六部
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病院内を入院患者が大勢いる病棟を受付へ向かう。気配がするのがそちらのほうだからだ。徐倫と神父だと思われる気配は逆方向で、どちらの気配も何故か今は動かずにいる。
だが思ったより変装に時間が掛かったらしく、徐倫達の気配がする方角が何やら騒がしい。やはり加勢に行くべきかと思ったところで、病院受付の待合室に『虹』が見えた。
「虹? ……アナスイ君!」
虹の向こうにアナスイの姿を見つける。その傍には懲罰房棟の湿地帯で見たウェザーが外へ向かって歩いていた。今度は神父の幻覚ではないらしい。
アマネに気付いたアナスイが振り返り、おそらくはアマネの格好へ驚いて足を止める。アナスイが足を止めてもウェザーは興味など無いとばかりにどんどん進んで行ってしまう。
「アマネさん!」
「君まで脱獄を? いや、彼は本物のウェザー・リポートかぁ?」
「徐倫を探しに来たんです。徐倫はどこです?」
「この奥に――いや、彼はどこへ行こうとしてんだぁ?」
病院の出口を抜けてウェザーが外へと出て行った。ガラス越しの外では晴れているというのに至るところで虹が出ている。
おかしいことは明白だが、その虹が一体何を意味しているのかまでは分からない。ともあれリキエルから聞いた『ウェザーは神父の実の弟』という話も気になって、アマネは仕方なく病院の外へ出たウェザーを追いかけることにした。徐倫とは彼と話をしてから合流すればいいだろう。
ウェザーを追いかけて外へ出るとウェザーは近くを歩いていた女性へ話しかけていた。神父を追いかけてきたのではと考えていたのか、女性へ話しかける姿はどう見てもナンパのそれである。
「……俺はウェザー君を神父の幻覚でしか見たことがねぇんだけど、実際の彼はあんな性格?」
「違う! さっきまでとはまるで別人になってるんだッ! アイツはあんな奴じゃあない!」
「さっきまでって、じゃあいつからぁ?」
「さっき、虹が出る前までです」
つまりあの虹を見たから性格が変貌した。もしくは性格が変貌したから虹を出した可能性もある。徐倫の味方であった以上彼もスタンド使いのはずだ。
アマネはウェザーのスタンドを聞いていない。
ウェザーがナンパした女性二人が、ベンチへ座ったウェザーの腕を掴んで痙攣している。その二人の間へぼんやりと人型の何かが放電しながら存在しているのが見えた。
目を眇めるとハッキリと見える。
「あれが、彼のスタンド?」
緑の赤ん坊へアマネの因子が入ったからか、だんだんとスタンドが見える様になっている様だった。だがそれについて考えている間もなく、アマネは座って痙攣の振動によるマッサージを受けているウェザーへと歩み寄って手を振りかぶる。
思った以上にデカい音がした。
だが思ったより変装に時間が掛かったらしく、徐倫達の気配がする方角が何やら騒がしい。やはり加勢に行くべきかと思ったところで、病院受付の待合室に『虹』が見えた。
「虹? ……アナスイ君!」
虹の向こうにアナスイの姿を見つける。その傍には懲罰房棟の湿地帯で見たウェザーが外へ向かって歩いていた。今度は神父の幻覚ではないらしい。
アマネに気付いたアナスイが振り返り、おそらくはアマネの格好へ驚いて足を止める。アナスイが足を止めてもウェザーは興味など無いとばかりにどんどん進んで行ってしまう。
「アマネさん!」
「君まで脱獄を? いや、彼は本物のウェザー・リポートかぁ?」
「徐倫を探しに来たんです。徐倫はどこです?」
「この奥に――いや、彼はどこへ行こうとしてんだぁ?」
病院の出口を抜けてウェザーが外へと出て行った。ガラス越しの外では晴れているというのに至るところで虹が出ている。
おかしいことは明白だが、その虹が一体何を意味しているのかまでは分からない。ともあれリキエルから聞いた『ウェザーは神父の実の弟』という話も気になって、アマネは仕方なく病院の外へ出たウェザーを追いかけることにした。徐倫とは彼と話をしてから合流すればいいだろう。
ウェザーを追いかけて外へ出るとウェザーは近くを歩いていた女性へ話しかけていた。神父を追いかけてきたのではと考えていたのか、女性へ話しかける姿はどう見てもナンパのそれである。
「……俺はウェザー君を神父の幻覚でしか見たことがねぇんだけど、実際の彼はあんな性格?」
「違う! さっきまでとはまるで別人になってるんだッ! アイツはあんな奴じゃあない!」
「さっきまでって、じゃあいつからぁ?」
「さっき、虹が出る前までです」
つまりあの虹を見たから性格が変貌した。もしくは性格が変貌したから虹を出した可能性もある。徐倫の味方であった以上彼もスタンド使いのはずだ。
アマネはウェザーのスタンドを聞いていない。
ウェザーがナンパした女性二人が、ベンチへ座ったウェザーの腕を掴んで痙攣している。その二人の間へぼんやりと人型の何かが放電しながら存在しているのが見えた。
目を眇めるとハッキリと見える。
「あれが、彼のスタンド?」
緑の赤ん坊へアマネの因子が入ったからか、だんだんとスタンドが見える様になっている様だった。だがそれについて考えている間もなく、アマネは座って痙攣の振動によるマッサージを受けているウェザーへと歩み寄って手を振りかぶる。
思った以上にデカい音がした。