五部
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何故か喋るようになっている亀が、落ちている矢をくわえて持ち上げる。その途端に起き上がった影が勢いよくその亀へ向かって駆けていく。
「ジョルノッ! 『レクイエム』を止めるんだッ!」
「だめだッ! 遠すぎる間に合わないッ!」
「ミスタッ! 『ポルナレフ』さんを守るんだ」
「『ポルナレフ』――?」
桃色の髪の男に言われて、ミスタではなくトリッシュがミスタの銃を構えた。だがその銃が壊れる。
トムも立ち上がって影を追いかけた。トリッシュが隠し持っていたもう一丁の拳銃で影を撃つ。全ての銃弾が影の顔面へと直撃し、しかし亀がくわえていた矢は影が奪い取っていた。
奪い取ったというより取り返したといったほうがいいのか。
「何故だピストルズ! なんで突然オレの銃がブッ壊れてんだッ!?」
「トリッシュお姉さんのじゃなくてミスタのでしょ?」
「トム、君は“変わって”ないな」
桃色の髪の男へ聞かれるも意味が分からなかった。
「あの影――『シルバー・チャリオッツ・レクイエム』のせいで皆の精神が入れ替わっている。ジョルノはそのままだがミスタはトリッシュと、ポルナレフさんは亀といった具合にだ」
「……じゃあ、貴方ブチャラティお兄さん?」
おそるおそる尋ねれば桃色の髪の男が頷く。外見は誰のものなのか分からないがそれを訊く余裕はなく、矢を取り返したというのに影が亀へ向かって再び襲いかかりにいった。
ジョルノとミスタがその影を攻撃する。両足や腕がそれによって吹っ飛んでしまったが、影は器にした様子もなく亀だけを目指していた。
スタンドの矢へ触れたから、もう二度と触れないようにと始末する気なのだ。
亀を抱えた見た目トリッシュのミスタが逃げ出す。隠し持っていた代わりの銃はリボルバーではないから、弾を込め直すことも時間が掛かるようだった。
「――ッナギニ!」
匣の中からナギニを出し、チャクラムを雲の炎で大量に増やして投げつける。ミスタが近くの電柱へよじ登って逃げるのに、投げたチャクラムが全て影へと向かって飛んでいき影の身体をバラバラに切り裂いた。
切った影に質量はない訳でもないだろうに、影を切り裂いたチャクラムがそれぞれトムの手元へと戻ってくる。全身がバラバラになった影はそれでも電柱へ昇ったミスタが落としてしまった亀を追おうとしていたが、不意にその手を止めるとクルリと再び繋ぎ合わさった足で踵を返した。
急な敵意の消滅に、誰もが一瞬呆気にとられる。だがすぐにその理由が分かった。
「人格を入れ替える……レクイエムの能力にはわたしの『知らない』『先』があると。どうやらわたしは今のでそれを『理解』してきたよ」
「ジョルノッ! 『レクイエム』を止めるんだッ!」
「だめだッ! 遠すぎる間に合わないッ!」
「ミスタッ! 『ポルナレフ』さんを守るんだ」
「『ポルナレフ』――?」
桃色の髪の男に言われて、ミスタではなくトリッシュがミスタの銃を構えた。だがその銃が壊れる。
トムも立ち上がって影を追いかけた。トリッシュが隠し持っていたもう一丁の拳銃で影を撃つ。全ての銃弾が影の顔面へと直撃し、しかし亀がくわえていた矢は影が奪い取っていた。
奪い取ったというより取り返したといったほうがいいのか。
「何故だピストルズ! なんで突然オレの銃がブッ壊れてんだッ!?」
「トリッシュお姉さんのじゃなくてミスタのでしょ?」
「トム、君は“変わって”ないな」
桃色の髪の男へ聞かれるも意味が分からなかった。
「あの影――『シルバー・チャリオッツ・レクイエム』のせいで皆の精神が入れ替わっている。ジョルノはそのままだがミスタはトリッシュと、ポルナレフさんは亀といった具合にだ」
「……じゃあ、貴方ブチャラティお兄さん?」
おそるおそる尋ねれば桃色の髪の男が頷く。外見は誰のものなのか分からないがそれを訊く余裕はなく、矢を取り返したというのに影が亀へ向かって再び襲いかかりにいった。
ジョルノとミスタがその影を攻撃する。両足や腕がそれによって吹っ飛んでしまったが、影は器にした様子もなく亀だけを目指していた。
スタンドの矢へ触れたから、もう二度と触れないようにと始末する気なのだ。
亀を抱えた見た目トリッシュのミスタが逃げ出す。隠し持っていた代わりの銃はリボルバーではないから、弾を込め直すことも時間が掛かるようだった。
「――ッナギニ!」
匣の中からナギニを出し、チャクラムを雲の炎で大量に増やして投げつける。ミスタが近くの電柱へよじ登って逃げるのに、投げたチャクラムが全て影へと向かって飛んでいき影の身体をバラバラに切り裂いた。
切った影に質量はない訳でもないだろうに、影を切り裂いたチャクラムがそれぞれトムの手元へと戻ってくる。全身がバラバラになった影はそれでも電柱へ昇ったミスタが落としてしまった亀を追おうとしていたが、不意にその手を止めるとクルリと再び繋ぎ合わさった足で踵を返した。
急な敵意の消滅に、誰もが一瞬呆気にとられる。だがすぐにその理由が分かった。
「人格を入れ替える……レクイエムの能力にはわたしの『知らない』『先』があると。どうやらわたしは今のでそれを『理解』してきたよ」