの足。それを離せばスタンドの足は“拒絶”されなくなり、地面へとめり込む形で拘束される。
腕が痛い。血が出ているがそれはもう今更な話だ。白衣がどんどん赤黒く染まっていく。裏返しになっていない方の手を突いて立ち上がり、徐倫達の元へと走った。
スタンドだけの足を拘束しても仕方がない。本体を拘束しなければスタンドはただの具現化された精神体である以上、本体が一度出し入れすれば元通りだ。
ただ痛みだけはフィードバックする筈で、となればあのスタンドへアマネが与えた痛みはしっかりと神父に。
「徐倫! 本体を、神父を――」
目を見開く。アマネを見ている徐倫達のすぐ傍に神父がいた。
「つまりだぁ。テメェは俺を『手』で触らなけりゃ『重力の反転』は起こせねぇ」
掴んだ腕を握り潰すのは、普段ならともかく今はもう無理の様だった。重力を『拒絶』しているだけでも体力を疲弊するというのに、スタンドの手に気を付けて戦わなければならない。
ここへ来るまでの疲労も蓄積している。意識して深呼吸を繰り返さなければ意識なんてすぐに吹っ飛びそうだった。
だがそれではいけない。
スタンドが動くのにその腕を放して距離を取る。意識が飛んだら、こうしてスタンドに合わせて立っていることも出来なくなるのだ。
「アマネッ!」
「こっちには来んじゃねぇぞぉ徐倫!」
徐倫達ではこのスタンドへ勝つのは難しい。重力を操れる相手に対し、重力をも『拒絶』出来るからアマネも戦えているのだ。
スタンドが動いてアマネを殴ろうとするのに避ける。外れた拳が地面のタイルへと向かい、重力の反転を受けたタイルが裏返しに反り返って跳ね上がってきた。
二つは避けられたが、一つが顔面へ向かってくる。それを『拒絶』して透過させた。
顔をタイルがすり抜けて空へと飛んでいく。驚いたような気配をスタンドから感じるも、一瞬とはいえ強引な『拒絶』にもう何度目になるのか分からない吐血の感覚を覚えた。
吐き出した血がボトボトと白衣や地面へと飛び散る。
「ッ――ふふッ、自滅で負けてりゃ世話ねぇなぁ」
思わず自嘲して口元の血を拭いながらスタンドを睨んだ。後ろのボックスを足場に徐倫達が叫んでいる。
全力は出せない。この状況で何が最善か。足止め、討伐、逃亡。
スタンドの拳が避けられなくて腕に喰らった。腕がメキメキと“裏返し”になっていく。痛みと衝撃で倒れながら、地面に触れて『第八の炎』でスタンドの真下の“地面の中”とを繋げ、そこから地面を“拒絶”しながらスタンドの足を掴んで引っ張る。
地面へと沈み込むスタンドの足。それを離せばスタンドの足は“拒絶”されなくなり、地面へとめり込む形で拘束される。
腕が痛い。血が出ているがそれはもう今更な話だ。白衣がどんどん赤黒く染まっていく。裏返しになっていない方の手を突いて立ち上がり、徐倫達の元へと走った。
スタンドだけの足を拘束しても仕方がない。本体を拘束しなければスタンドはただの具現化された精神体である以上、本体が一度出し入れすれば元通りだ。
ただ痛みだけはフィードバックする筈で、となればあのスタンドへアマネが与えた痛みはしっかりと神父に。
「徐倫! 本体を、神父を――」
目を見開く。アマネを見ている徐倫達のすぐ傍に神父がいた。