六部
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『てめーはオレを怒らせた』
嗚呼これは承太郎の『記憶』だと認識する。あれからどのくらい時間が経過したのかも分からない。記憶が少し混ざり合っていた。
他人の『記憶』へ干渉することはまだ許される行為だろうか。けれども生きる為に、生かす為に覚悟していた。
二十数年前のあの時からずっと、覚悟はしていたのである。
承太郎と知り合って付き合いが続いて、トムという息子が自分には出来て承太郎も結婚して徐倫という娘が出来た。どちらも可愛く、自分も承太郎も家族や子供を愛していたのだ。
スタンド使いや『DIO』の事で承太郎が悩んでいたことを知っている。
そう悩んでいる承太郎を慰める言葉を持たなかったことを悔やんでいる。
自分の因縁が我が子へ報う。それはきっと承太郎こそ痛いくらいに感じていただろう。花京院が死んだあの旅も発端は彼の先祖だった。
ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーから始まった因縁は、未だに途切れずに在る。絡まった糸をほどく手は現れず、絡んだ糸同士が解けることを望まなければならない。
トムを養子にした時、この子へアマネの因縁が巡らないようにしなければと思った。愛おしい息子であったし、あの子はもうそんな因縁を抱える必要なんて無い。
けれどもトムは自分から絡んだ糸へと近付いた。輝く糸であったことは僥倖であったけれど、その運命からはもう守ってやれないのだろうなとアマネは思ったのだ。
ジョルノ・ジョバァーナ。花京院の仇の息子にして、トムの友人。
覚悟が足りなかったと弱音を吐いた。けれども同時にジョルノへ対し多大な感謝の言葉を贈りたかった。
新しい生命を生み出す力を持つ子。彼の父親の因縁は人知れず彼へ引き継がれなかった。彼は『正義』を選んだ。
断ち切れるのだと。
花京院に祈るアマネの意思もDIOを考える承太郎の意思も、トムにも徐倫にも伝えてはならない。それが父でありあの子達を愛している者の義務だと思った。
逆に断ち切ってはならないものもある。
未来がどうなろうが構わない。未来など分からずとも構わない。自分がどうなろうともだ。アマネや承太郎はこの今を生きる意志を以て先へと繋げなければならない。
覚悟を、信念を、正しき心を。
アマネはいまだに自分の『命の答え』を知らないが、知らずとも進めることだけは知っている。
命を作り出すことがアマネには出来ないから、アマネは既存のものを先へ進ませる事しかできない。ただ、星の光のように小さな希望でもアマネは先へ進ませることだけは出来る。
だから、今はもう少し耐えよう。きっと希望はアマネの預かり知らぬ場所でも生まれつつあるのだから。
嗚呼これは承太郎の『記憶』だと認識する。あれからどのくらい時間が経過したのかも分からない。記憶が少し混ざり合っていた。
他人の『記憶』へ干渉することはまだ許される行為だろうか。けれども生きる為に、生かす為に覚悟していた。
二十数年前のあの時からずっと、覚悟はしていたのである。
承太郎と知り合って付き合いが続いて、トムという息子が自分には出来て承太郎も結婚して徐倫という娘が出来た。どちらも可愛く、自分も承太郎も家族や子供を愛していたのだ。
スタンド使いや『DIO』の事で承太郎が悩んでいたことを知っている。
そう悩んでいる承太郎を慰める言葉を持たなかったことを悔やんでいる。
自分の因縁が我が子へ報う。それはきっと承太郎こそ痛いくらいに感じていただろう。花京院が死んだあの旅も発端は彼の先祖だった。
ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーから始まった因縁は、未だに途切れずに在る。絡まった糸をほどく手は現れず、絡んだ糸同士が解けることを望まなければならない。
トムを養子にした時、この子へアマネの因縁が巡らないようにしなければと思った。愛おしい息子であったし、あの子はもうそんな因縁を抱える必要なんて無い。
けれどもトムは自分から絡んだ糸へと近付いた。輝く糸であったことは僥倖であったけれど、その運命からはもう守ってやれないのだろうなとアマネは思ったのだ。
ジョルノ・ジョバァーナ。花京院の仇の息子にして、トムの友人。
覚悟が足りなかったと弱音を吐いた。けれども同時にジョルノへ対し多大な感謝の言葉を贈りたかった。
新しい生命を生み出す力を持つ子。彼の父親の因縁は人知れず彼へ引き継がれなかった。彼は『正義』を選んだ。
断ち切れるのだと。
花京院に祈るアマネの意思もDIOを考える承太郎の意思も、トムにも徐倫にも伝えてはならない。それが父でありあの子達を愛している者の義務だと思った。
逆に断ち切ってはならないものもある。
未来がどうなろうが構わない。未来など分からずとも構わない。自分がどうなろうともだ。アマネや承太郎はこの今を生きる意志を以て先へと繋げなければならない。
覚悟を、信念を、正しき心を。
アマネはいまだに自分の『命の答え』を知らないが、知らずとも進めることだけは知っている。
命を作り出すことがアマネには出来ないから、アマネは既存のものを先へ進ませる事しかできない。ただ、星の光のように小さな希望でもアマネは先へ進ませることだけは出来る。
だから、今はもう少し耐えよう。きっと希望はアマネの預かり知らぬ場所でも生まれつつあるのだから。