六部
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徐倫とエルメェスが病院内へ神父を捜しに入っていくのに、一応神父側の追っ手を警戒してもらって病院の外で電話してもらうことにしたエンポリオとも別れ、アマネは神父とも徐倫とも違う気配に感覚を研ぎ澄まさせる。
外で感じた気配はどうやら病院へ入ったようだった。
神父の元へ向かっているのか徐倫達を追っているのか。これなら徐倫達と別行動しなかった方がいいなと考えたところで、アマネは医療スタッフのロッカールームへと忍び込んだ。
ロッカーをいくつか壊して勝手に開け、サイズの合いそうなシャツと白衣を見つける。血塗れになっている自分のシャツを脱いでゴミ箱へ捨てた。
探す気配が何者であれ、神父もその配下も流石に病院内の医者全員の顔は覚えていまい。血だらけで歩き回るよりは白衣を着ているだけでも随分誤魔化せる。
そう考えて拝借したシャツへ袖を通そうとしたところで、ふとロッカーの鏡へ映る自分の『左肩』へ視線が止まった。言葉も出せずにそれを見つめ、手を伸ばしてなぞる。
左肩に、覚えのない『星形のアザ』がある。
「……いつから……いや、あの『赤ん坊』だぁ」
懲罰房棟の外の湿地帯。緑色の赤ん坊が吐いたアマネの血を舐めようとしていたのを思い出した。
アマネの意識がある間はずっと阻止していたが、腹を貫かれて意識を失った後は定かではない。
おそらくあの時にアマネの血をあの赤ん坊が舐めたのだ。そして自身の中へと取り込んだ。
『DIO』の意志であった赤ん坊。それがアマネの血という因子を取り込み、神父へと吸収された。そう考えると神父の気配がアマネにも分かった事へ説明が出来る。
アマネの因子も、アレには入っているのだ。
不調の治まりが悪いのはアマネ自身だけではなく、神父や他の『星形のアザ』を持つ者達の調子までアマネへ流れ込んでいるから。血を吐いても吐いても止まらないのは自分一人分ではない苦痛に身体の方が参っているからだ。
「――くそったれぇ」
シャツを着て、病院内を闊歩するために白衣も失敬する。
ここへ来るまでに随分とボロボロになってしまったストールをそれでも丁寧に畳んだ。正直このストールは自分で買った既製品なのでさほど大切でも何でもない。ただ捨てられないだけである。
穴が開いたりどこかへ引っかけて解れてしまっていたり、もうストールというより襤褸布だ。畳んだそれへ顔を埋める。
脳裏に『彼』の姿を思い出す。
『孤独の中なのに星になりたいのか』
ストールを抱えて、変に思われない様に何食わぬ顔でスタッフルームを後にした。
外で感じた気配はどうやら病院へ入ったようだった。
神父の元へ向かっているのか徐倫達を追っているのか。これなら徐倫達と別行動しなかった方がいいなと考えたところで、アマネは医療スタッフのロッカールームへと忍び込んだ。
ロッカーをいくつか壊して勝手に開け、サイズの合いそうなシャツと白衣を見つける。血塗れになっている自分のシャツを脱いでゴミ箱へ捨てた。
探す気配が何者であれ、神父もその配下も流石に病院内の医者全員の顔は覚えていまい。血だらけで歩き回るよりは白衣を着ているだけでも随分誤魔化せる。
そう考えて拝借したシャツへ袖を通そうとしたところで、ふとロッカーの鏡へ映る自分の『左肩』へ視線が止まった。言葉も出せずにそれを見つめ、手を伸ばしてなぞる。
左肩に、覚えのない『星形のアザ』がある。
「……いつから……いや、あの『赤ん坊』だぁ」
懲罰房棟の外の湿地帯。緑色の赤ん坊が吐いたアマネの血を舐めようとしていたのを思い出した。
アマネの意識がある間はずっと阻止していたが、腹を貫かれて意識を失った後は定かではない。
おそらくあの時にアマネの血をあの赤ん坊が舐めたのだ。そして自身の中へと取り込んだ。
『DIO』の意志であった赤ん坊。それがアマネの血という因子を取り込み、神父へと吸収された。そう考えると神父の気配がアマネにも分かった事へ説明が出来る。
アマネの因子も、アレには入っているのだ。
不調の治まりが悪いのはアマネ自身だけではなく、神父や他の『星形のアザ』を持つ者達の調子までアマネへ流れ込んでいるから。血を吐いても吐いても止まらないのは自分一人分ではない苦痛に身体の方が参っているからだ。
「――くそったれぇ」
シャツを着て、病院内を闊歩するために白衣も失敬する。
ここへ来るまでに随分とボロボロになってしまったストールをそれでも丁寧に畳んだ。正直このストールは自分で買った既製品なのでさほど大切でも何でもない。ただ捨てられないだけである。
穴が開いたりどこかへ引っかけて解れてしまっていたり、もうストールというより襤褸布だ。畳んだそれへ顔を埋める。
脳裏に『彼』の姿を思い出す。
『孤独の中なのに星になりたいのか』
ストールを抱えて、変に思われない様に何食わぬ顔でスタッフルームを後にした。