四部
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仗助視点
川を越えて数十メートルも歩くと、なだらかな岩場へ囲まれた地形に出る。岩場なだけあってあまり雑草もなく、しかしネズミなら隠れられる場所がたくさんあった。
「この辺でいいかなぁ」
「そうだな。この先はもう住宅地も近い」
二人だけで分かる会話をして、承太郎が仗助のことを引っ張って岩陰へと身を隠す。アマネは見晴らしのいい場所へ立ったまま周囲を見回していた。
あれではアマネだけがネズミに見つかり的になってしまう。
「アマネさんが危ないっすよ」
「いいんだ」
「いいんだって、承太郎さんねえ」
「言っただろう。あいつは囮だ」
鞄の中からベアリングではなく銃弾を取り出しながら承太郎は続ける。
「あいつは動物学者も真っ青な特殊な性質があってな。動植物をある程度操ることが出来る。スタンド能力じゃあないんだがネズミ一匹をあぶり出す程度なら余裕だ」
「つか、そもそもアマネさんってスタンド使いっすか?」
今まで気になっていたことを訪ねたのは、先ほど川の上を濡れることなくわったったのも理由の一つかも知れない。
アマネと手を繋ぐことで水の上を歩いた。それをスタンド能力だと思うにはそれ以前にあった出来事が引っかかる。ジョセフが渡航してきた日には彼は承太郎と億泰を船へと跳ばしていた。だがその前には仗助の怪我を治してもいたのだ。
それらはどう考えても一つの能力では説明出来ない。更に言うならさっきの農家で彼は『スタンドを出したのか』と叫んでいた。そんなことネズミを見れば一目瞭然だった筈だし、アマネの立っていた位置からそれが見えなかったとも思えない。
だとすればアマネにはスタンドが見えなかった。スタンドが見えないということになる。
けれどもスタンド使いなら他人のスタンドだって見える筈だ。
「気になるなら斑鳩へ直に聞け」
「教えてくれるんすか」
「そこまで責任はとれんな」
ベアリングより飛距離が伸びるからとライフルの弾を二発渡される。
岩場へ背中を預けてアマネの様子を伺った承太郎が仗助を見つめた。
「いいか。斑鳩に当たると思ってもチャンスがあったらそのままネズミを狙え。躊躇はするなよ」
「それじゃアマネさんが危なくねーすか?」
「大丈夫だ。当たらん」
言うなり仗助とは違う場所からネズミを探すのだろう承太郎が岩陰を出て行く。さっき仗助を庇った時にしっかり当たっているというのに当たらないなんてよく言い切れるなと思いながら、岩陰からネズミを探そうとして。
アマネが撃たれるのを目撃した。
川を越えて数十メートルも歩くと、なだらかな岩場へ囲まれた地形に出る。岩場なだけあってあまり雑草もなく、しかしネズミなら隠れられる場所がたくさんあった。
「この辺でいいかなぁ」
「そうだな。この先はもう住宅地も近い」
二人だけで分かる会話をして、承太郎が仗助のことを引っ張って岩陰へと身を隠す。アマネは見晴らしのいい場所へ立ったまま周囲を見回していた。
あれではアマネだけがネズミに見つかり的になってしまう。
「アマネさんが危ないっすよ」
「いいんだ」
「いいんだって、承太郎さんねえ」
「言っただろう。あいつは囮だ」
鞄の中からベアリングではなく銃弾を取り出しながら承太郎は続ける。
「あいつは動物学者も真っ青な特殊な性質があってな。動植物をある程度操ることが出来る。スタンド能力じゃあないんだがネズミ一匹をあぶり出す程度なら余裕だ」
「つか、そもそもアマネさんってスタンド使いっすか?」
今まで気になっていたことを訪ねたのは、先ほど川の上を濡れることなくわったったのも理由の一つかも知れない。
アマネと手を繋ぐことで水の上を歩いた。それをスタンド能力だと思うにはそれ以前にあった出来事が引っかかる。ジョセフが渡航してきた日には彼は承太郎と億泰を船へと跳ばしていた。だがその前には仗助の怪我を治してもいたのだ。
それらはどう考えても一つの能力では説明出来ない。更に言うならさっきの農家で彼は『スタンドを出したのか』と叫んでいた。そんなことネズミを見れば一目瞭然だった筈だし、アマネの立っていた位置からそれが見えなかったとも思えない。
だとすればアマネにはスタンドが見えなかった。スタンドが見えないということになる。
けれどもスタンド使いなら他人のスタンドだって見える筈だ。
「気になるなら斑鳩へ直に聞け」
「教えてくれるんすか」
「そこまで責任はとれんな」
ベアリングより飛距離が伸びるからとライフルの弾を二発渡される。
岩場へ背中を預けてアマネの様子を伺った承太郎が仗助を見つめた。
「いいか。斑鳩に当たると思ってもチャンスがあったらそのままネズミを狙え。躊躇はするなよ」
「それじゃアマネさんが危なくねーすか?」
「大丈夫だ。当たらん」
言うなり仗助とは違う場所からネズミを探すのだろう承太郎が岩陰を出て行く。さっき仗助を庇った時にしっかり当たっているというのに当たらないなんてよく言い切れるなと思いながら、岩陰からネズミを探そうとして。
アマネが撃たれるのを目撃した。