六部
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「なあ」
「んぁ?」
「徐倫とはどんな関係なんだ」
アナスイが小声で尋ねてくるのに階段を昇りながら首を傾げる。数段上を行く徐倫は聞こえなかったらしい。
「どんな関係も何も、知り合いのオッサン?」
「それにしては馴れ馴れしいな。さっきも抱きつかれていただろう。羨ましい」
なんだか最後に堂々とスゴいことを言われた気がする。
「羨ましいっていうか、うん。小さい頃からスキンシップでハグとかは結構してたかも知れねぇ。でも別にやましい考えは無ぇよ?」
「つまり彼女は誰にでもハグをすると言うんだな?」
「家族同然ならするって言いなさい。徐倫を痴女みてぇに言うなぁ」
「家族……。なるほど家族か。いい言葉だ」
しみじみと頷くアナスイに、彼も家族愛的なモノと縁が薄いのかと思った。こんな刑務所へ入っているくらいなのだから彼も犯罪者だろうが、犯罪者の家族というものは時に罪を犯した身内にも嫌悪する。むしろ支えようとする者の方が少ないのではと思う。
アマネはもう自分自身が犯罪に禁忌を抱かないので、相手がギャングだろうが殺人鬼だろうが人柄が良ければ気にしないが、人が誰しもそうだとは限らない。徐倫を羨ましがっていたのはそういうことだろうかと思い、少し考えてアナスイの頭へ手を伸ばした。
「ッ!? なんだ!」
「徐倫の仲間なら俺が甘やかしてもいいかなぁって思ってぇ? あの子は空条のせいでちょっと男性不信なところがあるけど、仲良くしてあげてくれなぁ」
「当然だ。オレは彼女を愛している」
撫でていた手が止まる。ついでに思考も一瞬止まった。どうやら考えていた以上に彼は徐倫へ好意を抱いているらしい。
徐倫はそれを知っているのかどうか。徐倫の保護者も同然なアマネへ堂々と言えるところはアナスイも度胸があるなと思えた。承太郎にこの事を教えるべきか迷う。
トムにも言えることだが徐倫がそれを受け入れるというのならアマネは祝福するが、承太郎がどう思うのかは分からない。
「……空条に殴られたら、怪我は治してやるからなぁ」
そう言うのが正しいのかどうかも分からなかった。
先で階段を上がっていた徐倫が唐突に上を振り仰ぎ、仰け反って倒れそうになる。慌てて手を伸ばすアマネの横でアナスイも同じように手を伸ばした。
しかしアマネ達の心配は杞憂に終わり、徐倫はスタンド能力を使っているのだろうがアマネから見ると宙に浮きながら叫ぶ。
「『小男』だわッ! 『小男』がいたッ! 上階からアタシ達をのぞいてたッ!」
「んぁ?」
「徐倫とはどんな関係なんだ」
アナスイが小声で尋ねてくるのに階段を昇りながら首を傾げる。数段上を行く徐倫は聞こえなかったらしい。
「どんな関係も何も、知り合いのオッサン?」
「それにしては馴れ馴れしいな。さっきも抱きつかれていただろう。羨ましい」
なんだか最後に堂々とスゴいことを言われた気がする。
「羨ましいっていうか、うん。小さい頃からスキンシップでハグとかは結構してたかも知れねぇ。でも別にやましい考えは無ぇよ?」
「つまり彼女は誰にでもハグをすると言うんだな?」
「家族同然ならするって言いなさい。徐倫を痴女みてぇに言うなぁ」
「家族……。なるほど家族か。いい言葉だ」
しみじみと頷くアナスイに、彼も家族愛的なモノと縁が薄いのかと思った。こんな刑務所へ入っているくらいなのだから彼も犯罪者だろうが、犯罪者の家族というものは時に罪を犯した身内にも嫌悪する。むしろ支えようとする者の方が少ないのではと思う。
アマネはもう自分自身が犯罪に禁忌を抱かないので、相手がギャングだろうが殺人鬼だろうが人柄が良ければ気にしないが、人が誰しもそうだとは限らない。徐倫を羨ましがっていたのはそういうことだろうかと思い、少し考えてアナスイの頭へ手を伸ばした。
「ッ!? なんだ!」
「徐倫の仲間なら俺が甘やかしてもいいかなぁって思ってぇ? あの子は空条のせいでちょっと男性不信なところがあるけど、仲良くしてあげてくれなぁ」
「当然だ。オレは彼女を愛している」
撫でていた手が止まる。ついでに思考も一瞬止まった。どうやら考えていた以上に彼は徐倫へ好意を抱いているらしい。
徐倫はそれを知っているのかどうか。徐倫の保護者も同然なアマネへ堂々と言えるところはアナスイも度胸があるなと思えた。承太郎にこの事を教えるべきか迷う。
トムにも言えることだが徐倫がそれを受け入れるというのならアマネは祝福するが、承太郎がどう思うのかは分からない。
「……空条に殴られたら、怪我は治してやるからなぁ」
そう言うのが正しいのかどうかも分からなかった。
先で階段を上がっていた徐倫が唐突に上を振り仰ぎ、仰け反って倒れそうになる。慌てて手を伸ばすアマネの横でアナスイも同じように手を伸ばした。
しかしアマネ達の心配は杞憂に終わり、徐倫はスタンド能力を使っているのだろうがアマネから見ると宙に浮きながら叫ぶ。
「『小男』だわッ! 『小男』がいたッ! 上階からアタシ達をのぞいてたッ!」