六部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……まぁ、多分貴女がこの子達を苦しめてるスタンド使いなんだろぉ。でもこの子達を、特に徐倫を傷つけることは許さねぇ」
「ウグッ――」
隙間から覗く女性看守は、旧型パソコンの画面へ映し出されている者だった。つまりこの少年はこの看守の事を徐倫へ伝えようとしていたのだろう。
何故か。簡単だ。敵だからだ。
幻覚の鎖を引き寄せ看守を完全に部屋の中へ引きずり込む。あの隙間がこの部屋の出入り口なのかどうかは分からないが、半身が外へ出たままよりはいいだろう。鎖で雁字搦めになっている看守へ歩み寄り、鎖の上から踏みつける。
「このまま素直にこの子達へ掛けたスタンド能力を解除するから、俺に操られるのとはどっちがいいか、選んでもいいぜぇ」
「グ、ぅ――う!」
「……そっか。俺に操られるのがいいかぁ。だよなぁ。操られて仕方なくっていう実績が生まれるもんなぁ」
口も塞がられているので、看守が何を言おうとしていたのかなど当然分からないしどうでもいい。しゃがんで看守に目線を合わせて目の前で指を鳴らす。
途端に意識を失った看守と入れ替わるように、後ろで三つの記憶を繰り返し騒いでいた二人が正気に戻ったようだった。
「アマネ!」
「今度こそ大丈夫かぁ? 懲罰房棟の外で神父にやられてから何があったぁ?」
「あれから二日は経ってるッ。父のDISCは取り返したわ! でも『神父』は刑務所の外へ逃げた。アイツは『天国へいく方法』を手に入れたのよ!」
「……DISCはどこにあるぅ」
『天国へ行く方法』の事も気にはなったが、アマネの優先事項は承太郎の記憶のDISCである。湿地で倒れてから二日も意識を失っていたというのは正直後手もいいところだ。
少年がおそるおそると言ったように差し出してきたDISCを受け取る。表面へ反射するように承太郎の姿が映るそのDISCに、アマネは思わず笑みを浮かべてしまった。そんな場合では無いというのに。
「――トム。空条の『DISC』だぁ。渡してくれぇ」
指を鳴らして灯した炎の輪の中へ話しかければ、伸ばされた手がDISCを受け取った。徐倫と少年が驚いているのを横目に輪の中を伺えば、DISCを持ったトムと目が合う。
「空条は?」
「急ピッチでリハビリ中。最低でもあと数時間は欲しいね。ただ承太郎さんの疲労の具合がおかしい。父さん何かしてる?」
「……。してるつもりはなかったが得心はいったよ。そのままウォレットチェーン着けさせておけぇ」
「後少ししたら迎えに行くって徐倫に伝えて」
その会話を最後に炎の輪を消し、徐倫を見れば徐倫は涙眼だった。
「ウグッ――」
隙間から覗く女性看守は、旧型パソコンの画面へ映し出されている者だった。つまりこの少年はこの看守の事を徐倫へ伝えようとしていたのだろう。
何故か。簡単だ。敵だからだ。
幻覚の鎖を引き寄せ看守を完全に部屋の中へ引きずり込む。あの隙間がこの部屋の出入り口なのかどうかは分からないが、半身が外へ出たままよりはいいだろう。鎖で雁字搦めになっている看守へ歩み寄り、鎖の上から踏みつける。
「このまま素直にこの子達へ掛けたスタンド能力を解除するから、俺に操られるのとはどっちがいいか、選んでもいいぜぇ」
「グ、ぅ――う!」
「……そっか。俺に操られるのがいいかぁ。だよなぁ。操られて仕方なくっていう実績が生まれるもんなぁ」
口も塞がられているので、看守が何を言おうとしていたのかなど当然分からないしどうでもいい。しゃがんで看守に目線を合わせて目の前で指を鳴らす。
途端に意識を失った看守と入れ替わるように、後ろで三つの記憶を繰り返し騒いでいた二人が正気に戻ったようだった。
「アマネ!」
「今度こそ大丈夫かぁ? 懲罰房棟の外で神父にやられてから何があったぁ?」
「あれから二日は経ってるッ。父のDISCは取り返したわ! でも『神父』は刑務所の外へ逃げた。アイツは『天国へいく方法』を手に入れたのよ!」
「……DISCはどこにあるぅ」
『天国へ行く方法』の事も気にはなったが、アマネの優先事項は承太郎の記憶のDISCである。湿地で倒れてから二日も意識を失っていたというのは正直後手もいいところだ。
少年がおそるおそると言ったように差し出してきたDISCを受け取る。表面へ反射するように承太郎の姿が映るそのDISCに、アマネは思わず笑みを浮かべてしまった。そんな場合では無いというのに。
「――トム。空条の『DISC』だぁ。渡してくれぇ」
指を鳴らして灯した炎の輪の中へ話しかければ、伸ばされた手がDISCを受け取った。徐倫と少年が驚いているのを横目に輪の中を伺えば、DISCを持ったトムと目が合う。
「空条は?」
「急ピッチでリハビリ中。最低でもあと数時間は欲しいね。ただ承太郎さんの疲労の具合がおかしい。父さん何かしてる?」
「……。してるつもりはなかったが得心はいったよ。そのままウォレットチェーン着けさせておけぇ」
「後少ししたら迎えに行くって徐倫に伝えて」
その会話を最後に炎の輪を消し、徐倫を見れば徐倫は涙眼だった。