四部
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横目で見やれば承太郎は案の定奥の部屋へ進んでしまっている。ポケットへ手を突っ込んでベアリングを握ったところで、ネズミが肉片をくわえたまま冷蔵庫から出てきた。その時にネズミがぶつかったのか、細く開いていた冷蔵庫の扉が更に開き中の様子が窺えるようになる。
冷蔵庫の中には、この家の住人か肉が溶かされ滅茶苦茶に合体させられた老夫婦が入っていた。アマネ達に視線を向けて呻いてくることを見ると、まだ生きている。
ネズミと目が合った。
「仗助君。ベアリング持てぇ」
「う、うす」
「俺が囮になるからそれを撃ち込みなさい。ゆっくり左へ移動して。出来るだけ音は立てねぇように」
アマネと仗助のいる位置ではテーブルが邪魔だ。ならばアマネにネズミの目を引きつけさせておいて、仗助に撃ってもらう方が確実だろう。
ネズミはくわえていた肉片をかじりながらアマネを見つめていた。あの肉片もおそらくは冷蔵庫の中へ閉じこめられていた老夫婦のそれだろう。いくら雑食だからといって、生きている人間の肉は流石に不味いのではと思った。
おすすめは赤ん坊のような若い肉だ。
物凄いどうでもいいことを考えながらネズミの意識を自分へと向けさせ続ける。だが仗助が三歩目を踏み出したところで動きを止めた。
逃げる寸前に仗助の飛ばしたベアリングがネズミへと命中する。しかしそれは致命傷にはならなかったようで、ネズミが血を流しながら悲鳴をあげた。
「これがコイツのスタンドかぁ!」
「スタンド出したのかぁ!?」
「えっ?」
見えないスタンドに聞いたのが悪かった。驚いてアマネを振り返った仗助にネズミがテーブルの陰へと逃げ込もうとする。
咄嗟にテーブルを蹴り飛ばすもネズミはテーブルに巻き込まれて転がった椅子の陰へと身を滑り込ませた。
「あっヤベ!見失っちまった!」
「椅子の陰ぇ!」
「ハイッ――!?」
仗助がネズミを見つけると同時に身を仰け反らせる。咄嗟にネズミと仗助の間へ手を伸ばせば、ネズミのいる辺りから飛んできた何かがアマネの手へと突き刺さり、アマネの手が溶けだした。
用水路の排水口で見たネズミの死骸の塊や、冷蔵庫の老夫婦に似た溶け方にこれがこのネズミのスタンドか理解する。
「アマネさん!」
「ネズミぃいい!」
ベアリングがネズミを射抜く。流石に腹部を貫通しては生きていられなかったらしく、ネズミが椅子の陰で絶命して転がった。
何かが刺さって溶けだした手は地味に痛い。だが泣き叫ぶほどではないそれに、本当に溶かすだけなのだなと思う。
「大丈夫っすか!?」
「大丈夫。ちょっと溶けただけだぁ」
「普通は溶けたらちょっとなんて言えないっすよね」
冷蔵庫の中には、この家の住人か肉が溶かされ滅茶苦茶に合体させられた老夫婦が入っていた。アマネ達に視線を向けて呻いてくることを見ると、まだ生きている。
ネズミと目が合った。
「仗助君。ベアリング持てぇ」
「う、うす」
「俺が囮になるからそれを撃ち込みなさい。ゆっくり左へ移動して。出来るだけ音は立てねぇように」
アマネと仗助のいる位置ではテーブルが邪魔だ。ならばアマネにネズミの目を引きつけさせておいて、仗助に撃ってもらう方が確実だろう。
ネズミはくわえていた肉片をかじりながらアマネを見つめていた。あの肉片もおそらくは冷蔵庫の中へ閉じこめられていた老夫婦のそれだろう。いくら雑食だからといって、生きている人間の肉は流石に不味いのではと思った。
おすすめは赤ん坊のような若い肉だ。
物凄いどうでもいいことを考えながらネズミの意識を自分へと向けさせ続ける。だが仗助が三歩目を踏み出したところで動きを止めた。
逃げる寸前に仗助の飛ばしたベアリングがネズミへと命中する。しかしそれは致命傷にはならなかったようで、ネズミが血を流しながら悲鳴をあげた。
「これがコイツのスタンドかぁ!」
「スタンド出したのかぁ!?」
「えっ?」
見えないスタンドに聞いたのが悪かった。驚いてアマネを振り返った仗助にネズミがテーブルの陰へと逃げ込もうとする。
咄嗟にテーブルを蹴り飛ばすもネズミはテーブルに巻き込まれて転がった椅子の陰へと身を滑り込ませた。
「あっヤベ!見失っちまった!」
「椅子の陰ぇ!」
「ハイッ――!?」
仗助がネズミを見つけると同時に身を仰け反らせる。咄嗟にネズミと仗助の間へ手を伸ばせば、ネズミのいる辺りから飛んできた何かがアマネの手へと突き刺さり、アマネの手が溶けだした。
用水路の排水口で見たネズミの死骸の塊や、冷蔵庫の老夫婦に似た溶け方にこれがこのネズミのスタンドか理解する。
「アマネさん!」
「ネズミぃいい!」
ベアリングがネズミを射抜く。流石に腹部を貫通しては生きていられなかったらしく、ネズミが椅子の陰で絶命して転がった。
何かが刺さって溶けだした手は地味に痛い。だが泣き叫ぶほどではないそれに、本当に溶かすだけなのだなと思う。
「大丈夫っすか!?」
「大丈夫。ちょっと溶けただけだぁ」
「普通は溶けたらちょっとなんて言えないっすよね」