六部
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一通りの診察と検査を受けながら意識の無かった間の出来事を聞かせてもらい、同時にアマネが今まで隠していた『異能』についての尋問も受けた。スタンド使いだったのかという問いから、部屋に出していた『エレボス』のこと。更にはトムのことまで聞かれている。
財団へ勤めている自分の事は構わないが、ただの息子であるトムの事までさも当然の様に追求してくるのは気にくわない。そもそも最初から高圧的に尋問してくる姿勢へ少し苛立った。
「だから辞職届けを五百枚ほど量産して上司に叩きつけてきた。今の俺は職無し――いや、翻訳の仕事はしてるからまだ職はあるなぁ」
何ともいえない顔をする承太郎は未だベッドの上。使える能力をフルに使って自身の身体の回復に務めているアマネと違い、承太郎はすぐに回復なんて出来なかった。
とはいえアマネも、能力を行使しているせいで頭痛は酷いし未だに油断すると血を吐く。見えない部分は相変わらずボロボロだし、動かない身体を無理矢理動かしているような状態だ。
無論財団の言い分も分かる。世界を守る為にもスタンド使いや吸血鬼について長年研究をしてきた組織だ。だから唐突に現れたアマネの様な存在を放置していられる訳がない。
だが少しだけでも分かって欲しかった。隠していた理由を。
何者かの陰謀によって冤罪を掛けられた徐倫は、未だに刑務所へいる。その刑務所には承太郎の『記憶』と『スタンド』を盗んだ何者かが潜んでおり、『スタンド』は徐倫の尽力によって取り返したものの『記憶』が戻っていなかった。アマネが補完しなければ承太郎は今も動けなかっただろう。
承太郎の『スタンド』と『記憶』を奪った者の目的は何か。それが問題である。
「『スタンド』は徐倫が比較的簡単に取り返したことを考えると、敵が欲しかったのはお前の記憶かもなぁ。『DIO』の残党ならお前が倒した『DIO』の記憶? が欲しかったとかぁ?」
「……情報が足らないな」
そして求める情報を探り出すには敵のいる刑務所へ行かねばならないだろう。
空条が動けない今、行くのは自分だ。
「空条。俺はもう覚悟してた。二十数年前のお前に会ったあの雨の日からずっとなぁ」
アマネが何をするのか分かったのだろう承太郎が何か言う前に告げる。
「なんかこの先タイミングが無さそうだし、財団も辞めるから会う回数減りそうだし言っておく。――あの雨の日。俺はお前に救われたよ。今度は俺がお前を助ける番だぁ」
その為には自分が化け物だとバレても構わないという覚悟をしていた。
後ろではトムがパソコンに向かって何かを調べる手を止めている。トムには残って承太郎のことを頼んであった。エレボスはもう出していないがナギニが一緒にいるから大丈夫だろう。ウォレットチェーンは承太郎へ預けていく。
承太郎が何かを言おうとするが、聞きたくはなかった。
財団へ勤めている自分の事は構わないが、ただの息子であるトムの事までさも当然の様に追求してくるのは気にくわない。そもそも最初から高圧的に尋問してくる姿勢へ少し苛立った。
「だから辞職届けを五百枚ほど量産して上司に叩きつけてきた。今の俺は職無し――いや、翻訳の仕事はしてるからまだ職はあるなぁ」
何ともいえない顔をする承太郎は未だベッドの上。使える能力をフルに使って自身の身体の回復に務めているアマネと違い、承太郎はすぐに回復なんて出来なかった。
とはいえアマネも、能力を行使しているせいで頭痛は酷いし未だに油断すると血を吐く。見えない部分は相変わらずボロボロだし、動かない身体を無理矢理動かしているような状態だ。
無論財団の言い分も分かる。世界を守る為にもスタンド使いや吸血鬼について長年研究をしてきた組織だ。だから唐突に現れたアマネの様な存在を放置していられる訳がない。
だが少しだけでも分かって欲しかった。隠していた理由を。
何者かの陰謀によって冤罪を掛けられた徐倫は、未だに刑務所へいる。その刑務所には承太郎の『記憶』と『スタンド』を盗んだ何者かが潜んでおり、『スタンド』は徐倫の尽力によって取り返したものの『記憶』が戻っていなかった。アマネが補完しなければ承太郎は今も動けなかっただろう。
承太郎の『スタンド』と『記憶』を奪った者の目的は何か。それが問題である。
「『スタンド』は徐倫が比較的簡単に取り返したことを考えると、敵が欲しかったのはお前の記憶かもなぁ。『DIO』の残党ならお前が倒した『DIO』の記憶? が欲しかったとかぁ?」
「……情報が足らないな」
そして求める情報を探り出すには敵のいる刑務所へ行かねばならないだろう。
空条が動けない今、行くのは自分だ。
「空条。俺はもう覚悟してた。二十数年前のお前に会ったあの雨の日からずっとなぁ」
アマネが何をするのか分かったのだろう承太郎が何か言う前に告げる。
「なんかこの先タイミングが無さそうだし、財団も辞めるから会う回数減りそうだし言っておく。――あの雨の日。俺はお前に救われたよ。今度は俺がお前を助ける番だぁ」
その為には自分が化け物だとバレても構わないという覚悟をしていた。
後ろではトムがパソコンに向かって何かを調べる手を止めている。トムには残って承太郎のことを頼んであった。エレボスはもう出していないがナギニが一緒にいるから大丈夫だろう。ウォレットチェーンは承太郎へ預けていく。
承太郎が何かを言おうとするが、聞きたくはなかった。