六部
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「わしの名前は『ケンゾー』年齢七十八歳。健康の秘訣は睡眠八時間半と毎朝の尿療法。肝心なのは続けること。知ってるかの? 尿療法」
「……俺の名前は斑鳩アマネ。年齢四十一歳。健康の秘訣は特に無ぇけど、絶対に食いたくねぇ物は蠢く卵焼き。知ってるかぁ? アレって口の中に入れても動き続けるんだぜぇ」
左手のナイフを弄びながらケンゾーと名乗った老人へ訪ねる。ケンゾーという名前の響きからして東洋人なのだろう。
アマネの背後には怪我だらけの徐倫がいる。あの怪我では彼女をこの老人と戦わせる訳にはいかない。だからここはアマネが戦うべきだ。
ケンゾーは先ほど自身を含めて『四人のスタンド使い』と言っていた。つまりこの懲罰房棟へはこのケンゾーを含め四人のスタンド使いがいる。そのウチの一人がケンゾーがアマネと対峙したことでこっそりと壁際へ動いた男だとして、あと二人いるはずだ。
一人はこの房棟で看守を操って囚人達でファイトクラブを開催させたであろう者。もう一人が分からない。
「悪ぃ。ちょっと考えてあと一人が分かんねぇんだけど」
「アタシが倒した看守じゃない?」
「あ、なるほどぉ。ソコに隠れてる子が『四人目』だと思ってたぁ」
指差した囚人の身体の陰から何者かが飛び出してくる。後ろへ下がって徐倫を庇ったところでしかし、飛び出してきた何者かはアマネではなくケンゾーへと向けて攻撃した。
「F・Fぅ――!」
徐倫の知り合いだったのか叫ぶ徐倫を気にせずF・Fと呼ばれた少女がケンゾーへ向かって銃を撃つものの、その銃弾は全て少女が飛び出す際にぶつかってバウンドしていた死体によってケンゾーへは当たらない。
ケンゾーから距離をとってアマネ達の傍へ着地する。
「徐倫。この子は君の知り合いかぁ?」
「誰アンタ」
「F・Fよ。F・F、こっちはアマネ」
「徐倫の知り合い? じゃあ仲間ってコト?」
「刑務所でも友達が作れるなんて徐倫は流石だなぁ。F・F、でいいのかなぁ? ちょっとの間徐倫を頼むぜぇ」
「え、ちょっ――っていうか男?」
驚いているF・Fへヒラヒラと手を振って前へ進み出た。階段を更に知らぬ男が登ってくるのを横目で見やって警戒しつつ、不敵な笑みを浮かべてアマネを見ているケンゾーへ歩み寄る。
「結論から言おう。この囚人どもは溺れたのじゃ。わしが『溺れ』させたから身体がブヨブヨに膨らんでいる」
両手で器を支えるような形を作り、拳法の足裁きのようにつま先へ重心を掛けているようだった。おそらくは何かしらの構えなのだろう。最近はスタンド使いも色々考えて戦うので、このケンゾーという男も拳法使いの類か。ただ何の拳法なのか全く分からない。
「……俺の名前は斑鳩アマネ。年齢四十一歳。健康の秘訣は特に無ぇけど、絶対に食いたくねぇ物は蠢く卵焼き。知ってるかぁ? アレって口の中に入れても動き続けるんだぜぇ」
左手のナイフを弄びながらケンゾーと名乗った老人へ訪ねる。ケンゾーという名前の響きからして東洋人なのだろう。
アマネの背後には怪我だらけの徐倫がいる。あの怪我では彼女をこの老人と戦わせる訳にはいかない。だからここはアマネが戦うべきだ。
ケンゾーは先ほど自身を含めて『四人のスタンド使い』と言っていた。つまりこの懲罰房棟へはこのケンゾーを含め四人のスタンド使いがいる。そのウチの一人がケンゾーがアマネと対峙したことでこっそりと壁際へ動いた男だとして、あと二人いるはずだ。
一人はこの房棟で看守を操って囚人達でファイトクラブを開催させたであろう者。もう一人が分からない。
「悪ぃ。ちょっと考えてあと一人が分かんねぇんだけど」
「アタシが倒した看守じゃない?」
「あ、なるほどぉ。ソコに隠れてる子が『四人目』だと思ってたぁ」
指差した囚人の身体の陰から何者かが飛び出してくる。後ろへ下がって徐倫を庇ったところでしかし、飛び出してきた何者かはアマネではなくケンゾーへと向けて攻撃した。
「F・Fぅ――!」
徐倫の知り合いだったのか叫ぶ徐倫を気にせずF・Fと呼ばれた少女がケンゾーへ向かって銃を撃つものの、その銃弾は全て少女が飛び出す際にぶつかってバウンドしていた死体によってケンゾーへは当たらない。
ケンゾーから距離をとってアマネ達の傍へ着地する。
「徐倫。この子は君の知り合いかぁ?」
「誰アンタ」
「F・Fよ。F・F、こっちはアマネ」
「徐倫の知り合い? じゃあ仲間ってコト?」
「刑務所でも友達が作れるなんて徐倫は流石だなぁ。F・F、でいいのかなぁ? ちょっとの間徐倫を頼むぜぇ」
「え、ちょっ――っていうか男?」
驚いているF・Fへヒラヒラと手を振って前へ進み出た。階段を更に知らぬ男が登ってくるのを横目で見やって警戒しつつ、不敵な笑みを浮かべてアマネを見ているケンゾーへ歩み寄る。
「結論から言おう。この囚人どもは溺れたのじゃ。わしが『溺れ』させたから身体がブヨブヨに膨らんでいる」
両手で器を支えるような形を作り、拳法の足裁きのようにつま先へ重心を掛けているようだった。おそらくは何かしらの構えなのだろう。最近はスタンド使いも色々考えて戦うので、このケンゾーという男も拳法使いの類か。ただ何の拳法なのか全く分からない。