六部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「アマネ! 芽がッ」
アマネの手から伸びる植物を見た徐倫達が驚いている。周囲に倒れている囚人達の身体から伸びる根とも蔦とつかないものが未だに生長を続けており、植物同士で互いに繋がろうとしているようだった。
そのうちの数本がアマネへも伸びてきている。
「種を持ったから感染したらしい。接触感染の様だから距離をとれぇ」
「そんな、アマネ――」
「待て空条徐倫!」
アマネへ近付こうとしていた徐倫をアナスイが呼び止めた。正しい行動である。
「アナスイ君の言うことを聞きなさい徐倫。アナスイ君、徐倫を頼むぜぇ」
伸びてくる木の根を避けながら囚人の植物の間を進む。あまり生長していない一本の植物へと近付いて手を伸ばした。もう感染してしまっているので、根で捕まって繋がらなければ触れても問題はないだろうと判断しての行動である。
植物はどう見ても植物だ。勝手に動いて急速に生長を続けていることや人の身体を媒体にしていることを除けば、特に異常ということはない。
いや、動いている時点で異常か。
軽くて固い物が転がる音で振り返ると、小男が握っていたのだろう骨が転がっている。
「『骨』だッ! あそこにあるヤツ! 転がってく!」
木の根の生長にぶつかって転がったのだろう『骨』に徐倫が勢いよく駆け寄ろうとした。その身体から一気にアマネの手に生えているものと同じ植物が生長する。
「徐倫!」
「感染しているぞッ! 徐倫――ッ! 《ダイバー・ダウン》!」
アナスイが怒鳴ると同時に徐倫の身体から生えていた植物が内側から取り除かれた。とはいえ全てが引っこ抜かれた訳ではなく、まだ徐倫の肌には植物の芽が残っている。
この植物は感染者の身体を変化させて生長していた。痛みはないが一体化しているので全てを引き抜こうとするのも良くはない。アマネが手に生えた芽を引き抜かなかった理由もそこへある。
アナスイが徐倫の顔から生えていた植物へ顔を近付けてくわえた。その頭を思わずわし掴む。
「ぐっ……」
「女性の顔から生えてる植物を許可無くくわえるもんじゃねぇ」
ギリギリと手に力を入れていけば、アナスイはこんな状況だというのに少しだけ残念そうに口を離した。その二人を日陰へと押しやる。
徐倫を助ける為の行動だとしても、まだ付き合ってすらいないのならそんなことはするべきではない。仮にアマネがスルーしたことを、後で承太郎へ知られて何か言われても困るし、アマネとしても小さい頃から知っている少女に無体を働かれて黙ってはいられなかった。
アマネの手から伸びる植物を見た徐倫達が驚いている。周囲に倒れている囚人達の身体から伸びる根とも蔦とつかないものが未だに生長を続けており、植物同士で互いに繋がろうとしているようだった。
そのうちの数本がアマネへも伸びてきている。
「種を持ったから感染したらしい。接触感染の様だから距離をとれぇ」
「そんな、アマネ――」
「待て空条徐倫!」
アマネへ近付こうとしていた徐倫をアナスイが呼び止めた。正しい行動である。
「アナスイ君の言うことを聞きなさい徐倫。アナスイ君、徐倫を頼むぜぇ」
伸びてくる木の根を避けながら囚人の植物の間を進む。あまり生長していない一本の植物へと近付いて手を伸ばした。もう感染してしまっているので、根で捕まって繋がらなければ触れても問題はないだろうと判断しての行動である。
植物はどう見ても植物だ。勝手に動いて急速に生長を続けていることや人の身体を媒体にしていることを除けば、特に異常ということはない。
いや、動いている時点で異常か。
軽くて固い物が転がる音で振り返ると、小男が握っていたのだろう骨が転がっている。
「『骨』だッ! あそこにあるヤツ! 転がってく!」
木の根の生長にぶつかって転がったのだろう『骨』に徐倫が勢いよく駆け寄ろうとした。その身体から一気にアマネの手に生えているものと同じ植物が生長する。
「徐倫!」
「感染しているぞッ! 徐倫――ッ! 《ダイバー・ダウン》!」
アナスイが怒鳴ると同時に徐倫の身体から生えていた植物が内側から取り除かれた。とはいえ全てが引っこ抜かれた訳ではなく、まだ徐倫の肌には植物の芽が残っている。
この植物は感染者の身体を変化させて生長していた。痛みはないが一体化しているので全てを引き抜こうとするのも良くはない。アマネが手に生えた芽を引き抜かなかった理由もそこへある。
アナスイが徐倫の顔から生えていた植物へ顔を近付けてくわえた。その頭を思わずわし掴む。
「ぐっ……」
「女性の顔から生えてる植物を許可無くくわえるもんじゃねぇ」
ギリギリと手に力を入れていけば、アナスイはこんな状況だというのに少しだけ残念そうに口を離した。その二人を日陰へと押しやる。
徐倫を助ける為の行動だとしても、まだ付き合ってすらいないのならそんなことはするべきではない。仮にアマネがスルーしたことを、後で承太郎へ知られて何か言われても困るし、アマネとしても小さい頃から知っている少女に無体を働かれて黙ってはいられなかった。