六部
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正確には『DIO』の因子を継いだ赤ん坊だ。何かしらの要因――この場合は『骨』か――を以てこの赤ん坊は『DIO』の因子を持ち合わせて存在している。二十年近く前に死んだ者。
転生とは違う。かといってジョルノの様に『DIOの息子』という訳でもない。いうなれば“これ”はクローンか。
赤ん坊と見えているのかどうかも分からない目が合う。途端に鳩尾辺りから血が食道を逆流してくる感覚に襲われた。赤ん坊を抱え直して顔を背け、茂みへそれを吐き出す。
「アマネさん!?」
「うぇ……だ、大丈夫だぁ」
「違う! そいつがスタンドを出してるッ」
アナスイが差してた方向を見やるが何も見えない。だが手を伸ばすと違和感を覚えたので多分いるのだろう。
赤ん坊がアマネの顎に残っていた吐血痕に手を伸ばしていた。手でそれに触れて、自分の口元へ持っていって舐めようとするのを慌てて阻止する。こんな謎の存在へアマネの血を与えられない。
阻止されたことで機嫌を悪くしたらしい赤ん坊に、また血がせり上がってくる。
「……この野郎。俺の血は母乳じゃねぇんだよ」
どうあってもアマネの血を飲みたいらしい。確かにアマネの血は“特殊”らしいが、赤ん坊が飲んでいいものではないだろう。絶対に。
懲罰房棟から広がってくる霧がすぐ傍にまで来ている。それに紛れて足音がする事に気付いたアナスイが、徐倫を引き寄せて身を隠すようにしゃがませた。アマネも赤ん坊を抱いたまま茂みへ隠れるように屈めば、懲罰房棟で別れたF・Fの声がする。
「無事かい? 徐倫? ホワイトスネイクの正体が分かった。『プッチ神父』だよ」
茂みをかき分けて“一人”の男がやってきた。だがF・Fの姿は見えない。
男が訝しげにアマネを見る。その男の足下で不自然に茂みが割れた。
つまりそこに見えない何かがいる。おそらくはF・Fか。その見えない何かへ向かって徐倫が駆け寄る。目を眇めてやっとボンヤリとそこにF・Fの輪郭が見えた。
「F・F!」
「あたしは大丈夫だって! 肉体を捨てただけだ」
ぼんやりとしか見えないF・Fの辺りから声がする。多分彼女はスタンドで喋っているのだろう。だからアマネには見えない。
「本体は『プッチ神父』だった。あとはヤツを追いつめるだけだ。勝利は見えたな」
『神父』ときいて、そういえばトムからここへ来る前に『神父に注意しろ』と言われていたのを思い出す。懲罰房棟へまで神父が来るとは思っていなかったので言わずにいたが、トムの忠告は正しかったらしい。
転生とは違う。かといってジョルノの様に『DIOの息子』という訳でもない。いうなれば“これ”はクローンか。
赤ん坊と見えているのかどうかも分からない目が合う。途端に鳩尾辺りから血が食道を逆流してくる感覚に襲われた。赤ん坊を抱え直して顔を背け、茂みへそれを吐き出す。
「アマネさん!?」
「うぇ……だ、大丈夫だぁ」
「違う! そいつがスタンドを出してるッ」
アナスイが差してた方向を見やるが何も見えない。だが手を伸ばすと違和感を覚えたので多分いるのだろう。
赤ん坊がアマネの顎に残っていた吐血痕に手を伸ばしていた。手でそれに触れて、自分の口元へ持っていって舐めようとするのを慌てて阻止する。こんな謎の存在へアマネの血を与えられない。
阻止されたことで機嫌を悪くしたらしい赤ん坊に、また血がせり上がってくる。
「……この野郎。俺の血は母乳じゃねぇんだよ」
どうあってもアマネの血を飲みたいらしい。確かにアマネの血は“特殊”らしいが、赤ん坊が飲んでいいものではないだろう。絶対に。
懲罰房棟から広がってくる霧がすぐ傍にまで来ている。それに紛れて足音がする事に気付いたアナスイが、徐倫を引き寄せて身を隠すようにしゃがませた。アマネも赤ん坊を抱いたまま茂みへ隠れるように屈めば、懲罰房棟で別れたF・Fの声がする。
「無事かい? 徐倫? ホワイトスネイクの正体が分かった。『プッチ神父』だよ」
茂みをかき分けて“一人”の男がやってきた。だがF・Fの姿は見えない。
男が訝しげにアマネを見る。その男の足下で不自然に茂みが割れた。
つまりそこに見えない何かがいる。おそらくはF・Fか。その見えない何かへ向かって徐倫が駆け寄る。目を眇めてやっとボンヤリとそこにF・Fの輪郭が見えた。
「F・F!」
「あたしは大丈夫だって! 肉体を捨てただけだ」
ぼんやりとしか見えないF・Fの辺りから声がする。多分彼女はスタンドで喋っているのだろう。だからアマネには見えない。
「本体は『プッチ神父』だった。あとはヤツを追いつめるだけだ。勝利は見えたな」
『神父』ときいて、そういえばトムからここへ来る前に『神父に注意しろ』と言われていたのを思い出す。懲罰房棟へまで神父が来るとは思っていなかったので言わずにいたが、トムの忠告は正しかったらしい。