四部
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ストレスを感じると透明になってしまう赤ん坊と、ボケ始めている老人のジョセフをいくらトムが居るとはいえ日中放置というのは正直怖い。それでもアマネは承太郎の頼みである億泰の父親の治療と、スピードワゴン財団の方からの仕事である杜王町のスタンド使い調査もしなければならなかった。
仕方なしに億泰の父親の治療を一日おきにし、調査にも駆り出されている。ホテルへ戻ったらジョセフと一緒に赤ん坊の世話。
「別に構わねぇのだけれど、たまにはもっと身体を動かしてぇ」
粉ミルクを作る為のお湯を沸かしてもらっていた承太郎が物言いたげな顔をして振り返る。ジョセフが来る前は承太郎一人で泊まるには豪勢過ぎると思っていたが、こうなれば簡易とはいえお湯を沸かせる場所があるのがありがたい。
承太郎が物言いたげな理由は分かっている。アマネがスタンド使いではなくペルソナ使いであること、そしてそれを隠している事だ。
隠しているのに派手に動けば誤魔化すのが大変だろうという考えがあるのか、承太郎は今まで何度も頼み事をしてきてはいても、直接アマネをスタンド使いと対峙させたことはない。アマネの能力を利用する時も、周りにスタンドへ詳しい者がいないと判断してからだ。
音石明を捕まえた際の港でのことも、仗助と康一はまだスタンドに詳しくはないと判断してだろう。
「おめーは度胸があるのかないのか分からんヤツだ」
「お前は俺を侮りまくっている」
消毒したほ乳瓶へ粉ミルクを容れる。
「お前に出会うまでの十七年間、俺は一人でこの秘密を隠し通してきたんだぜぇ? 今更多少のスタンド使いが現れたからって、俺はお前がいなくとも隠し通してみせるぜぇ」
「……それでも」
「それでもカキョウインには言おうとしただろって言うかぁ?」
押し黙るところを見るとそう思ったのだろう。実際、アマネはカキョウインへ言おうとしてはいたのだから。
けれども言えなかった。
十年経ってもそのことが忘れられない。きっとアマネは今生それを忘れることはないだろう。『兄』や『弟達』とは違う形でそれを悔やみ続ける。
人肌に暖まったお湯で粉ミルクを溶き、それを持って赤ん坊を抱いているジョセフの元へ戻れば、赤ん坊は勢いよくミルクを飲み始めた。
飲み終えた赤ん坊にゲップをさせて寝かせれば目下の世話は終了だ。夜泣きが始まる前に仕事を片付けてしまうかと赤ん坊をジョセフとトムに任せて財団からの報告書へ眼を通せば、新しい報告が来ていた。
「空条。先日捕まえた音石明の尋問調書が来てる」
仕方なしに億泰の父親の治療を一日おきにし、調査にも駆り出されている。ホテルへ戻ったらジョセフと一緒に赤ん坊の世話。
「別に構わねぇのだけれど、たまにはもっと身体を動かしてぇ」
粉ミルクを作る為のお湯を沸かしてもらっていた承太郎が物言いたげな顔をして振り返る。ジョセフが来る前は承太郎一人で泊まるには豪勢過ぎると思っていたが、こうなれば簡易とはいえお湯を沸かせる場所があるのがありがたい。
承太郎が物言いたげな理由は分かっている。アマネがスタンド使いではなくペルソナ使いであること、そしてそれを隠している事だ。
隠しているのに派手に動けば誤魔化すのが大変だろうという考えがあるのか、承太郎は今まで何度も頼み事をしてきてはいても、直接アマネをスタンド使いと対峙させたことはない。アマネの能力を利用する時も、周りにスタンドへ詳しい者がいないと判断してからだ。
音石明を捕まえた際の港でのことも、仗助と康一はまだスタンドに詳しくはないと判断してだろう。
「おめーは度胸があるのかないのか分からんヤツだ」
「お前は俺を侮りまくっている」
消毒したほ乳瓶へ粉ミルクを容れる。
「お前に出会うまでの十七年間、俺は一人でこの秘密を隠し通してきたんだぜぇ? 今更多少のスタンド使いが現れたからって、俺はお前がいなくとも隠し通してみせるぜぇ」
「……それでも」
「それでもカキョウインには言おうとしただろって言うかぁ?」
押し黙るところを見るとそう思ったのだろう。実際、アマネはカキョウインへ言おうとしてはいたのだから。
けれども言えなかった。
十年経ってもそのことが忘れられない。きっとアマネは今生それを忘れることはないだろう。『兄』や『弟達』とは違う形でそれを悔やみ続ける。
人肌に暖まったお湯で粉ミルクを溶き、それを持って赤ん坊を抱いているジョセフの元へ戻れば、赤ん坊は勢いよくミルクを飲み始めた。
飲み終えた赤ん坊にゲップをさせて寝かせれば目下の世話は終了だ。夜泣きが始まる前に仕事を片付けてしまうかと赤ん坊をジョセフとトムに任せて財団からの報告書へ眼を通せば、新しい報告が来ていた。
「空条。先日捕まえた音石明の尋問調書が来てる」