六部
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深呼吸を二つ。それからチケット売場のボックスから飛び降り、正常に地面へと立っているスタンドへ対して構えをとる。
重力を最低限だけ『拒絶』した。それによってアマネはアマネが思うように立てるのである。スタンド能力でもペルソナによるものでもないそれは、かつての敵から見様見真似で覚えたものだった。
最低限だけ、という制約はこの能力を使うことで引き起こされる頭痛への対策である。これから神父とも対峙しなければならないだろうに、こんなところで倒れる訳にはいかないだろう。
重力を拒絶していない髪や着ている白衣の裾が地面に水平な重力へ従って揺れている。オークランド市内の病院で着てから、ずっと着たままだったことを今更ながら思い出した。
そうしてアナスイと投げ飛ばした徐倫達がいるボックスの前に移動して立ちはだかる。
アマネ達が足場にしていたボックスは、何故か塗装が先程のアマネの手のように剥げたり、鉄パイプが内側から反り返ったりしているようだった。それを見たエンポリオが叫ぶ。
「『重力』! これも『重力』だアマネさん! 地球もリンゴも万物には重力が働いていて、それは全て『重心』の方向に引っ張られている」
万有引力と地球の自転による遠心力の合力で、物体に重さを与える原因ともなっているのだったか。
「それがこの世の法則! だがコイツは重力の方向を狂わせて違う方向にするッ。だからアイツに攻撃された物の形は裏返しになって、全ての物はどこまでか知らないが水平に落ちていく」
「これがケープカナベラルの地に影響を受けた『新しい神父のスタンド』……もう記憶を操るホワイトスネイクの能力でもないし、緑色の赤ちゃんの無限に二分の一となっていくスタンドでもない」
深呼吸を、一つ。
「――安心しろぉ。それが分かりゃ俺には通用しねぇ」
スタンドがアマネへ向かって走ってくる。それに身を屈めてタイミングを合わせて前へと踏み込んだ。向かってくるスタンドの腕の軌道を逸らし、そのまま懐へ入り込んで鳩尾を殴る。
軌道を逸らした腕を掴んで強く引き寄せ、鳩尾を殴られた事もあって前屈みになるスタンドの顎へ膝を打ち込んだ。舌でも噛んだか口から血が流れ出る。
見えなくても今までに出会ったスタンド使いの戦い方は覚えていた。承太郎や仗助の様な、射程範囲の狭い近距離型にそれは多い。もしくは人型であったのかもしれないがそれらは拳で、『手』で触れることによってその能力を発揮するのだ。
重力を最低限だけ『拒絶』した。それによってアマネはアマネが思うように立てるのである。スタンド能力でもペルソナによるものでもないそれは、かつての敵から見様見真似で覚えたものだった。
最低限だけ、という制約はこの能力を使うことで引き起こされる頭痛への対策である。これから神父とも対峙しなければならないだろうに、こんなところで倒れる訳にはいかないだろう。
重力を拒絶していない髪や着ている白衣の裾が地面に水平な重力へ従って揺れている。オークランド市内の病院で着てから、ずっと着たままだったことを今更ながら思い出した。
そうしてアナスイと投げ飛ばした徐倫達がいるボックスの前に移動して立ちはだかる。
アマネ達が足場にしていたボックスは、何故か塗装が先程のアマネの手のように剥げたり、鉄パイプが内側から反り返ったりしているようだった。それを見たエンポリオが叫ぶ。
「『重力』! これも『重力』だアマネさん! 地球もリンゴも万物には重力が働いていて、それは全て『重心』の方向に引っ張られている」
万有引力と地球の自転による遠心力の合力で、物体に重さを与える原因ともなっているのだったか。
「それがこの世の法則! だがコイツは重力の方向を狂わせて違う方向にするッ。だからアイツに攻撃された物の形は裏返しになって、全ての物はどこまでか知らないが水平に落ちていく」
「これがケープカナベラルの地に影響を受けた『新しい神父のスタンド』……もう記憶を操るホワイトスネイクの能力でもないし、緑色の赤ちゃんの無限に二分の一となっていくスタンドでもない」
深呼吸を、一つ。
「――安心しろぉ。それが分かりゃ俺には通用しねぇ」
スタンドがアマネへ向かって走ってくる。それに身を屈めてタイミングを合わせて前へと踏み込んだ。向かってくるスタンドの腕の軌道を逸らし、そのまま懐へ入り込んで鳩尾を殴る。
軌道を逸らした腕を掴んで強く引き寄せ、鳩尾を殴られた事もあって前屈みになるスタンドの顎へ膝を打ち込んだ。舌でも噛んだか口から血が流れ出る。
見えなくても今までに出会ったスタンド使いの戦い方は覚えていた。承太郎や仗助の様な、射程範囲の狭い近距離型にそれは多い。もしくは人型であったのかもしれないがそれらは拳で、『手』で触れることによってその能力を発揮するのだ。