四部
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音石明を財団が尋問した結果、彼が捕まる前にネズミを『弓と矢』で射抜いたらしい。しかしネズミは死ぬことはなくそのまま逃げたという。
つまりそのネズミは『弓と矢』で死なず、むしろ射抜かれたことでスタンド使いになった可能性がある。
承太郎の話では過去にも動物がスタンド使いであった例はあるらしい。アマネも財団の調書でそれは知っている。
ただしそれらは先天性のスタンド使いであって、人為的なスタンド使いではなかった。先天性のスタンド使いは高い知能を有しており、それ故に自身のスタンドの使い方を理解していたらしいが、人為的にスタンド使いとなったネズミの場合その辺りが不明である。
動物的本能に従ってスタンドを使い出せば、たちまち社会的な混乱が生まれる可能性があった。
何せ相手は本能に忠実な動物だ。子孫を残す、生きる為に食べる、疲れを癒す為に寝るという大まかに分けて三つの本能は、単純なようで単純だからこそ恐怖である。
「ネズミ算式って言葉があるだろぉ? あれはネズミの子孫を残す為の本能が凄まじいことからきてるんだぁ。なんせ人間と違って五六匹は一気に産むからなぁ」
「うげー、マジすか」
仗助を連れて、承太郎と共に音石がネズミを射抜いた地点へ向かう。杜王町の南へ位置する農業用水路付近で、その用水路は更に南にある農家が多く点在する地域へ繋がっていた。
野生故に警戒心も強く素早いネズミへ対し、承太郎のスタンドであるスタープラチナの射程距離は短い。捕獲するにしても殺すにしても大分近付かなければならないというデメリットに対し、承太郎はベアリングを本体へ飛ばすという作戦を考えていた。
「追跡前にひとつだけ忠告しておく。生き物相手の場合『早さ』よりも『落ち着く』ことを第一に考えろ」
再三言うがネズミは警戒心が強い。
「命中すると確信するまで発射はするな。別にプレッシャーかけるわけじゃあないが」
「充分プレッシャーだろぉ馬鹿」
仗助へもベアリングを分けなから言う承太郎へ言い返す。承太郎の持っていた箱へ手を突っ込んで、アマネもベアリングを数個手の手で転がした。
アマネの場合スタンドも無いしペルソナにもそんな能力はないので、指弾で跳ばすか投げつけるしか出来ない。
「アマネさんも行くんすか? でもスタンド……」
「俺は囮だから」
「おと、り?」
「うん。囮」
「囮だ」
ネズミという小動物相手に囮も何もないだろうと仗助の顔に書いてあった。正直な話アマネも身体を動かしたいとは言ったが、こんな形で動かしたいとは言っていない。
つまりそのネズミは『弓と矢』で死なず、むしろ射抜かれたことでスタンド使いになった可能性がある。
承太郎の話では過去にも動物がスタンド使いであった例はあるらしい。アマネも財団の調書でそれは知っている。
ただしそれらは先天性のスタンド使いであって、人為的なスタンド使いではなかった。先天性のスタンド使いは高い知能を有しており、それ故に自身のスタンドの使い方を理解していたらしいが、人為的にスタンド使いとなったネズミの場合その辺りが不明である。
動物的本能に従ってスタンドを使い出せば、たちまち社会的な混乱が生まれる可能性があった。
何せ相手は本能に忠実な動物だ。子孫を残す、生きる為に食べる、疲れを癒す為に寝るという大まかに分けて三つの本能は、単純なようで単純だからこそ恐怖である。
「ネズミ算式って言葉があるだろぉ? あれはネズミの子孫を残す為の本能が凄まじいことからきてるんだぁ。なんせ人間と違って五六匹は一気に産むからなぁ」
「うげー、マジすか」
仗助を連れて、承太郎と共に音石がネズミを射抜いた地点へ向かう。杜王町の南へ位置する農業用水路付近で、その用水路は更に南にある農家が多く点在する地域へ繋がっていた。
野生故に警戒心も強く素早いネズミへ対し、承太郎のスタンドであるスタープラチナの射程距離は短い。捕獲するにしても殺すにしても大分近付かなければならないというデメリットに対し、承太郎はベアリングを本体へ飛ばすという作戦を考えていた。
「追跡前にひとつだけ忠告しておく。生き物相手の場合『早さ』よりも『落ち着く』ことを第一に考えろ」
再三言うがネズミは警戒心が強い。
「命中すると確信するまで発射はするな。別にプレッシャーかけるわけじゃあないが」
「充分プレッシャーだろぉ馬鹿」
仗助へもベアリングを分けなから言う承太郎へ言い返す。承太郎の持っていた箱へ手を突っ込んで、アマネもベアリングを数個手の手で転がした。
アマネの場合スタンドも無いしペルソナにもそんな能力はないので、指弾で跳ばすか投げつけるしか出来ない。
「アマネさんも行くんすか? でもスタンド……」
「俺は囮だから」
「おと、り?」
「うん。囮」
「囮だ」
ネズミという小動物相手に囮も何もないだろうと仗助の顔に書いてあった。正直な話アマネも身体を動かしたいとは言ったが、こんな形で動かしたいとは言っていない。