六部
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ここはどこだろう。という問いを繰り返す。ここはどこだろう。
自分がしていることの正しさなんて分からない。ただ後悔をしている事だけはないのでどうでも良かった。
承太郎を死なせたくないという思いだけで行動したけれど、いつまでこうしているつもりなのだろうとは思う。永久にこのままという訳にはいかない。
徐倫は無事だろうか。トムは自分がこんな事になったと知れば駆けつけるに決まっている。いらぬ心配を掛けてしまっているだろう。
死ぬ気はないので死なない。こんな死に方は誰も許してくれまい。緩やかな自殺。
ああでもちょっと良いなと思ってしまったのは『カキョウイン』も承太郎へ託して死んだからか。
エジプトで死んでしまった彼と友達になりたかった。それが無理だったとしても、事実を話してただの同級生だった時以上に嫌われてしまったとしても、せめて生きていて欲しかったと今でも思う。
『孤独の中なのに星になりたいのか』
『星がある限りは、誰も孤独になんてなれねぇように世界は出来てる』
自分は孤独でも構わなかった。ただあの寂しげだった彼が、孤独にならないようにあって欲しいと思ったのだ。
自分は孤独でいい。孤独の辛さだってもう知っているから。
真っ暗な空間で倒れているアマネに何かが近付いてくる。突っ伏して倒れているアマネのすぐ傍で止まったそれはどうやら輝いているようで、閉じた瞼越しに光があった。
目を開けて顔を上げる。承太郎に似た目の色をした、猛々しい《星》がアマネを見下ろしていた。
「――スター……プラチナ……?」
初めてちゃんと見ることの出来た《傍に立つ者》は、存外優しい目をしている。当たり前か。承太郎自身が優しい奴なのだから。
かつて承太郎は若き叔父である仗助のスタンドを『この世で最もやさしい』と評した。承太郎のスタンドは彼自身にとって優しくなかったのかもしれない。能力だって時を止めるという世界の摂理に対して暴力的なもので、しかも仇と同じ能力だった。
でもどうだろう。その力で承太郎は守ることが出来ている。ならばそれもやっぱりやさしい力だ。
星の光が世界を照らす。太陽よりも月よりもやさしい光だ。
踏ん張って起き上がって手を伸ばす。近付いてきてくれたスタープラチナを抱きしめる。目を傷つけることもなく冷たくもない優しい光。
涙が溢れそうだったが、まだ泣けない。
星の形をした白い砂がいくつも《星》に照らされている。ここは死んだ星が眠る海の底だ。
「――……どうか、どうかお願いだぁ――」
目を覚ます。酸化して黒ずんだ血がへばりつくシーツの上。
すぐ傍に人の気配がする。ゆっくり顔を上げれば、存外優しい緑色の瞳が見下ろしていた。
自分がしていることの正しさなんて分からない。ただ後悔をしている事だけはないのでどうでも良かった。
承太郎を死なせたくないという思いだけで行動したけれど、いつまでこうしているつもりなのだろうとは思う。永久にこのままという訳にはいかない。
徐倫は無事だろうか。トムは自分がこんな事になったと知れば駆けつけるに決まっている。いらぬ心配を掛けてしまっているだろう。
死ぬ気はないので死なない。こんな死に方は誰も許してくれまい。緩やかな自殺。
ああでもちょっと良いなと思ってしまったのは『カキョウイン』も承太郎へ託して死んだからか。
エジプトで死んでしまった彼と友達になりたかった。それが無理だったとしても、事実を話してただの同級生だった時以上に嫌われてしまったとしても、せめて生きていて欲しかったと今でも思う。
『孤独の中なのに星になりたいのか』
『星がある限りは、誰も孤独になんてなれねぇように世界は出来てる』
自分は孤独でも構わなかった。ただあの寂しげだった彼が、孤独にならないようにあって欲しいと思ったのだ。
自分は孤独でいい。孤独の辛さだってもう知っているから。
真っ暗な空間で倒れているアマネに何かが近付いてくる。突っ伏して倒れているアマネのすぐ傍で止まったそれはどうやら輝いているようで、閉じた瞼越しに光があった。
目を開けて顔を上げる。承太郎に似た目の色をした、猛々しい《星》がアマネを見下ろしていた。
「――スター……プラチナ……?」
初めてちゃんと見ることの出来た《傍に立つ者》は、存外優しい目をしている。当たり前か。承太郎自身が優しい奴なのだから。
かつて承太郎は若き叔父である仗助のスタンドを『この世で最もやさしい』と評した。承太郎のスタンドは彼自身にとって優しくなかったのかもしれない。能力だって時を止めるという世界の摂理に対して暴力的なもので、しかも仇と同じ能力だった。
でもどうだろう。その力で承太郎は守ることが出来ている。ならばそれもやっぱりやさしい力だ。
星の光が世界を照らす。太陽よりも月よりもやさしい光だ。
踏ん張って起き上がって手を伸ばす。近付いてきてくれたスタープラチナを抱きしめる。目を傷つけることもなく冷たくもない優しい光。
涙が溢れそうだったが、まだ泣けない。
星の形をした白い砂がいくつも《星》に照らされている。ここは死んだ星が眠る海の底だ。
「――……どうか、どうかお願いだぁ――」
目を覚ます。酸化して黒ずんだ血がへばりつくシーツの上。
すぐ傍に人の気配がする。ゆっくり顔を上げれば、存外優しい緑色の瞳が見下ろしていた。