六部
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徐倫視点
父の承太郎のDISCを取り返した。けれどもそれは『スタンド』の一枚だけで『記憶』の方は未だ行方すら掴めていない。
ただ味方となってくれたフー・ファイターズ――通称FFの協力もあって、犯人のスタントである『ホワイトスネイク』の本体が、承太郎のスタンドではなく『記憶』のほうへ用があることが判明した。徐倫は父の過去なんて知らないので全く心当たりすらないのだが、助けに来た承太郎が『オレのかつて敵だった『男』』と言っていたのは覚えている。
もしかしたらその辺りに何か手がかりがあるのだろうかと少し思ったものの、それに答えてくれるような相手は白蛇のナギニくらいしかいなかった。
ナギニもナギニで徐倫の言っている事は理解してくれても、徐倫のほうがナギニの言葉が分からない。ボディランゲージでの意志の疎通にも限度があるし、そもそも今のナギニは匣を飲み込んだままでなんか四角かった。
「……アンタの飼い主も、教えてくれそうに無いしね」
徐倫が自分の牢屋へ戻ると先回りして徐倫のベッドへ来ていたナギニは、徐倫が突き出した指先へすり寄っては舌を鳴らしている。同室のグェスは既に眠っていて、小声で話している限りはバレないだろう。
つい数週間前まではスタンドの事すら知らなかった。幼なじみとその父親は、二十年近く前には既に知っていたらしい。
二十年も前と言うことは徐倫もトムもまだ小さい子供の頃で、その頃から知っていて黙っていたのだとしたらトムは随分と役者だ。徐倫は何にも気づくことが無かったのだから。
知らなかったのは徐倫だけ。トムは徐倫よりも承太郎のことを知っているようでもあったし、そもそも手紙を読んでいるとしてもトムが現在どんな仕事をしているのかも徐倫は知らなかった。
知らないことは悪いことじゃない。でもきっと、知らないままでいたのは悪いことだ。
「明日、トムに連絡してDISCを持ち出す計画を考えてもらおうと思うの。アンタも主人に会いたいんじゃあない?」
ナギニが徐倫の指先へすり寄ってくる。小さい頃はこのナギニとトムと一緒に遊んでいたことを思い出した。
その頃はもう少し大きかったように思う。
「もしかしてアンタ、トムのスタンド――な訳ないか。スタンド使いじゃないって言ってたしね。でも魔法使いってのもどういうコトよ」
今思うと幼なじみは謎が多かった。何故それを今まで変だとも思わなかったのかと不思議になるくらい、トムの存在は徐倫の中で当たり前となっていたらしい。その父の『アマネ』のことも。
「……アマネも、父さんも、大丈夫かしら」
父の承太郎のDISCを取り返した。けれどもそれは『スタンド』の一枚だけで『記憶』の方は未だ行方すら掴めていない。
ただ味方となってくれたフー・ファイターズ――通称FFの協力もあって、犯人のスタントである『ホワイトスネイク』の本体が、承太郎のスタンドではなく『記憶』のほうへ用があることが判明した。徐倫は父の過去なんて知らないので全く心当たりすらないのだが、助けに来た承太郎が『オレのかつて敵だった『男』』と言っていたのは覚えている。
もしかしたらその辺りに何か手がかりがあるのだろうかと少し思ったものの、それに答えてくれるような相手は白蛇のナギニくらいしかいなかった。
ナギニもナギニで徐倫の言っている事は理解してくれても、徐倫のほうがナギニの言葉が分からない。ボディランゲージでの意志の疎通にも限度があるし、そもそも今のナギニは匣を飲み込んだままでなんか四角かった。
「……アンタの飼い主も、教えてくれそうに無いしね」
徐倫が自分の牢屋へ戻ると先回りして徐倫のベッドへ来ていたナギニは、徐倫が突き出した指先へすり寄っては舌を鳴らしている。同室のグェスは既に眠っていて、小声で話している限りはバレないだろう。
つい数週間前まではスタンドの事すら知らなかった。幼なじみとその父親は、二十年近く前には既に知っていたらしい。
二十年も前と言うことは徐倫もトムもまだ小さい子供の頃で、その頃から知っていて黙っていたのだとしたらトムは随分と役者だ。徐倫は何にも気づくことが無かったのだから。
知らなかったのは徐倫だけ。トムは徐倫よりも承太郎のことを知っているようでもあったし、そもそも手紙を読んでいるとしてもトムが現在どんな仕事をしているのかも徐倫は知らなかった。
知らないことは悪いことじゃない。でもきっと、知らないままでいたのは悪いことだ。
「明日、トムに連絡してDISCを持ち出す計画を考えてもらおうと思うの。アンタも主人に会いたいんじゃあない?」
ナギニが徐倫の指先へすり寄ってくる。小さい頃はこのナギニとトムと一緒に遊んでいたことを思い出した。
その頃はもう少し大きかったように思う。
「もしかしてアンタ、トムのスタンド――な訳ないか。スタンド使いじゃないって言ってたしね。でも魔法使いってのもどういうコトよ」
今思うと幼なじみは謎が多かった。何故それを今まで変だとも思わなかったのかと不思議になるくらい、トムの存在は徐倫の中で当たり前となっていたらしい。その父の『アマネ』のことも。
「……アマネも、父さんも、大丈夫かしら」