五部
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建物を降りてコロッセオへ向かう。ブチャラティと地中男はどこへ行ってしまったのか見当たらない。日の傾いてきているローマにはそれでも観光客が多く、さっきまで蔓延していたカビのせいで騒ぎは拡大化している。
何も知らない観光客が馬鹿みたいにはしゃぎながら歩き回っていて、こんな状況では箒で飛んで空から探すことも出来ない。父みたいにフリーランニングでも出来たらまた違うだろうが、それはそれで目立ってしまう。
だから結局、手分けして探すのがよくなってしまった。
「分かれて探しながらコロッセオを目指そう! 見つけたらそのままブチャラティへ加勢すればいい。僕はこっちの通りを行くから二人は向こうを頼む!」
「気を付けろよ!」
ジョルノへ亀を渡して走り出す。トムが選んだのはコロッセオへ向かうのに一番遠回りとなる通りだ。別にブチャラティを見つけるのが嫌だったのではなく、ブチャラティだったら“通らない”だろう道を選んだだけである。
通らない道。つまり一番妨害されずにコロッセオへ迎える道だ。
トムはスタンド使いではなければスタンドも見えない。ナギニなら見えるがいつだってナギニと情報伝達が可能という訳でもなかった。ナギニが遠くにいたり蛇語が聞こえなければナギニが伝えたいことも分からない。
だからスタンド使いとの戦いは避ける。一人であるのなら尚更だ。
スタンド使いとの戦いを避けて、コロッセオでブチャラティ達を待っているはずの『男』を探す。それがトムの出来ることだ。
「きっと、僕はあの人を知ってる……ッ!」
『男』はエジプトでスタンドの矢を手に入れたと言っていた。トムが十二年前の事を話した時にも反応を示している。
それらがどちらか片方であったなら、トムが知らない人物だという可能性の方が高かっただろう。けれども『男』は両方へ反応したのだ。
キーワードは『十二年前』の『エジプト』で、『エンヤ婆』を『父さんの知人が倒した』という四つの事実。
十二年前のエジプトで、空条承太郎の仲間がエンヤ婆を倒した。トムの父のアマネはその空条承太郎の知人である。間違ったことは言っていない。
けれどもその事実を知っているのはその時の旅のメンバーと、アマネのように話を聞いた人物だけである。そして空条は自身の妻へもそれを告げていないことをトムは知っていた。
そうでなくとも相手は『男』だ。なら可能性はある。
『男』の正体はおそらく『ジャン・ピエール・ポルナレフ』という、父のアマネが現在フランスで捜している人物だ。
「っ……コロッセオ……遠、いよ……」
走り続けて息が切れた。トムは父と違って持久力がない。
何も知らない観光客が馬鹿みたいにはしゃぎながら歩き回っていて、こんな状況では箒で飛んで空から探すことも出来ない。父みたいにフリーランニングでも出来たらまた違うだろうが、それはそれで目立ってしまう。
だから結局、手分けして探すのがよくなってしまった。
「分かれて探しながらコロッセオを目指そう! 見つけたらそのままブチャラティへ加勢すればいい。僕はこっちの通りを行くから二人は向こうを頼む!」
「気を付けろよ!」
ジョルノへ亀を渡して走り出す。トムが選んだのはコロッセオへ向かうのに一番遠回りとなる通りだ。別にブチャラティを見つけるのが嫌だったのではなく、ブチャラティだったら“通らない”だろう道を選んだだけである。
通らない道。つまり一番妨害されずにコロッセオへ迎える道だ。
トムはスタンド使いではなければスタンドも見えない。ナギニなら見えるがいつだってナギニと情報伝達が可能という訳でもなかった。ナギニが遠くにいたり蛇語が聞こえなければナギニが伝えたいことも分からない。
だからスタンド使いとの戦いは避ける。一人であるのなら尚更だ。
スタンド使いとの戦いを避けて、コロッセオでブチャラティ達を待っているはずの『男』を探す。それがトムの出来ることだ。
「きっと、僕はあの人を知ってる……ッ!」
『男』はエジプトでスタンドの矢を手に入れたと言っていた。トムが十二年前の事を話した時にも反応を示している。
それらがどちらか片方であったなら、トムが知らない人物だという可能性の方が高かっただろう。けれども『男』は両方へ反応したのだ。
キーワードは『十二年前』の『エジプト』で、『エンヤ婆』を『父さんの知人が倒した』という四つの事実。
十二年前のエジプトで、空条承太郎の仲間がエンヤ婆を倒した。トムの父のアマネはその空条承太郎の知人である。間違ったことは言っていない。
けれどもその事実を知っているのはその時の旅のメンバーと、アマネのように話を聞いた人物だけである。そして空条は自身の妻へもそれを告げていないことをトムは知っていた。
そうでなくとも相手は『男』だ。なら可能性はある。
『男』の正体はおそらく『ジャン・ピエール・ポルナレフ』という、父のアマネが現在フランスで捜している人物だ。
「っ……コロッセオ……遠、いよ……」
走り続けて息が切れた。トムは父と違って持久力がない。