六部
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徐倫視点
エルメェスの姉のグロリアの仇であり、透明のゾンビを作り出すスタンド能力を持っていたスポーツ・マックスの記憶から、承太郎の『記憶』を奪ったホワイトスネイクがマックスに何者かの『骨』を蘇らせようとしたことが判明した。
マックスの能力で蘇った骨は、能力者であるマックスの意志とは関係無しに行動し、『懲罰房棟』へある。ホワイトスネイクはその無くした骨を見つけだして観察し、『空条承太郎の記憶』と照らし合わせて真実を突きとめるとも言っていた。その真実とは『天国へ行く力』らしいが、その辺りはまだよく分からない。
ともかく徐倫はその骨をホワイトスネイクより先に見つけて手に入れ、父の『記憶』を取り返すつもりでワザと懲罰房棟へ入ることにしたのである。だが懲罰房棟へは既にホワイトスネイクの手によって、徐倫の敵になるスタンド使いが送り込まれていた。
房棟の扉が全て開けられ、囚人達が何者かのスタンド能力によって攻撃的になる。
扉を開けた最初の能力感染者だった看守は隕石を降らせるスタンド能力者で、徐倫はその看守と対峙しながら思った。
「『一人の囚人は壁を見ていた。もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』……」
もちろん徐倫は星を見る。父に会うまで星の光を見ていたいと願った。
徐倫へ激突するはずだった看守から脱がせていたブーツへぶつかり、勢いを受けて逸れた軌道の先にいた看守へとぶち当たる。看守の身体が手すりを飛び越えて階段を転げ落ちていった。
徐倫はいつだって星を見ていたい。その為には勝たなくちゃいけない。
「決着ゥゥ――ッ!」
勝った。決着をつけたのだ。
何度も降らされてぶち当たった隕石に全身の至る所の肉が抉られていたり、骨が痛んでいたりもするが徐倫は父へ会う前に負けてはいない。
一瞬だけその喜びに浸り、けれども痛みにすぐ現実へ意識が戻される。看守と戦っている最中、小男な囚人が持って行った『骨』を奪って手に入れなければならない。
傷を押さえて呼吸を整えている間、コツリコツリと少し場違いな堅い足音が近づいてくる。新手のスタンド使いかと身構えて顔を上げて、徐倫はけれども警戒も忘れて眼を見開いた。
黒い長い髪はハーフアップに結われ、刑務所では随分と場違いな黒いスーツ姿。汚れることなど厭わないとばかりの革靴がさっきの足音の出所だ。
肩へ掛けられたストールの端が穏やかに揺れている。
紫色の瞳。優しく細められるそれを徐倫はとても知っていた。
「――ぁ……アマネ……」
「Ciao 徐倫。よく頑張ったなぁ」
エルメェスの姉のグロリアの仇であり、透明のゾンビを作り出すスタンド能力を持っていたスポーツ・マックスの記憶から、承太郎の『記憶』を奪ったホワイトスネイクがマックスに何者かの『骨』を蘇らせようとしたことが判明した。
マックスの能力で蘇った骨は、能力者であるマックスの意志とは関係無しに行動し、『懲罰房棟』へある。ホワイトスネイクはその無くした骨を見つけだして観察し、『空条承太郎の記憶』と照らし合わせて真実を突きとめるとも言っていた。その真実とは『天国へ行く力』らしいが、その辺りはまだよく分からない。
ともかく徐倫はその骨をホワイトスネイクより先に見つけて手に入れ、父の『記憶』を取り返すつもりでワザと懲罰房棟へ入ることにしたのである。だが懲罰房棟へは既にホワイトスネイクの手によって、徐倫の敵になるスタンド使いが送り込まれていた。
房棟の扉が全て開けられ、囚人達が何者かのスタンド能力によって攻撃的になる。
扉を開けた最初の能力感染者だった看守は隕石を降らせるスタンド能力者で、徐倫はその看守と対峙しながら思った。
「『一人の囚人は壁を見ていた。もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』……」
もちろん徐倫は星を見る。父に会うまで星の光を見ていたいと願った。
徐倫へ激突するはずだった看守から脱がせていたブーツへぶつかり、勢いを受けて逸れた軌道の先にいた看守へとぶち当たる。看守の身体が手すりを飛び越えて階段を転げ落ちていった。
徐倫はいつだって星を見ていたい。その為には勝たなくちゃいけない。
「決着ゥゥ――ッ!」
勝った。決着をつけたのだ。
何度も降らされてぶち当たった隕石に全身の至る所の肉が抉られていたり、骨が痛んでいたりもするが徐倫は父へ会う前に負けてはいない。
一瞬だけその喜びに浸り、けれども痛みにすぐ現実へ意識が戻される。看守と戦っている最中、小男な囚人が持って行った『骨』を奪って手に入れなければならない。
傷を押さえて呼吸を整えている間、コツリコツリと少し場違いな堅い足音が近づいてくる。新手のスタンド使いかと身構えて顔を上げて、徐倫はけれども警戒も忘れて眼を見開いた。
黒い長い髪はハーフアップに結われ、刑務所では随分と場違いな黒いスーツ姿。汚れることなど厭わないとばかりの革靴がさっきの足音の出所だ。
肩へ掛けられたストールの端が穏やかに揺れている。
紫色の瞳。優しく細められるそれを徐倫はとても知っていた。
「――ぁ……アマネ……」
「Ciao 徐倫。よく頑張ったなぁ」