六部
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ケープ・カナベラルへ向かう車の中で目を覚ます。すぐ隣では徐倫が反対側へ座っているアナスイへもたれ掛かって眠っていた。アナスイが緊張して微動だにしていない。
アマネが気絶から意識を取り戻すとウェザーは死んでいた。アマネの意識がない間にやってきた神父を殺そうとして、けれども神父を殺せずに絶命したのだという。
徐倫達が駆けつけるも神父は逃げる直前で、ただウェザーが神父のスタンド能力を利用し、最期に自分のスタンドをDISCにして抜き出したものが唯一残されただけ。アマネが気絶なんてしていなければとも思うが、過ぎてしまったそれに悔いてもいられなかった。
『死んでいたオレを生き返らせてくれたものの為には命を懸けれる』
ウェザーの死を悲しむ徐倫へ告げたそのアナスイの言葉が、アマネにも染み入る。無性にトムへ会いたいと思えたのは、あの子が楔だからだろう。
車の外へエルメェスが鰐を見つけ、目を覚ました徐倫がアマネの上へ身を乗り出しそれに向かって何かを投げた。寝ていたのだから何も持っていなかったと思うのだが、徐倫の手からは確実に何かが飛んでいって鰐へ直撃する。
「徐倫? 今何投げたんだぁ?」
「え? わかんない」
「じょ、徐倫! 今何投げたあああああ」
アナスイが慌てて徐倫へ詰め寄った。彼へ寄りかかっていたし、もしかしたら徐倫が投げたのはアナスイの物だったのだろう。
ウェザーの時は泣かなかったというのに、今は涙まで流して何を投げたのかと徐倫へ追求している。窓の外で何かを投げつけられた鰐は走る車によって後方へ過ぎ去っていて、取りに戻るわけにもいかないだろう。
口を押さえて小さく咳き込む。相変わらず口の中は血の味しかしない。手を見れば小さく震えている。力も殆ど入らなくなっていた。
似た感覚を以前にも経験したことがある。ーー死期が近い。
窓辺に肘を突いて外を眺める。まだこの事を徐倫達へ悟られる訳にはいかないだろう。せめてトムに再会して何かを言うまでは隠していたい。
「……馬鹿な親をもったよなぁ。あの子も」
「何か言った?」
「アマネさん! 徐倫が、徐倫がああああ!」
「ウルセーよアナスイ!」
「ちょっとアナスイ暴れないでよ。運転トチっちゃうだろ!」
死期が近いからといって諦めるつもりは全く何一つ無かった。
まだ騒いでいる徐倫を持ち上げて膝へ座らせ、徐倫を支えるのとは逆の手でアナスイの頭を撫でる。
「はいはい。アナスイ君は後で一緒に拾いに行くか代わりを買いに行くのに付き合うから落ち着きなさい。徐倫もアナスイ君へ謝れぇ」
「ご、ごめんアナスイ」
「ううっ……」
アマネが気絶から意識を取り戻すとウェザーは死んでいた。アマネの意識がない間にやってきた神父を殺そうとして、けれども神父を殺せずに絶命したのだという。
徐倫達が駆けつけるも神父は逃げる直前で、ただウェザーが神父のスタンド能力を利用し、最期に自分のスタンドをDISCにして抜き出したものが唯一残されただけ。アマネが気絶なんてしていなければとも思うが、過ぎてしまったそれに悔いてもいられなかった。
『死んでいたオレを生き返らせてくれたものの為には命を懸けれる』
ウェザーの死を悲しむ徐倫へ告げたそのアナスイの言葉が、アマネにも染み入る。無性にトムへ会いたいと思えたのは、あの子が楔だからだろう。
車の外へエルメェスが鰐を見つけ、目を覚ました徐倫がアマネの上へ身を乗り出しそれに向かって何かを投げた。寝ていたのだから何も持っていなかったと思うのだが、徐倫の手からは確実に何かが飛んでいって鰐へ直撃する。
「徐倫? 今何投げたんだぁ?」
「え? わかんない」
「じょ、徐倫! 今何投げたあああああ」
アナスイが慌てて徐倫へ詰め寄った。彼へ寄りかかっていたし、もしかしたら徐倫が投げたのはアナスイの物だったのだろう。
ウェザーの時は泣かなかったというのに、今は涙まで流して何を投げたのかと徐倫へ追求している。窓の外で何かを投げつけられた鰐は走る車によって後方へ過ぎ去っていて、取りに戻るわけにもいかないだろう。
口を押さえて小さく咳き込む。相変わらず口の中は血の味しかしない。手を見れば小さく震えている。力も殆ど入らなくなっていた。
似た感覚を以前にも経験したことがある。ーー死期が近い。
窓辺に肘を突いて外を眺める。まだこの事を徐倫達へ悟られる訳にはいかないだろう。せめてトムに再会して何かを言うまでは隠していたい。
「……馬鹿な親をもったよなぁ。あの子も」
「何か言った?」
「アマネさん! 徐倫が、徐倫がああああ!」
「ウルセーよアナスイ!」
「ちょっとアナスイ暴れないでよ。運転トチっちゃうだろ!」
死期が近いからといって諦めるつもりは全く何一つ無かった。
まだ騒いでいる徐倫を持ち上げて膝へ座らせ、徐倫を支えるのとは逆の手でアナスイの頭を撫でる。
「はいはい。アナスイ君は後で一緒に拾いに行くか代わりを買いに行くのに付き合うから落ち着きなさい。徐倫もアナスイ君へ謝れぇ」
「ご、ごめんアナスイ」
「ううっ……」