六部
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神父視点
空条承太郎の記憶のDISCを瀕死状態のアナスイへ投げ入れ、徐倫をそちらへ向かわせることへ成功した。父のDISCを取り出そうと徐倫の意識がそちらへ向けられている間に、プッチは『DIO』の骨から生まれたものへと近づく。
承太郎の関係者だという男に抱きかかえられていた赤ん坊は、男の傷口から流れる血を舐め取っていた。最初は女かと思ったが、声と喋り方で男だと分かっている。
関係者である故か、男は『DIO』のことも知ってはいるようだった。どこまで何を知っているのかは分からないが、この赤ん坊が『天国へ行く方法』に必要であることまでは知らなかったらしい。
知っていたなら記憶を奪っておけばいいだけのことだが。
「承太郎の娘を救いにきたか。その愛は素晴らしいが哀れだな」
承太郎の名前へ反応するように、男の手がピクリと動いた気がした。だがつま先で蹴り飛ばすと意識もなく素直に仰向けになる。その腕の中で赤ん坊が身動いでいた。
「『らせん階段』『カブト虫』『廃墟の街』『イチジクのタルト』『カブト虫』『ドロローザへの道』『カブト虫』『特異点』『ジョット』『天使』『紫陽花』『カブト虫』『特異点』『秘密の皇帝』!」
承太郎の記憶から読みとった、DIOが書き記した日記の中の『十四の言葉』を唱える。こちらを振り向いてもいなかった赤ん坊がその言葉へ反応して振り返った。
右手から骨をえぐり出して赤ん坊へ差し出してみる。興味を示したように赤ん坊がプッチへと這い寄ってくるのに胸の内で歓喜がわき上がった。
「興味を示してくれたか? 君の方からわたしの方へ来てくれるのか? これで全ては幕を開けるの――!?」
赤ん坊がプッチの差し出した骨へ手を伸ばす寸前、違う腕がプッチの腕を掴んだ。
腕の持ち主は腹部へ穴が開いており、本来なら徐倫が駆け寄ったアナスイ達同様に動けないはずの男だった。はっきりと見開いてプッチを見上げる男の眼が、先程幻覚でウェザーになっていたときに見たのとは違う色をしている。
鈍い金色。
「――お前は天国へはいけない。天国の扉の前でコイツが武器を構えるからだ」
意識が無く、今にも死にそうであったはずなのに、やけに明瞭に男は告げる。
「コイツは扉を守る者『黄泉道守者』であり、コイツは最期まで扉を潜ることを許されぬ者『IBLIS』」
男が笑う。獰猛な笑みだ。
赤ん坊がプッチの腕へと食らいつく。その痛みに男から視線を逸らし、再び戻したときには既に男は眼を閉じていた。
空条承太郎の記憶のDISCを瀕死状態のアナスイへ投げ入れ、徐倫をそちらへ向かわせることへ成功した。父のDISCを取り出そうと徐倫の意識がそちらへ向けられている間に、プッチは『DIO』の骨から生まれたものへと近づく。
承太郎の関係者だという男に抱きかかえられていた赤ん坊は、男の傷口から流れる血を舐め取っていた。最初は女かと思ったが、声と喋り方で男だと分かっている。
関係者である故か、男は『DIO』のことも知ってはいるようだった。どこまで何を知っているのかは分からないが、この赤ん坊が『天国へ行く方法』に必要であることまでは知らなかったらしい。
知っていたなら記憶を奪っておけばいいだけのことだが。
「承太郎の娘を救いにきたか。その愛は素晴らしいが哀れだな」
承太郎の名前へ反応するように、男の手がピクリと動いた気がした。だがつま先で蹴り飛ばすと意識もなく素直に仰向けになる。その腕の中で赤ん坊が身動いでいた。
「『らせん階段』『カブト虫』『廃墟の街』『イチジクのタルト』『カブト虫』『ドロローザへの道』『カブト虫』『特異点』『ジョット』『天使』『紫陽花』『カブト虫』『特異点』『秘密の皇帝』!」
承太郎の記憶から読みとった、DIOが書き記した日記の中の『十四の言葉』を唱える。こちらを振り向いてもいなかった赤ん坊がその言葉へ反応して振り返った。
右手から骨をえぐり出して赤ん坊へ差し出してみる。興味を示したように赤ん坊がプッチへと這い寄ってくるのに胸の内で歓喜がわき上がった。
「興味を示してくれたか? 君の方からわたしの方へ来てくれるのか? これで全ては幕を開けるの――!?」
赤ん坊がプッチの差し出した骨へ手を伸ばす寸前、違う腕がプッチの腕を掴んだ。
腕の持ち主は腹部へ穴が開いており、本来なら徐倫が駆け寄ったアナスイ達同様に動けないはずの男だった。はっきりと見開いてプッチを見上げる男の眼が、先程幻覚でウェザーになっていたときに見たのとは違う色をしている。
鈍い金色。
「――お前は天国へはいけない。天国の扉の前でコイツが武器を構えるからだ」
意識が無く、今にも死にそうであったはずなのに、やけに明瞭に男は告げる。
「コイツは扉を守る者『黄泉道守者』であり、コイツは最期まで扉を潜ることを許されぬ者『IBLIS』」
男が笑う。獰猛な笑みだ。
赤ん坊がプッチの腕へと食らいつく。その痛みに男から視線を逸らし、再び戻したときには既に男は眼を閉じていた。