五部
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頭に血が昇りすぎて成人したときの怒り方をしてしまった。今は子供だから子供らしくしていようと普段から注意しているが、興奮するとああなってしまうのはトムの悪い癖である。
ジョルノとミスタが警戒しつつヘリへ近づくのに、トムは苦しみの呪文を解除はしないまま亀の元へと戻った。亀を拾って振り返ればヘリの中からは、呪文を受けているスタンド使いの激痛に苦しむ悲鳴がまだ聞こえている。
スタンド使いの能力は恐ろしい。けれどもペルソナや魔法だって使い方次第では恐ろしいものだ。特にトムは禁じられている呪文さえも躊躇無く使えるのである。
相手を心から苦しめたいと願うことで使える呪文。人を苦しめ殺せる『覚悟』がなければ使えない魔法。
父のアマネからはあまり使うなと言われている。トムはバレなければいいと考えていたし、父も黙認しているところがあった。でもそれはこの世界へ『スタンド』というものが存在し、父がそれに関わった以上トムもそれに関わる可能性があったからだ。
身を守る為に使うのを許すと、そういうことだったのだろう。
ジョルノのラッシュの掛け声とミスタの銃が発砲する音が連続していた。
しばらくすると静かになり二人が戻ってくる。戻ってくる二人がトムを見るのに、名前を呼んでいいのかどうか戸惑ってしまった。
「トム!」
だから先に呼んできたミスタへちょっと驚く。
「スゲーなお前の魔法はよぉ! あのカビ野郎、ヘリの中で悲鳴上げて苦しんでたぜえ!」
「ぅ……、うん」
「でも、ま、ガキなんだから人殺すのはまだやめとけ。な?」
肩をバンバンと少し痛いくらいに叩いて、ミスタがトムの手から亀をひったくった。その後ろから少しヘリを調べてきていたジョルノが傍に来る。
トムを見る雰囲気が、少し承太郎や仗助といった『ジョースター家』のそれに似ていた。彼の父は吸血鬼だった『DIO』だけれど、その吸血鬼の身体は承太郎達の先祖だったらしい。
だから似るといえばきっと似るのだろう。むしろだからこそ、ジョルノは正義を貫く『黄金の精神』を持っている。
トムとは違う。人を殺して分裂した魂を、再び繋ぎ合わせて浄化したトムの魂とは。
「――トムには、何度も助けられてるな」
「……友達なんでしょ。友達を助けるのは、当たり前だよ」
「それもそうだ。行こうトム。ブチャラティを助けに行かないと」
ジョルノが昇ってきたばかりの階段へと向かっていく。
「……ねえジョルノ。君のラッシュの時の掛け声って君のお父さんと同じなんだね」
「そうなの?」
「聞いた話が正しいならね。僕自身は君のお父さんに会ったことないんだ」
ジョルノとミスタが警戒しつつヘリへ近づくのに、トムは苦しみの呪文を解除はしないまま亀の元へと戻った。亀を拾って振り返ればヘリの中からは、呪文を受けているスタンド使いの激痛に苦しむ悲鳴がまだ聞こえている。
スタンド使いの能力は恐ろしい。けれどもペルソナや魔法だって使い方次第では恐ろしいものだ。特にトムは禁じられている呪文さえも躊躇無く使えるのである。
相手を心から苦しめたいと願うことで使える呪文。人を苦しめ殺せる『覚悟』がなければ使えない魔法。
父のアマネからはあまり使うなと言われている。トムはバレなければいいと考えていたし、父も黙認しているところがあった。でもそれはこの世界へ『スタンド』というものが存在し、父がそれに関わった以上トムもそれに関わる可能性があったからだ。
身を守る為に使うのを許すと、そういうことだったのだろう。
ジョルノのラッシュの掛け声とミスタの銃が発砲する音が連続していた。
しばらくすると静かになり二人が戻ってくる。戻ってくる二人がトムを見るのに、名前を呼んでいいのかどうか戸惑ってしまった。
「トム!」
だから先に呼んできたミスタへちょっと驚く。
「スゲーなお前の魔法はよぉ! あのカビ野郎、ヘリの中で悲鳴上げて苦しんでたぜえ!」
「ぅ……、うん」
「でも、ま、ガキなんだから人殺すのはまだやめとけ。な?」
肩をバンバンと少し痛いくらいに叩いて、ミスタがトムの手から亀をひったくった。その後ろから少しヘリを調べてきていたジョルノが傍に来る。
トムを見る雰囲気が、少し承太郎や仗助といった『ジョースター家』のそれに似ていた。彼の父は吸血鬼だった『DIO』だけれど、その吸血鬼の身体は承太郎達の先祖だったらしい。
だから似るといえばきっと似るのだろう。むしろだからこそ、ジョルノは正義を貫く『黄金の精神』を持っている。
トムとは違う。人を殺して分裂した魂を、再び繋ぎ合わせて浄化したトムの魂とは。
「――トムには、何度も助けられてるな」
「……友達なんでしょ。友達を助けるのは、当たり前だよ」
「それもそうだ。行こうトム。ブチャラティを助けに行かないと」
ジョルノが昇ってきたばかりの階段へと向かっていく。
「……ねえジョルノ。君のラッシュの時の掛け声って君のお父さんと同じなんだね」
「そうなの?」
「聞いた話が正しいならね。僕自身は君のお父さんに会ったことないんだ」