六部
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植物によって生成されているからか、それは緑色だった。周囲へ丸く入れ物の様な殻を形成し、そこから伸びる根が女性の子宮の中にいる赤ん坊の臍帯の様に繋がっている。産まれる直前の胎児のような形はしかし、植物へ実る形としては有り得ない。
まさかこれが周囲で生長した植物が作り出したかったものかと考えた瞬間、その“胎児”の様なモノが動いて徐倫とアマネを見た。大きめの頭部。蠢く手足。
左肩の部分へある、星の形の痣。
「――二人とも戻るんだァァァ! 足が他の根と一体化し始めているんだぞ!」
F・Fに言われて足下を見れば、アマネと徐倫の足へ他の死体から伸びてきた木の根が伸びて絡みついてきている。舌打ちして徐倫を肩へ担ぎ上げる寸前、手を伸ばした徐倫がその『実』を殻ごと拾い上げた。
「落とすなよぉ徐倫!」
「分かってる!」
「もっと奥だッ! もっと太陽と逆の方向へ進むんだ!」
差し込む日の光が当たらない場所へ逃げる。アマネと徐倫から伸びていた植物の生長が後退し小さくなるが、この懲罰房棟の出口は西側だ。
現在の時間を考えるとその出口を利用すれば確実に日の光を当たることになる。そうなればアマネと徐倫はその途端に生長した植物によって動けなくなるだろう。
「このクソ場所から脱出出来なくなる! しかも敵はここの何処かに少なくともあとひとりいるんだッ」
日の光の届かない場所へまで来て先頭を走っていたアナスイが歩調を緩める。ケンゾーが言っていたスタンド使いは四人。『骨』のことは数に入れないとしても、確かにあと一人残っている。
徐倫を肩から降ろして植物の生長具合を確かめた。日が当たっていないからか今は落ち着いている。だが肌に残っている以上油断は出来ない。
「脱出は俺に任せなさい。日の当たねぇ場所に出ればいいんだろぉ? ――?」
自分達とは違う人の気配に振り返る。物陰へ隠れたその気配に覗き込めば、まだ植物へ感染することも無かったらしい囚人が半泣きでソコにいた。
アマネを見て命乞いをするように手を組んでいる。だがこの懲罰房棟へいるのだからこの囚人もそれなりの悪党なのだろう。
「た、助けてくれ……あああ、オレも草になっちまう……」
仮に彼が敵のスタンド使いだとして、この植物の繁殖は想定外だったに違いない。むしろスタンド使いとして超能力に慣れていたから、この状況でここまで無事だったと考えるべきか。
いずれにせよ、アマネのことを見られてしまったので口止めしなければならない。
「あー……アナスイ君、ちょっといいかぁ?」
まさかこれが周囲で生長した植物が作り出したかったものかと考えた瞬間、その“胎児”の様なモノが動いて徐倫とアマネを見た。大きめの頭部。蠢く手足。
左肩の部分へある、星の形の痣。
「――二人とも戻るんだァァァ! 足が他の根と一体化し始めているんだぞ!」
F・Fに言われて足下を見れば、アマネと徐倫の足へ他の死体から伸びてきた木の根が伸びて絡みついてきている。舌打ちして徐倫を肩へ担ぎ上げる寸前、手を伸ばした徐倫がその『実』を殻ごと拾い上げた。
「落とすなよぉ徐倫!」
「分かってる!」
「もっと奥だッ! もっと太陽と逆の方向へ進むんだ!」
差し込む日の光が当たらない場所へ逃げる。アマネと徐倫から伸びていた植物の生長が後退し小さくなるが、この懲罰房棟の出口は西側だ。
現在の時間を考えるとその出口を利用すれば確実に日の光を当たることになる。そうなればアマネと徐倫はその途端に生長した植物によって動けなくなるだろう。
「このクソ場所から脱出出来なくなる! しかも敵はここの何処かに少なくともあとひとりいるんだッ」
日の光の届かない場所へまで来て先頭を走っていたアナスイが歩調を緩める。ケンゾーが言っていたスタンド使いは四人。『骨』のことは数に入れないとしても、確かにあと一人残っている。
徐倫を肩から降ろして植物の生長具合を確かめた。日が当たっていないからか今は落ち着いている。だが肌に残っている以上油断は出来ない。
「脱出は俺に任せなさい。日の当たねぇ場所に出ればいいんだろぉ? ――?」
自分達とは違う人の気配に振り返る。物陰へ隠れたその気配に覗き込めば、まだ植物へ感染することも無かったらしい囚人が半泣きでソコにいた。
アマネを見て命乞いをするように手を組んでいる。だがこの懲罰房棟へいるのだからこの囚人もそれなりの悪党なのだろう。
「た、助けてくれ……あああ、オレも草になっちまう……」
仮に彼が敵のスタンド使いだとして、この植物の繁殖は想定外だったに違いない。むしろスタンド使いとして超能力に慣れていたから、この状況でここまで無事だったと考えるべきか。
いずれにせよ、アマネのことを見られてしまったので口止めしなければならない。
「あー……アナスイ君、ちょっといいかぁ?」