六部
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アマネとアナスイを片腕で串刺しにしたまま、ウェザーが反対の手でF・Fのいた辺りをなぎ払う。徐倫が呆然とそれを眺めるしか出来ておらず、アマネは咄嗟にアナスイを掴んで腹部の腕を“拒絶”した。
自然と支えを失ってアマネとアナスイは地面へ倒れ込むことになるが、腕が貫通したままであるよりはずっといい。落ちた衝撃で息が詰まり意識が飛びそうになる。
アマネだって腹に風穴が開いてしまっていた。呼吸出来ているのが不思議なくらいだったが、その激痛で逆に意識をハッキリと取り戻す。
ウェザーだと思っていた男を凝視する。何故今まで気付かなかったのかと思ったのは、アマネが幻覚に耐性があると考えていたからだろう。
だがよく考えれば、度重なる吐血や貧血症状で意識も視界も朦朧としているところがあった。言い訳にしかならないが警戒が足りなかったのだ。
倒れたアマネの腕の中で、赤ん坊がアマネの腹から流れ出ている血に触れている。土と混ざって泥のようになってもいるそれを楽しげに弄くりたおす姿は、本当に何も知らない赤ん坊のようだ。
碌に動くことも出来ない視界で徐倫が倒れるのが見えた。茂みに隠れていた神父服の男が姿を現す。
「間違いないッ! ついに出会えたなッ! 『天国へ行く方法!』」
この赤ん坊のことかと、せめて赤ん坊を簡単には奪われないように抱きしめた。それに気付いたらしい神父がアマネを見下ろす。
「空条承太郎の関係者か。DIOの事を知っていたようだが、何者だ?」
教えてやるべきか。そんな義理はないと拒否するべきか。いずれにせよ言葉を発するだけの気力が戻っていない。
腕の中で赤ん坊が身動ぎする。それにどうしてだか『エレボス』を抱きしめた時のことを思い出す。走馬燈か。
視界の端、神父の後ろで徐倫が立ち上がるのが見える。あの子を守る為に来たつもりだったが、今のところ足手まといにしかなっていないなと思うと笑えた。
赤ん坊がアマネの血で遊んでいる。この血を操って伸ばせたらなんて思ったが、流石にそんな真似が出来るとは思わない。そんな事が出来る者がいたら万年貧血だろう。
だから代わりに、血だらけの指を鳴らす。
「……F、エフ……アナ、ス、君……」
アナスイへ黄色い炎が灯った。F・Fの位置が分からない。
どこにいるのか分からなくて、助けられないのかと思う。指を鳴らした後の力の入らない手の上に、青いタロットカードが浮かぶ。
握りしめなければと思うのに手に力が入らない。
自然と支えを失ってアマネとアナスイは地面へ倒れ込むことになるが、腕が貫通したままであるよりはずっといい。落ちた衝撃で息が詰まり意識が飛びそうになる。
アマネだって腹に風穴が開いてしまっていた。呼吸出来ているのが不思議なくらいだったが、その激痛で逆に意識をハッキリと取り戻す。
ウェザーだと思っていた男を凝視する。何故今まで気付かなかったのかと思ったのは、アマネが幻覚に耐性があると考えていたからだろう。
だがよく考えれば、度重なる吐血や貧血症状で意識も視界も朦朧としているところがあった。言い訳にしかならないが警戒が足りなかったのだ。
倒れたアマネの腕の中で、赤ん坊がアマネの腹から流れ出ている血に触れている。土と混ざって泥のようになってもいるそれを楽しげに弄くりたおす姿は、本当に何も知らない赤ん坊のようだ。
碌に動くことも出来ない視界で徐倫が倒れるのが見えた。茂みに隠れていた神父服の男が姿を現す。
「間違いないッ! ついに出会えたなッ! 『天国へ行く方法!』」
この赤ん坊のことかと、せめて赤ん坊を簡単には奪われないように抱きしめた。それに気付いたらしい神父がアマネを見下ろす。
「空条承太郎の関係者か。DIOの事を知っていたようだが、何者だ?」
教えてやるべきか。そんな義理はないと拒否するべきか。いずれにせよ言葉を発するだけの気力が戻っていない。
腕の中で赤ん坊が身動ぎする。それにどうしてだか『エレボス』を抱きしめた時のことを思い出す。走馬燈か。
視界の端、神父の後ろで徐倫が立ち上がるのが見える。あの子を守る為に来たつもりだったが、今のところ足手まといにしかなっていないなと思うと笑えた。
赤ん坊がアマネの血で遊んでいる。この血を操って伸ばせたらなんて思ったが、流石にそんな真似が出来るとは思わない。そんな事が出来る者がいたら万年貧血だろう。
だから代わりに、血だらけの指を鳴らす。
「……F、エフ……アナ、ス、君……」
アナスイへ黄色い炎が灯った。F・Fの位置が分からない。
どこにいるのか分からなくて、助けられないのかと思う。指を鳴らした後の力の入らない手の上に、青いタロットカードが浮かぶ。
握りしめなければと思うのに手に力が入らない。