六部
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徐倫視点
アマネがボートの上で立ち上がったかと思うと銃を取り出し、操舵席にいたスタンドへそれを向ける。スタンドが慌てた様子で横へ逃げるのに、アマネが眉間へ皺を寄せ周囲を見回した。
アマネにはスタンドが見えていないのだと思い出す。
「どうしたアマネさん」
アナスイが声を掛けるのに振り向いたアマネが、何かを言おうと口を開くが喋りはしない。銃を持つのとは反対の手で口を押さえるのにまた吐血するのかと慌てたが、そうではなかったらしくアマネがゆっくり口を押さえていた手を離してアナスイへと差し出してくる。
アナスイがその手を掴もうとすれば、それより先にアマネが動いてアナスイの手の上へ指先で何かを書いた。それを見たアナスイが振り返ってスタンドを睨む。
「徐倫。アマネさんとボートの先にいろ。攻撃されているッ」
二人がスタンドを睨んでいるのに徐倫はアマネへ飛びつくようにボートの上を移動した。徐倫を抱き留めたアマネが銃を離さないままスタンドから離れる。だがその眼はやはりスタンドの姿を捕らえていない。
本当に見えないのだと思うと同時に、よくも今まで見えないままにスタンド使いと関わってきたなと思った。徐倫もスタンド能力に目覚めずスタンドが見えないままであったなら、この刑務所の中であっても関わろうとは思わなかっただろう。
同時に、何がそんなにアマネを突き動かすのかも不思議に思った。
徐倫は父への思いだ。でもアマネは別に父の承太郎とは友人であるだけで命を懸けられるとは思えない。
口を押さえているアマネの視線の先で、アナスイが『ヨーヨーマッ』と名乗ったスタンドと戦っている。ヨーヨーマッの持ち物を全て出させ、攻撃方法が持ち物によるものではないと分かれば次の可能性を潰していく作戦のようだった。
ヨーヨーマッが出した持ち物のカエルがボートの上を跳ね回る。何だってこんなにカエルを持ち歩いているのか。
アマネの肩に掛けられていたストールへいつの間にかいくつも穴が開けられていた。ストールはそうでもないが『ストールを掛ける』という行為自体が大切なのだと聞いたことがある。
「……ぁ、あ――。アナスイ君。ソイツは唾液で攻撃している。飛沫にも気をつけなさい」
「こいつの攻撃方法が『何か』なんてどーでもいいんですよ。アマネさん……」
アナスイが振り返った。唾液が当たっていたのか、顔や腕に溶けた穴が開いてしまっている。
「コイツが完璧な自動追跡型スタンドというなら、コイツの頭の中へカエルを埋め込んでその『脳』を追跡センサーへ繋いだ」
ヨーヨーマッが徐倫やアナスイとは無関係な方向へカエルのように跳ねていく。
「カエルの気持ちになって一生追跡してきな!」
アマネがボートの上で立ち上がったかと思うと銃を取り出し、操舵席にいたスタンドへそれを向ける。スタンドが慌てた様子で横へ逃げるのに、アマネが眉間へ皺を寄せ周囲を見回した。
アマネにはスタンドが見えていないのだと思い出す。
「どうしたアマネさん」
アナスイが声を掛けるのに振り向いたアマネが、何かを言おうと口を開くが喋りはしない。銃を持つのとは反対の手で口を押さえるのにまた吐血するのかと慌てたが、そうではなかったらしくアマネがゆっくり口を押さえていた手を離してアナスイへと差し出してくる。
アナスイがその手を掴もうとすれば、それより先にアマネが動いてアナスイの手の上へ指先で何かを書いた。それを見たアナスイが振り返ってスタンドを睨む。
「徐倫。アマネさんとボートの先にいろ。攻撃されているッ」
二人がスタンドを睨んでいるのに徐倫はアマネへ飛びつくようにボートの上を移動した。徐倫を抱き留めたアマネが銃を離さないままスタンドから離れる。だがその眼はやはりスタンドの姿を捕らえていない。
本当に見えないのだと思うと同時に、よくも今まで見えないままにスタンド使いと関わってきたなと思った。徐倫もスタンド能力に目覚めずスタンドが見えないままであったなら、この刑務所の中であっても関わろうとは思わなかっただろう。
同時に、何がそんなにアマネを突き動かすのかも不思議に思った。
徐倫は父への思いだ。でもアマネは別に父の承太郎とは友人であるだけで命を懸けられるとは思えない。
口を押さえているアマネの視線の先で、アナスイが『ヨーヨーマッ』と名乗ったスタンドと戦っている。ヨーヨーマッの持ち物を全て出させ、攻撃方法が持ち物によるものではないと分かれば次の可能性を潰していく作戦のようだった。
ヨーヨーマッが出した持ち物のカエルがボートの上を跳ね回る。何だってこんなにカエルを持ち歩いているのか。
アマネの肩に掛けられていたストールへいつの間にかいくつも穴が開けられていた。ストールはそうでもないが『ストールを掛ける』という行為自体が大切なのだと聞いたことがある。
「……ぁ、あ――。アナスイ君。ソイツは唾液で攻撃している。飛沫にも気をつけなさい」
「こいつの攻撃方法が『何か』なんてどーでもいいんですよ。アマネさん……」
アナスイが振り返った。唾液が当たっていたのか、顔や腕に溶けた穴が開いてしまっている。
「コイツが完璧な自動追跡型スタンドというなら、コイツの頭の中へカエルを埋め込んでその『脳』を追跡センサーへ繋いだ」
ヨーヨーマッが徐倫やアナスイとは無関係な方向へカエルのように跳ねていく。
「カエルの気持ちになって一生追跡してきな!」