六部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エルメェスも連れてグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所を脱獄して二時間。脱獄はアマネが掛けた幻覚で堂々と表から出させてもらった。
とはいえいつまでも拝借してきた護送車へ乗っている訳にはいかず、それなりに速度が出せて長距離を移動できる足が欲しいところである。目的地は神父が目指している『天国』へ関わるとされる『北緯二十八度二十四分西経八十度三十六分』の場所である、『ケープカナベラル・ケネディ・宇宙センター』だ。
普段のアマネなら意識せずとも数秒、むしろ数瞬で行くことが出来るだろう。だが今の絶不調なアマネでは刑務所からそこまで複数人で跳ぶのは危険極まりない作業だった。
よって申し出たところで、アマネよりも徐倫がそれを許さなかったのである。
「……人間の血液量をこの数日で吐ききった気がする」
「それを平然と言うアンタが怖えーわ」
「内臓出ねぇだけマシ――うっ」
「うわわわ! ホラ水飲め水!」
エルメェスから受け取ったボトルの水で口を濯ぐ。徐倫が足に心当たりがあると言って、刑務所から二時間ほどの距離にあった豪邸へと入っていって数分。
徐倫にこんな豪邸へ住める知り合いがいたのかと不思議に思ったが、よくよく考えると彼女は世界的不動産王の曾孫で世界的ミュージシャンの孫で世界的海洋冒険家の娘である。アマネよりは金に困らない生活だって環境によっては送れただろう。
親戚に当たるジョルノもギャングのボスだし、仗助以外はひたすら金と才能へ恵まれている家系である。
「っていうか、元カレの家ってのがなぁ」
「気になんの?」
「あの子が刑務所へ入る切っ掛けが元カレとのデート中だったって聞いてる。つまり罪を徐倫へ擦り付けた馬鹿の一人だぁ。俺は断固手を借りてぇとは思わねぇなぁ」
「そりゃそうだわ」
徐倫が元カレと話を付けたのか、鍵を持って戻ってきた。その鍵を受け取ったエンポリオと共に車が停められているのだろう駐車場へ向かうと、予想に反して駐車場には車だけではなくヘリまで置かれている。
個人所有かとアマネが唖然としている間に、エンポリオが興奮気味にそのヘリへと駆け寄って持っていた鍵が合うか確認していた。
「すごい! このヘリの鍵だ!」
興奮しているエンポリオの様子からして、あのヘリで移動することになるだろう。後ろから歩いてきた徐倫がアマネの背中へと抱きついてくる。
「徐倫?」
「……大好きよアマネ。アマネはあたしを裏切らないもの」
「ふふ、可愛い徐倫はいくつになっても甘えただなぁ」
後ろへ手を伸ばして徐倫を撫でた。
とはいえいつまでも拝借してきた護送車へ乗っている訳にはいかず、それなりに速度が出せて長距離を移動できる足が欲しいところである。目的地は神父が目指している『天国』へ関わるとされる『北緯二十八度二十四分西経八十度三十六分』の場所である、『ケープカナベラル・ケネディ・宇宙センター』だ。
普段のアマネなら意識せずとも数秒、むしろ数瞬で行くことが出来るだろう。だが今の絶不調なアマネでは刑務所からそこまで複数人で跳ぶのは危険極まりない作業だった。
よって申し出たところで、アマネよりも徐倫がそれを許さなかったのである。
「……人間の血液量をこの数日で吐ききった気がする」
「それを平然と言うアンタが怖えーわ」
「内臓出ねぇだけマシ――うっ」
「うわわわ! ホラ水飲め水!」
エルメェスから受け取ったボトルの水で口を濯ぐ。徐倫が足に心当たりがあると言って、刑務所から二時間ほどの距離にあった豪邸へと入っていって数分。
徐倫にこんな豪邸へ住める知り合いがいたのかと不思議に思ったが、よくよく考えると彼女は世界的不動産王の曾孫で世界的ミュージシャンの孫で世界的海洋冒険家の娘である。アマネよりは金に困らない生活だって環境によっては送れただろう。
親戚に当たるジョルノもギャングのボスだし、仗助以外はひたすら金と才能へ恵まれている家系である。
「っていうか、元カレの家ってのがなぁ」
「気になんの?」
「あの子が刑務所へ入る切っ掛けが元カレとのデート中だったって聞いてる。つまり罪を徐倫へ擦り付けた馬鹿の一人だぁ。俺は断固手を借りてぇとは思わねぇなぁ」
「そりゃそうだわ」
徐倫が元カレと話を付けたのか、鍵を持って戻ってきた。その鍵を受け取ったエンポリオと共に車が停められているのだろう駐車場へ向かうと、予想に反して駐車場には車だけではなくヘリまで置かれている。
個人所有かとアマネが唖然としている間に、エンポリオが興奮気味にそのヘリへと駆け寄って持っていた鍵が合うか確認していた。
「すごい! このヘリの鍵だ!」
興奮しているエンポリオの様子からして、あのヘリで移動することになるだろう。後ろから歩いてきた徐倫がアマネの背中へと抱きついてくる。
「徐倫?」
「……大好きよアマネ。アマネはあたしを裏切らないもの」
「ふふ、可愛い徐倫はいくつになっても甘えただなぁ」
後ろへ手を伸ばして徐倫を撫でた。